ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

ぬまがさワタリ著『絶滅どうぶつ図鑑』フルカラーの手描きイラストを見ながら、絶滅動物に想いを馳せよう。

目次

 

今回、ご紹介するのは、ぬまがさワタリ著『絶滅どうぶつ図鑑 拝啓 人類さま ぼくたちぜつめつしました』です。2018年に株式会社パルコ(カバーにはPARCO出版と記載されている)から出ています。お値段は税抜き¥1000。以下、リンクを兼ねた表紙の画像です。

 

黄色く見えている部分は帯です。店頭で買った初版にはついていますが、

通販だったり重版だったりしてもついているのだろうか。

アマゾンのリンク画像で帯つきなのは珍しい。

 

実は万札を崩したくて行った書店でみつけた本書。

この作者さんの動物イラストはネットで見たことがあったので、

お布施のかわりに本書を買ってみたら、けっこう好みの本でした。

表・裏表紙も本文に含まれている(ドードーは目次に載っていない)のも面白い。

表紙から本文の雰囲気がわかるのは親切ですね。

 

それでは以下、この本ついて解説していきます。

 

私のお気に入りの絶滅動物。

この本の詳しい内容は後で語るとして、まずは本書の目玉、絶滅動物の紹介のなかで、私のお気に入りの種を紹介したいと思います。

 

PART1 新生代第三紀・新第三紀から「イヌとネコの分かれ道 ミアキス

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※上記の画像はミアキス - Wikipediaより引用。

分類:哺乳綱食肉目ミアキス

特徴:鋭い爪と歯を持ち、樹上と地上で暮らしていた。指先・かかとを接地させて歩く。イタチやフェレットに似た姿をしていた。

食肉目の祖先ミアキスは、犬・猫好きの間では有名な種でしょう。犬も猫も元をたどれば共通の種から分かれたのであり、犬も猫も年月とともにそれぞれの身体特徴を先鋭化しただけなのであって、人間が愛でているのはごく表面的な部分であることを思い出させてくれる種です。アシカ科もクマ科もミアキスの子孫だそうですよ。肉食哺乳類が好きな人間同士で争うのは実にナンセンスですね。それでも私は猫派ですけども。

 

PART2 新生代第四紀(更新世)から「ジャイアント(ユニ)コーン!? エラスモテリウム」

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※上記の画像はエラスモテリウム - Wikipediaより引用。 

分類:哺乳綱奇蹄目サイ科

特徴: 長さ約2メートルのツノを持っていたとされる。

一説によるとユニコーンのモデルになった種だとか。大型サイの仲間なので派手な外見をしているわけではありませんが、体長は4.5メートル、肩の高さは2メートルあったという巨体です。現生するシロサイよりも大きい! 実物を見たら迫力があったでしょう。古代生物や絶滅動物というと、現生動物とはかけ離れた外見をした種に注目しがちですが、私は幻獣やファンタジー生物が好きなので、こういった◯◯のモデルになった種というのが好きです。

 

PART3 新生代第四紀(完新世)から「大空の覇者 ハーストイーグル」

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※上記の画像はハーストイーグル - Wikipediaより引用。

左上に描かれているのがハーストイーグル。

分類:鳥綱タカ目タカ科

特徴:史上最大の猛禽類で全長は3メートル。時速80kmで飛べたらしい。

空を飛べる鳥の中で最大なのはアルゲンタヴィスかもしれませんが、アルゲンタヴィスは体重が70kgもあり、自力では飛び立つことができず、上昇気流を利用して滑空していたという説があります。空を飛ぶ鳥の中でも、自力で飛び立つことができた鳥に限れば、ハーストイーグルが最大の種でしょう。まさしく大空の覇者です。私は猛禽類を見るのも好きなので、この種にはちょっとトキメキました。では、こんな強そうな種がなぜ滅んだのでしょうか。それは、生息域(ニュージーランドの南島)にやって来た人間のせいです。人間に直接狩られたわけではないでしょうが、獲物になる動物を人間と奪い合った結果、人間に負けて絶滅したようです。人類が飛び道具を使うようになってからこっち、体が大きければ有利とは限らなくなりました。知能の高さがモノを言う時代で、大きさを誇るのは無意味なことなのかもしれません。

 

児童書だからとナメるなかれ。

店頭では児童書コーナーに置いてあったし、本文中の画像はすべて手描きイラストで写真はなく正確性には欠けるし、一種ずつにキャッチフレーズはついているし、ダジャレはふんだんに使われているし。本書は明らかに児童書です。しかし、学術系の児童書は大人が読んでも面白いことが多いので、学術系の入門書をお探しの場合はまず児童書を読んでみるのも1つの手です。これは図書館司書課程で教わったことですが、調べ物はまず児童書からあたるとわかりやすくてはかどるそうですよ。

本書は絶滅動物図鑑の一種ですが、内容は動物の紹介だけではありません。生物学上の時代区分や、「絶滅」という言葉の定義や、各時代の自然環境などが書かれています。高校どころか義務教育中に習ったことのような気がしますが、忘れ去っている人には改めて勉強になります。実は「絶滅」の定義は団体によって違うことは初めて知りました。

この本は少し皮肉っぽいのも面白い。サブタイトルからして「拝啓 人類さま」ですし。まるで、人類のせいで滅んだ種が恨み言を書いた手紙をよこしたみたいなサブタイトルじゃないですか。さらに、帯の裏表紙側は「そんなわけで、人類のみなさん こちらでお待ちしております。敬具」です。 本書は彼らからの手紙という体を取っているのですね。私はこういう皮肉っぽい文が好きです。

私たち人類が、将来このような本に紹介される日がやってくるかもしれません。

 同書 p124 現在は六度目の大量絶滅期!? より

図鑑らしく、いや、学術書らしく人類に対して客観的なところも素敵ですね。シャレになってないですが。人類は自ら温暖化などを引き起こし、自分の生存に適した環境を破壊しているので、あり得ないことだとは言い切れません。しかも、人類が絶滅したら、そのことを記録してくれる親切な他者は今のところいない。こう考えると少しさみしいです。

 

おわりに。

絶滅動物というとロマンの香りがしますが、よく考えたらまったく他人事じゃない。人類も所詮は動物の一種なので、いつ絶滅するかわかったもんじゃありません。この本を読んで絶滅した動物に思いを馳せたら、人類が1日でも長く生きられるように、環境保全の努力をしようという気になりました。人類がうっかり絶滅動物図鑑に載らないように、しっかりゴミの分別をするところから始めようと思います。

 

以上。フルカラーイラスト図鑑『絶滅どうぶつ図鑑』をご紹介しました。

 

 

蛇足:なんで万札を崩しに書店へ行ったのかと言うと、書店には¥1000以上の商品がたくさんあるから。私は万札で3ケタの買い物をするのがイヤ。コンビニバイト時代のお釣りの面倒くささを思い出してしまい、店員さんに申し訳ない。だからといって服屋に行く気にはならず。欲しいものもないのに、万札を崩すためだけに買い物するのもイヤだったので。みなさん、万札を崩しに行くなら書店がオススメですよ。最近は¥2000ぐらいのブランドムックが豊富で楽しい。

 

※本記事は、2019年3月17日に微加筆しました。