ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

紳士マンガ『リストランテ・パラディーゾ』の外伝、『GENTE』が本編よりも長くて驚き。

目次

 

今回、ご紹介するのは、マンガ『リストランテ・パラディーゾ』(全1巻)と、

その外伝の『GENTE(ジェンテ)』(全3巻)。

作者はどちらもオノ・ナツメさん。以下、画像です。

 

  

 

リストランテ・パラディーゾ』は、2009年に深夜アニメが

放送されていたので、タイトルをご存じの方もいらっしゃるかも。

ちなみに私は、アニメは観ていません。サントラは買いましたが。

 

この作品は、本編よりも外伝のほうが長いという

驚きの構成になっています。 この点がすでにおもしろい。

 

それでは、以下、この作品を解説していきます。

 

時系列など

物語の時系列

まずは、時系列を整理しておきましょう。

この作品の時系列は、

『GENTE』1巻→『GENTE』2巻→『リストランテ・パラディーゾ』→

→『GENTE』3巻 となっています。

 

リストランテ・パラディーゾ』を現在とすると、

『GENTE』1、2巻が過去(作中のリストランテができるまで)の話

で、『GENTE』3巻が未来の話になります。

 

次に、 作中のリストランテについて解説します。

 このリストランテの名は「カゼッタ・デッロルソ」。

リストランテ・パラディーゾ』の冒頭では従業員は6名ですが、

主人公のニコレッタが加わることで7名になります。

以下、従業員の紹介です。

 

 「カゼッタ・デッロルソ」の従業員

クラウディオ:カメリエーレ(給仕)長。穏やかな性格の老眼鏡紳士。

ルチアーノ:カメリエーレ。口うるさいが気遣いのできる老眼鏡紳士。

ヴィート:カメリエーレ。元プレイボーイの老眼鏡紳士。

ジジ:ソムリエ。つまみ食いが多く無口で小柄な老眼鏡紳士。

フリオ:シェフ。人当たりと腕がいい、伊達老眼鏡の紳士。

テオ:シェフ。若手だったが、作中で老眼になった。デザート作りがうまい。

ニコレッタ:シェフ見習い。唯一の女性スタッフ。クラウディオが好き。

 

実はこのリストランテは、オーナーが奥さまを喜ばせるために

従業員を集めました。採用基準は「老眼の歳の頃の紳士」です。

だから従業員のリストがこんなことになっているわけでして。

 

リストランテ「カゼッタ・デッロルソ」では、奥さまと同じご趣味の方、

従業員目当ての女性客で満席になっていて、

当日ではまず席が取れないのが日常です。

 

それでは、以下、あらすじを書いていこうと思います。

 

リストランテ・パラディーゾ』のあらすじ

離婚した弁護士の母親に祖父母のところへ預けられて育った娘、ニコレッタ。

20歳になったのを機に、ローマへ出てきました。

その目的は、母親が再婚しようとしている相手に、

母には自分という大きな娘がいることをばらすこと。 

 

母のオルガが再婚しようとしている、リストランテのオーナーの

ロレンツォは、子持ちの相手とは結婚しないという主義でした。

そして、リストランテに妻好みの従業員を集めるほどの愛妻家です。

 

このオーナーに、オルガの娘であることをばらさないことを条件に、

ニコレッタは、紳士まみれのリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」で

働きはじめました。稼いで自立をするためと、何より、

恋した人のそばにいるために。

 

若きシェフ見習いのニコレッタの恋の行方は? はたしてニコレッタは、

実はバツイチでニコレッタよりかなり年上の、

カメリエーレ長クラウディオをオトすことができるのか?

 

『GENTE』について

『GENTE』を通読して思ったことは、

「主役が毎度変わって、群像劇っぽくて、リストランテ・パラディーゾよりも

 ちょっと読みにくい」ということ。

リストランテ・パラディーゾ』にはニコレッタという主人公がいて、

お話がわかりやすかった。

 

先に書いたように、1、2巻がリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」が

できあがるまでの話です。

 

従業員の顔ぶれが変わっていく様が描かれ、

おそらくはニコレッタと面識がない面々が登場します。

ニコレッタの登場は、2巻に収録されている第10話のラスト2コマからです。

 

3巻からは、ニコレッタが「カゼッタ・デッロルソ」に来てからの話。

リストランテ・パラディーゾ』の続編とも言えます。

 

読んだ感想。あなたもニコレッタちゃんになる?

うーんと、いや、とにかく従業員の面々がステキ、としか言えない。

だってこれはマンガなんだから、最初から、オーナーの奥さまと

同じ趣味の方しか、買って読む気にならないのでは。

 

国産の恋愛マンガとしては異色の作品ではないでしょうか。

なにせ、ニコレッタが恋する相手はえらく年上です。

しかも、それを母のオルガと、職場の人たちが応援しています。

 

日本で同じ状況になったとしたら、周囲からえらく反対されそうですが、

作中では温かく見守られています。舞台がイタリアだからでしょうか。

まわりの人たちの大人な反応が、いかにも海外っぽい。

さすが、作者が語学留学でイタリアに行ってただけのことはある。

 

家人に

「この作品って女性向けというか、恋愛マンガが好きな人向けじゃない?」

と言ってみたところ、

「いや、出てくる料理がおいしそうで、恋愛マンガが好きじゃなくても

 楽しめるよ」と言っていました。

 

作中に描かれる、おいしそうなお料理を(観て)楽しみましょう。

特にテオのドルチェ(デザート)は、黒白でもおいしそうです。

オノ・ナツメさんの画力に脱帽。さすがはプロ!

 

おいしい料理と、老眼鏡の紳士と、イタリアの雰囲気

が好きな方にはオススメの作品です。

読後にはあなたもきっと、ニコレッタちゃんになっていることでしょう。

  

以上、紳士まみれのマンガ『リストランテ・パラディーゾ』と、

本編より長い外伝『GENTE』の紹介でした。

 

※本記事は、8月19日に修正しました。