スタバのフラペチーノを実名でやり玉にあげてる本、『依存症ビジネス』が勇気ある。

今回、ご紹介するのは、ダイヤモンド社から出ている翻訳書、

『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』。

デイミアン・トンプソン著、中里京子訳。

 

なんでまたこの本を紹介しようと思ったのかと言えば、

以前書いたスタバの記事に加筆したのがきっかけ。

以下、加筆した記事へのリンクです。

 

mee6.hatenablog.jp より

 

そういえば、スタバのフラペチーノをやり玉にあげている本があったなあ。

まだ手元にあるかな? あった! ということでリンク画像です。

 

 

 

著者はイギリス人の方で、本書であげられている依存症の事例は

主に英・米のものです。

このため、日本ではなじみがない、ドラッグ・ギャンブルの事例も

あげられていますが、なかには日本でも聞き慣れた企業名・商品名も。

 

その一つが、第5章「スイーツはもはやコカインだ!」に登場する

スターバックス」と「フラペチーノ」です。

 

では、そもそも「フラペチーノ」とはなんでしょうか?

本書の説明によりますと、

フラペチーノという名前は、冷やす(中略)という意味のフランス語「フラッペ」と、「カプチーノ」を合わせた造語だ。この飲み物を発明したのは、マサチューセッツ州のコーヒーチェーン。スターバックスに買収されたときに、その権利を同社に譲ったのである。

 以上、同書 P166より。

 

いやあ、驚きですねえ! 「フラペチーノ」が造語なのは知ってましたが、

まさかスターバックスの発明じゃなくて、買収した会社の発明だったとは!

 

さて、じゃあこの「フラペチーノ」がどんな悪さをしているっていうんでしょう?

 

本書によれば、糖分つまり砂糖にも、実は依存性があることが

実験で確かめられており、ハイカロリーで糖分が高いものが、

そのへんで容易に買えること自体が問題なのだと指摘されています。

 

そう。フラペチーノが特別に悪さをしているわけではなく、

スターバックスの、フラペチーノの売り方が巧妙なだけなのです。

 

人間の欲望スイッチはキュー(合図)によって簡単にオンにできて、

売り手はそれを利用しているのだ、というのが本書の主張です。

「今すぐほしい!」と思わせる画像などを多用している、ということですね。

 

しかし、この本を読んだ私の感想としては、

「そんなに欲望をかきたてられるかなあ?」と。

 

確かに、スターバックスの店先に立っている

新作フラペチーノの看板はオシャレで魅力的だし、

話のタネになるので一度は試しますが、二回目以降は

そんなに魅力を感じません。もう未知のものではないからです。

 

ですが、この本の著者によれば違うらしい。

夏のあいだじゅう、午後になると、私はフラペチーノをすするために12階から下に降りていった(中略)

結局私は、スタバに行かなくなった。太りだしたからだ。

 以上、同書 P166より。

 

いやいやいや、著者さんが甘いものに弱すぎるだけでしょ?

大の大人が太るまで通うことがおかしいんですよ!

ヘルシー志向の人だったらむしろ避けるよね?

 

うーん、やはり

カップケーキのレトロな魅力は、糖分や脂肪分のとりすぎといった懸念を押しやってくれる。

 以上、同書 P12 より。

 

という人の感性には共感しかねます。本書によるとアメリカでは

カップケーキが「お母さんの味!」なんて文句で売られてるらしいですよ。

私にはちょっと信じられないです。

 

著者の名誉のために言っておくと、この本は情けない大人たちの

依存症の事例を集めただけの本ではありません。

 

最終章「われらを誘惑から救いたまえ」では、

私たちの「欲しい」という衝動を操作しようとするテクノロジーのトリックを早く見抜ければ見抜けるほど、それらを拒絶できる可能性も高くなる。

以上、同署 P335・336より。

 

と述べています。これを私なりに解釈すると、

売り手の意図が読めれば興ざめするので、買う気が失せて節約できるよ、

ということかな。

 

買う(食べる)ということを選択するとき、

アナタが主導権を握れば、節約できるのはお金だけではなく、

費やす時間と摂取カロリーも節約できる!

 

本書は、あたりまえだけど大事なことを、思い知らせてくれる本です。

 

表紙絵がちょっとカワイイし、カバーの手触りもいいし、

グラフはたしか出てこなかったし、難しくない内容なのでオススメ。

ドキュメンタリーを見る気分で、気軽に読んでもらいたい。

内容はシリアスですけどね。

 

以上、勇気ある啓蒙書『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』の

紹介でした。