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【ネタバレ注意】子羊が老狼に復讐する名作アニメ「チリンの鈴」は哀しいのだろうか?【サンリオ】

目次

 

今回ご紹介するのは、サンリオの劇場版アニメ「チリンの鈴」です。

以下、アマゾンへのリンクを兼ねたDVDのパッケージ画像。

上の白い子羊がチリンです。カワイイですね!

まさかこのカワイイ絵柄でバッドエンドになるとは誰が予想するでしょうか。

 

本作はDVDの発売が2006年、劇場公開は1978年、上映時間は46分という古い中編アニメーションです。原作はやなせたかし氏の絵本ですが、未読で観ても問題ありません。純粋に物語、アニメーションとしてすばらしいと思います。ただしバッドエンドですが。サンリオ=お子さま向けというのは間違った思い込みなのか。それとも、お子さまは大人が思っているよりも強くてバッドエンドにも耐えられるものなのか。この作品の対象年齢が気になりますが、とりあえず解説を。

 

「チリンの鈴」の主な登場動物

チリン:主人公で羊の男の子。首に付けられた鈴の音から名付けられた。後に狼のウォーに弟子入りし、ヤンチャな子羊から殺し屋の雄羊に成長する。

チリンの母:チリンの母の雌羊。子供想いで優しく、チリンをかばってウォーに殺される。

ウォー:チリンの母を殺した一匹狼。牧場から見える岩山に住んでいる。顔に傷があるが熊よりも強い。チリンを鍛えて狼の生き方を教え、ともに暮らすようになる。

セリフがあるキャラは以上です。中編だけあってキャラが少ない! そこがいい!

 

アニメ「チリンの鈴」あらすじ

春に生まれた子羊のチリン。チリンは平和な牧場で母羊と幸せに暮らしていたが、ある秋の日に牧場が狼に襲われ、チリンの母は殺されてしまった。母を殺した老狼の名はウォー。チリンは母の仇を討つため、牧場を出て岩山に向かった。

ウォーをみつけたチリンは、ウォーに弟子入りしたいと言う。いつか狼よりも強くなり、ウォーを殺すためだ。最初はチリンを相手にしていなかったウォーだが、チリンが本気であることを悟り、狼の生き方を教えてやると言った。この日からチリンの修行の日々が始まる。

牧場を出て3年が経ち、チリンは大人になった。3年の間にウォーを慕ようになっていたチリンはある日、ウォーに生まれ故郷の牧場を襲えと命じられる。

言われるままに故郷の牧場を襲ったチリンは、番犬たちを蹴散らして小屋に突入した。そこで見たのは、かつての自分のように無力な子羊と、子羊をかばう母羊。これを見て気が動転したチリンは小屋を出た。

チリンは小屋の外で狼のウォーと対峙する。今のチリンは羊なのか狼なのか。チリンは最後に何を選ぶのか。

 

おすすめのポイント+感想(ネタバレ注意)

本作のおすすめポイントは、

・かわいい子羊が見られる

・カッコいい雄羊も見られる

・つまりチリン君のビフォアフターが見られる

以上です。老狼ウォーの外見は変わらないし、主人公はチリン君ですからね! とりあえず四足のケモノキャラ(特に羊と狼)がお好きな方は観ておいて損はないでしょう。幼少期の体毛がフワフワでかわいい子羊チリン君が、ツノを生やし、やせ細ってバサバサな毛並みの悪魔じみた雄羊になったのを見て、「あんなにかわいかったのに! 目つきは悪いし顔は怖くて可哀想」と思うのか、「あんなに弱っちかったのに! 肝がすわった目をしてるしツノが生えてるしカッコいい」と思うのかは人によりますね。私は後者ですけども! だからこそ本作をここで紹介しているわけでして。本作はバッドエンドであることが話題になりがちですが、ストーリーを語るのは萌えてからでいいと思うんですよ。

チリン君のツノはおそらく架空のツノですね。「雄羊」で画像検索しても、本作みたいにまっすぐ前方に伸びているツノはみつかりませんでした。雄羊のツノって本当は大きくカールしているんですよね。ついでに言うと首もあんなに長くない。画像で雄羊を見るとあまり首は長く見えません。羊は地面の草を食べるので、口が地面に届かないといけないから肉食獣よりは首が長いんでしょうが、チリン君ほどじゃないでんすよね。チリン君の体型は羊というよりアルパカなんじゃないかと。もはやチリンなんてかわいい名前は似合わない風貌に成長したチリンですが、走る姿もカッコいいから許す。チリンの体型はデフォルメされているんですね。リアルめのウォーの体型との対比が良い! 2匹が平原を走るシーンが好きです。

私が一番気になるのは青年チリンの食べ物。チリンは修行中に草を断って肉食になっていたのだろうか。狼になりたいって言ってたし。その点が作中で触れられていないのが残念でした。

さて。いい加減でストーリーに触れようと思います。何度も言いますが本作はバッドエンドです。

ある日、ウォーに生まれた牧場を襲えと命じられたチリンは、気が動転して小屋を出てしまいます。そして、羊の殺し方の手本を見せてやるというウォーに「僕は羊だ!」と叫んで突進。弟子入りした目的を思い出し、ツノでウォーを突き殺すのです。

ウォーは「よくやった」とチリンをほめ、自分を殺したのがチリンでよかったと言って息絶えます。自分が慕う師を殺してしまい我に返ったチリンは羊小屋を見ますが、羊たちは扉を閉めて怯えた目でチリンを見るだけ。チリンの鈴を見てもかつての仲間だとはわかりませんでした。これではとても牧場に戻れません。

牧場を出て岩山に帰ったチリンは、泉に映るウォーの影を見ます。しかしそれは幻でした。「お前がいなくなって、どこに帰ればいいんだ」と叫んだチリンはそれきり姿を消します。ここまでが本作のストーリー。以下は私の妄想です。

行き場をなくしたチリンですが、この後は他の牧場に行って「狼殺しの羊」の異名を持つ用心棒になればいいんじゃないかと。そして、いつか「僕もチリンみたいに強くなりたい」とか言う子羊に優しく諭すんでしょう。「羊が狼みたいな強さを求めても悲しいだけだ」と。そうです、チリンは羊界のダークヒーローになればいいのです! あれ? そう思うとバッドエンドでもないのかな? チリンはまだ若いしいつか他の牧場でカワイイ雌羊と夫婦になり、用心棒羊の一族を創始するのかもしれませんね! あ、ちょっとワクワクしてきた。

以上。ストーリーの後をどう考えるかでバッドエンドかどうか意見が分かれそうな名作アニメ「チリンの鈴」をご紹介しました。音楽もすばらしいので、一度はぜひ。

 

※本記事は2019年6月15日に加筆して目次を加えました。