ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

【ホラー】超常現象を起こすものたち「SCP」はホラー好きにオススメ。【SF】

目次

 

今回はハロウィンにちなんでちょっとホラーなネタを。
最初は運営からのお題に答えようとしていたんですけど、ちょっと面白いものをみつけてしまったので。

 

あなたは、SCPを知っていますか?
すでに知っている人はここでバックを推奨します。

 

SCPってどんなもの?

まだ読んでる人は、知らない人ですよね?

じゃあ、ウィキペディアからSCPについての解説を引用しますね。

SCP財団(英: SCP Foundation)とは、「SCP」と呼称される自然法則に反した物品・場所・存在を取り扱う架空の組織の名称であるとともに、それについての共同創作を行う同名のコミュニティサイトである。サイトの主要な創作物は特定のSCPを封じ込める方法を示す"特別収容プロトコル"を記した架空の報告書であるが、他にもSCPやSCP財団に関する様々な形式の掌編(サイト内では「財団Tales」またはTalesと呼ばれる)を執筆している。これらはWiki形式のウェブサイトにまとめて投稿される[4]。
サイト内の創作物は共通の背景設定に大まかに従うことが求められており、その多くがホラー小説やSFの要素を持つ。また創作物はいずれもクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0(CC BY-SA)ライセンスにより公開されており、SCP – Containment Breach(英語版)を始めとする複数の二次創作物が制作・公開されている。 

以上、SCP - Wikipediaより 

 

つまり、超常現象を引き起こす物体・クリーチャー・建物などを集めて保管・監視・実験している(架空の)組織の一員となり(架空の)報告書を書いて公開するという、共同制作プロジェクトの一種です。有志の手で報告書が書かれ、SCPの管理リストが伸びていったんだとか。海外版は4999番までが訳されています。これを5000本のホラー・超常現象系作品だとすれば、一本ぐらいお好みの作品がみつかろうというものです。

 

SCPにはさらに、SF的要素もあります。報告書には対象SCPオブジェクトのおおまかな危険度(上から順にKeter・Euclid ・Safe の三段階評価*1)と管理ナンバー、安全な保管・収容方法と、引き起こす現象の法則性を見つけるための実験などが書かれています。ホラーなものは目的も法則性も不明だからこそ怖いのですが、淡々とした実験報告を読んでいると怖さが薄まるので助かります。しかも、慣れるとその真剣さが逆に笑えてくるから不思議です。だって、怪しげな壺から出てきたクリーチャーを捕まえて解剖して消化器官がないことを確認してみたり(SCP019 化け物瓶)、触った相手を即死させる能力を持つペスト医者風人型生物(?)に英語でインタビューしてみたり(SCP049 ペスト医師)するんですよ? 科学者には怖いものがないのか! 少なくとも報告書を書いた当の本人は冷静に状況を分析してるんですよね。色んな意味ですごい。

 

松さんが「松(A・TYPEcorp.)」というアカウント名でピクシブにSCPオブジェクトを簡単に紹介する漫画「SCPをざっくり紹介」シリーズを95作もアップしていらっしゃるので、これを一通り読み、詳しく知りたいと思ったものの報告書を読みに行く、というルートがオススメ。これは私が通ったルートです。松さんは、外見が絵にしやすくて効果がわかりやすいSCPを選んで漫画化してくれているので、インパクトがあって面白い!  以下、ピクシブ大百科の「SCPオブジェクト」という項目へのリンクです。

SCPオブジェクト (えすしーぴーおぶじぇくと)とは【ピクシブ百科事典】

 

恐怖症がある人への注意

SCPは全体的にホラーテイストなので、中には

・猫恐怖症が悪化しそうなオブジェクト(SCP247 無害な仔猫)

・犬恐怖症が悪化しそうなオブジェクト(SCP367 小さな犬)

・テディベア恐怖症が悪化しそうなオブジェクト(SCP1048 ビルダー・ベア)

など、恐怖症が悪化しそうなものが含まれています。もちろん、ホラーの鉄板、人形ネタもあるよ! 人形自体が苦手な人は、○○人形ってタイトルの記事は読まないほうがいいぞ! ものによっては画像(写真)があってビビるからね!

 

私が好きなSCP

じゃあ、私がお気に入りなのはどれなのか。

松さんが漫画化してくださったものに限定すると、


・飛んできてツッコミを入れるトマト「批判的なトマト」( SCP504 危険度:Safe )
・外見以外は普通の猫「半身猫のジョーシー」(SCP529 危険度:Safe)
・動く木製の仔馬「毒木の仔馬」( SCP805 危険度:Safe )
・死んだ科学者の人格が宿るペンダント「不死の首飾り」( SCP963 危険度:Euclid )
・被写体の欲望を写すカメラ「欲望カメラ」( SCP978 危険度:Safe )
・神話の怪物、現代版「コカトリス」(SCP1013 危険度:Keter)


これぐらいでしょうか。それでは以下、それぞれについてざっと解説と感想を。

 

飛んできてツッコミを入れるトマト「批判的なトマト」( SCP504 危険度:Safe )

冗談のつまらなさに応じた速度で冗談を言った奴にぶつかり、体当たりしてツッコミを入れるトマトです。体当たりの速度によってはケガ人どころか死人が出ます。ブーイングといえば生卵が定番だと思うのですが、そこをあえてトマトにしてあるのが面白い。遺伝子は商用の品種と同じなので普通に栽培できるようです。だったらこのトマトの異常な強度は何に由来しているのやら。報告書には、対象物にぶつかった瞬間につぶれているという記述はありません。不思議!

 

外見以外は普通の猫「半身猫のジョーシー」(SCP529 危険度:Safe)

まるでフォトショで加工されたかのように、下半身がない猫です。しかしこの猫はまるで下半身があるかのようにふるまっています。歩行にも排泄にも問題はないようです。この猫の断面を見ても体内が見えるわけではなく、ただ黒い穴が見えるだけです。報告書にはチーズを与えてはいけませんとありますが、その理由は、チーズの量が不十分だとこの猫が悲しむから。この理由は非常に微笑ましく、SCPにしては珍しく無害です。もし自分の目の前にいたら、自分の目を疑った後、普通の猫にするように頭をなでていると思います。

 

動く木製の仔馬「毒木の仔馬」( SCP805 危険度:Safe )

未知の植物(ウルシの近縁種)でできた空洞の仔馬。仔馬のような仕草で動きますが、水もエサも必要ありません。人間をみつけると近づき、スキンシップしようとします。この仔馬に触れると発疹ができ、全身に広がります。この仔馬に触れた人間は動けなくなり、最終的にはこの仔馬に似たものになります。この結果だけを見ると十分に危険ですが、この仔馬自身に悪意があるようには見えません。私は絶対に触りたくありませんが、動いているところは見てみたい。

 

死んだ科学者の人格が宿るペンダント「不死の首飾り」( SCP963 危険度:Euclid)

身につけた者の人格が、故ジャック・ブライト博士の人格にのっとられる首飾りです。この首飾りを30日間以上身につけていると人格が完全にジャック・ブライト博士のものになり、首飾りをはずしても元の人格に戻ることはありません。この変化は脳にまで及びます。私がこの報告書を読んで思ったことは、少し「銃夢」のノヴァ教授*2に似ているな、ということ。マッド・サイエンティストは増殖する傾向があるのだとしたら、故ジャック・ブライト博士も実はマッド・サイエンティストだったのかもしれません。この博士は自分を宿主から解放するための研究をしています。人間としては一度死んでいるので、現状は不本意なのでしょう。自然な死を迎えたいと思っているらしいジャック・ブライト博士は、意外にもマトモな感性の人なのか。

 

被写体の欲望を写すカメラ「欲望カメラ」( SCP978 危険度:Safe )

被写体になったものの欲望を写すポラロイドカメラです。被写体の現在の状態ではなく、その被写体が心の奥に持っている欲望を写します。このカメラは精神鑑定の手間を省いてくれるかもしれません。ある研究助手はこのカメラで撮影された後、精神科的な休暇を言い渡されました。この効果は、被写体が生き物ではない場合でも有効です。スイッチが5個しかないマシーンを撮影したところ、実際にはない6個目のスイッチが写っていました。撮影されたマシーンは、今よりもっと高性能になりたいようですね。この「欲望カメラ」という訳だと、ドラえもんの秘密道具みたいな軽さが感じられて好きです。

 

神話の怪物、現代版「コカトリス」(SCP1013 危険度:Keter)

凝視した相手の動きを止め、相手にかみつくことで体表を石灰化させてから、肉や臓器などを食べるハ虫類です。頭部はニワトリに似ていてトサカがありますが羽毛はありません。雌雄同体で、尾の一部に嚢胞状構造をつくります。この中に子コカトリスが入っており、48時間後に母体から離れます。嚢胞から出た子コカトリスは、親が用意した獲物を食べつくした後、暗くて低温の場所に移動します。子コカトリスはそこで何度も脱皮をし、やがて成体になってまた繁殖します。コカトリスはこのサイクルによって1000人以上の犠牲者を出しました。松さんの漫画は少しカワイイ絵柄で描かれているので悲惨さは減じていますが、よく考えなくても大惨事ですね。まるでパニック映画のようにわかりやすい被害だったので印象に残りました。神話系のSCPオブジェクトってのもアリなのですね。

 

おわりに。あなたもSCPをつくれるかも?

SCPは共同制作プロジェクトの一種なので、記事(報告書)の作成ガイドが公開されています。評価の低い記事は削除されてしまうようですが、高い評価を維持できれば、自分が考えたSCPオブジェクトがずっと残って、人に読んでもらえるのです。ホラー・SF作家志望の方は挑戦してみてはいかがでしょう。以下、記事作成ガイドラインへのリンクです。

SCP記事作成のガイド - SCP財団

 

以上。SCPの紹介をお送りしました。

 

※本記事は、同日に脚注を追加しました。

*1:Keter:収容が不可能、又は人類にとっての脅威になるもの Euclid:完全な収容方法が確立されていない、又はそれ自体に意思や知性があるもの Safe :完全に収容できていて、刺激しなければ効果を見せないもの 詳しくは次のリンクを参照のこと。オブジェクトクラス - SCP財団

*2:木城ゆきとの漫画「銃夢」シリーズに登場する、常人離れした知能を持つザレム人の男性。年齢は「ガリィクエストⅩⅥ」の時点で58歳と思われる。ザレム大学の教授だった時にザレムから逃亡したので、教授を自称している。ノヴァ教授は独自に開発したステレオトミーという技術を持っているので、死んでも復活することができる。ステレオトミーは、活動している個体が死亡すると再生を始める。ステレオトミーはまず繭を形成し、その繭の中で個体(ノヴァ教授)を構築する。この繭はノヴァ教授の記憶どころか、トレードマークの眼鏡と衣服も再生する。再生の全工程を終えるのには6日間を要する。「ガリィクエストⅩⅥ」の扉絵は「ディスティ・ノヴァの系譜」である。この図は、ノヴァ教授が再生し続けるうちに分岐し、同じ人格を持つ個体が複数人、同時に存在していることを示している。ディスティ・ノヴァ教授を人間(生命)と認識してよいのかどうか迷うところだ。彼はもはや人間というより「ディスティ・ノヴァ」という現象のような気がする。彼は独自の学問「業子力学」を完成させるため、今日もどこかで人間を犠牲にしながら研究を続けていることだろう。