マンガ『パンデモニウム -魔術師の村-』は、ケモナーさん以外にも読んでほしい。

目次

 

今回、ご紹介するのは、マンガ『Pandemonium -魔術師の村-』。

作者は柴本翔さんで、小学館から全2巻で出ています。

 

柴本翔さんの公式サイトを見てみると、擬人化された動物キャラの

イラストなどがたくさん掲載されており、

「あ、このヒトはケモナーさんなんだな」と思いました。

 

本作はそんなケモナーさんの柴本翔さんが描いたマンガなので、

もちろんたくさんのケモノキャラが出てくるのですが。

登場人物は、複数の動物の特徴をあわせ持つ、異形の人々がほとんどです。

 

まあ、表紙の画像を見ていただければ、本作中の「異形の人々」が

どんな外見なのか、おわかりいただけると思います。

それでは以下、リンクを兼ねた画像です。

  

こちらが1巻。左上で箱を背負っているのが、

主人公の男性、ジファー。

右下にいるのがヒロインのドミーカ、「魔術師の村」の住民です。

顔のキツネっぽさと、手足の猛禽っぽさのギャップにご注目を。

 

こちらが2巻。なぜかボロボロになっているジファーが、

何者かからドミーカを守ろうとしています。

 

こうしてふたつの表紙絵を並べてみると、

1巻と2巻では、ふたりの関係が変化していることがうかがえます。

他所者であり、下心があって「魔術師の村」へ来たジファーが、

どのような経緯でドミーカを守ろうと決意したのか。

 

以下、この作品を解説していきます。

 

今作の舞台・背景

舞台は主に、サブタイトルの「魔術師の村」です。

この村には異形の「魔術師」たちが暮らしているとされ、

各地で被害を出している厄災、「空に潜む者」を

操っているとの伝説があります。

 

主人公ジファーの故郷にもこの「空に潜む者」が襲来し、

空から「まっすぐな雷」を落とされ、恋人のアンナは

その瘴気にあてられて亡くなりました。

 

「魔術師の村」がある土地は地盤がもろく、

草気も生えない不毛の地です。こんな暮らしにくい

土地にある村の住民は、本当にただのヒトでしょうか。

 

あらすじ

ジファーは死んだ恋人を生き返らせてもらうべく、伝説を信じて

「魔術師の村」を目指して歩いていた。

食料を落としてから4日間歩き続け、ついに限界を迎えて倒れた彼を、

みつけて助けてくれたのは、異形の人々。

 

彼らは、彼が探していた村の住民たちだった。

彼はついに、「魔術師の村」にたどりついたのだ!

 

住民のひとり、ドミーカの家で介抱されて回復したジファー。

なんとか村長に面会できた彼は、「恋人を生き返えらせてほしい」と

頼みこむが、村長の返事はつれないものだった。

「我々にそんな力はない」。

 

村長の言葉の真意は?

ここは本当に「魔術師の村」なのか?

異形の彼らはなぜ、不毛の土地で暮らしているのか?

 

彼の監視を兼ねて世話をしてくれるドミーカと、

少しずつ親しくなっていくジファー。気がつけば

彼女に魅せられ、彼女を愛しはじめていた。

 

彼女に自分の真実を打ち明けられず、厚意に甘えて

滞在期間がずるずると延びていたある日、

事故にあったジファーは、ついにこの村の真実を知る。

しかし、彼を追ってきた者たちに、それを知らせるのが遅すぎた。

 

はたしてジファーは、異形の村の人々を救えるのか。

 

読んだ感想(ネタバレ注意)

 この作品を読むと、「人はみかけで判断されがち」であること、

「外見がかけ離れた人々が仲良くするのは難しい」ことを痛感します。

 

この世界の人々はケモノなので、

猫・犬・鳥・牛・馬・狐などの姿をしています。

私たちの世界よりも、「人種」が幅広いのです。

しかし、やはり差別はあり、

複数の動物の特徴をあわせ持つ者は、「異形」とされています。

 

「異形」の人々が迫害を逃れて身を寄せ合ってできた村が、

不毛の土地にある「魔術師の村」の正体なのです。

外見が生まれつき普通ではないだけの人々は、

当然ながら特別な力など持っていません。

 

「魔術師の村」の伝説はおそらく、

「なんでも願いを叶えてくれる人、魔法使いみたいな人が、どこかに

 いてくれたらいいのに」という願望と、

「異形の人々が暮らしている村があるらしい」というウサワが

合わさってできあがったのでしょう。

 

そこへさらに、「空に潜む者たちがもう来ないようになればいいのに」

という願いも反映され、

「空に潜む者たちは、魔術師の村でつくられ、魔術師が操っている」

などという根も葉もないウワサへと変化してしまったのでは。

  

この物語は、人間の社会でも似たようなことが

起きていることを思い出させてくれます。

そしてそれは、部外者から見ればおかしなことだということも。

 

表紙のケモノ絵から、モナーさん向けだと思わないで、

非ケモナーさんにも読んでほしい作品です。

 

さて。読後のあなたは、

・ツノをはやした九十九尾狐のカヨウさん

・ヒロインのドミーカさん

のふたりのうち、はたしてどちら派になっているか!

 

ちなみに私、外見は圧倒的にカヨウさんが好みです。

猫と狐のモチーフは好きなんですよね。

カヨウさんだって狐の一種だ(断言)。

 

以上、柴本翔さん作、マンガ『Pandemonium -魔術師の村-』を紹介しました。

 

追記

読み終える頃には、ジファーとドミーカの幸せを願い、

村人のなかで一人はお気に入りになっていること、間違いなしです。

村人のなかにはかわいい子供たちもいます。すべての住民が

不気味なわけではありません。ご安心を。

 

※本記事は、同日、加筆しました。