ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

休憩時間読書チャレンジ(退職したので休止中):『アイム・トラベリング・アローン』

訳あってフルタイムの仕事を始めたので読書チャレンジします(中学生か)!

休憩時間読書チャレンジ概要

・1冊の本を勤務開始前、昼休憩、15分休憩の時にだけ読む

・タイトル、著者、バージョン、ページ数、読了するまでにかかった日数を記録する。

・読み終えるまで、随時この記事に感想を記す。

以上です。

 

1冊目:『未来のイヴ

タイトル:『未来のイヴ

著者:ヴィリエ・ド・リラダン

バージョン:光文社古典新訳文庫(kobunsha classics)版

ページ数:827ページ(解説・著者年譜・訳者あとがきを含む)

読了するまでにかかった日数:22日間

感想(ネタバレ注意):長持ちしそうだという理由で分厚くて高価(1800円+税)な文庫本を買うも1ヶ月も経たずに読了してしまいました。意外と読めるな。現職の間に何冊読めるか楽しみです。文庫本っていいですね。え、キンドルなら場所を取らないって? いやいやいや。そんな高価なもの、ロッカーに入れっぱなしにできませんて。今ならまだ紙の本も電子本も値段が変わらないし、当分は紙の文庫本を買います。この作品の特徴は、セリフが長すぎてもはやセリフが地の文と化していることと、エウォルド卿の女への理想が高すぎることですかね。なんでこの男は正直に「超美人に恋をしたんだけどこの女、話してみたら超低俗で嫌気がさしたんですよ。でも外見はすごくいいから別れたくないんです。この女の中身をうまいこと交換することってできないですかね?」ってエジソンに相談しないんですかね。女の外見しか愛せない自分を認めろと私は言いたい。初恋が破れたら死ぬことになっている家系なんか、あんたの代で絶えればいいじゃないですか。というか、この男がアンドロイドと結婚したらやっぱり家系は絶えるんじゃないですかね。子孫はできないし。その点はどう考えてるんですかねこの男は。「お星様の世界に住んでいる」貴族にしても無責任すぎじゃないですか? ついにオチまで読みましたけど、なんで女とアンドロイドが死んで男が生き残るんでしょう。私だったら男だけ死なせて、女に手紙を書かせ、エジソンに「さて、彼が船倉に向かおうとしたわけを彼女に教えるか、どうしようか」と考えているところで終わらせますけどね。船が沈んで女が死に、アンドロイドは船倉ごと燃えてなくなって男だけ残るというオチは、男から男への教訓話なんでしょうね。創造主に挑戦するなかれ。強欲にも理想の存在など生み出そうものなら、おまえはすべてを失うだろう、という。物語に教訓を込めようとするあたり、非常に貴族的ですね。さすが、作者が貴族の末裔なだけあります! 著者の年譜を読むと資産家の娘と結婚することを人生で3回も試みており、現金なところもあるのがなかなかに笑えます。女(アリシア)は著者の現金な部分の投影らしい。主要な登場人物はみんな著者の分身なんでしょうね。死の間際に女優が生んだ子を認知して嫡出子としたあたり責任感があって少しは好感が持てました。

 

2冊目:『午後の恐竜』

タイトル:『午後の恐竜』

著者:星新一(ほし・しんいち)

バージョン:新潮文庫(改訂版) 夏の100冊フェア、プレミアムカバーバージョン2019

ページ数:215ページ(解説を含む)

読了するまでにかかった日数:4日間

感想:長編と長編の合間に挟んでみた。みなさまご存じ、新潮文庫の夏の100冊フェアのプレミアムカバーバージョンなのでカバーは緑一色です。星新一ならハズレなしだから、プレミアムカバーを買ってもいいなと思います。年に一度のことだし、本好きにはちょっとした祭りですよね。旧版と読み比べていないので改訂版と言われてもピンときませんが、昭和43年に出た単行本と比べて収録数が少なくスリムなのは文庫向きでいいと思います。本書は少しSFな香りがしました。星新一作品はどれも同じ世界で同時に起きていてもおかしくない話ばかりですが、世界の破滅を描く表題作「午後の恐竜」だけはパラレルワールドの話だといいなあ。

 

3冊目:『パンドラの少女』上下巻

タイトル:『パンドラの少女』

著者:M・R・ケリー

バージョン:創元推理文庫(上・下)版

上下巻の本文ページ数:553(解説を含む)

読了までにかかった日数:上巻7日+下巻12日=上下巻で19日間

感想:昔、2段組の単行本を一気読みして腰を痛めた思い出がある作品。実は映画化されていますが私は観ていません。文庫になると意外に薄くて拍子抜けしています。本作はゾンビものというよりグールものと呼びたいところですが、グールは生きた動物を食わない。しかしゾンビに意思はないはずなので表現に困りますね。ここでネタバレしてしまうと未読の方の楽しみを奪ってしまうのでオチまでは書きませんが、私は本作のオチが非常に好きです。だから印象に残っていて、また通し読みしたくなったのでしょう。私は主人公のメラニーちゃんが出した答えに心からの賞賛を送ります。教育可能な程度の知能を持っていて、なおかつ身体機能が高い人類の上位互換な種が現れたら、とりあえずダメ元で教育してみようって気になると思うんですよ。なんせ作中では急速に広がった伝染病(ということになっているもの)のせいで国家が滅び文明は崩壊しかけていて人類はかなり負けがこんでいるので、後継者らしき種がみつかったのはむしろ奇跡じゃないかと。メラニーちゃんもそんな種の少女です。作中では「飢えた奴ら」と呼ばれている、ゾンビ的な種ですね。つまり本作はゾンビ少女が主人公なんですよ。人外少女の主人公が好きな方にはオススメ。メラニーちゃんは作中でたびたび食欲と葛藤していて健気です。こんな少女が腹をすかせるような世界なんて滅んで正解だよ。がんばれメラニーちゃん! 例え全人類が滅んでも、君が人類の文化を受け継ぐのだ! 自分の出生の秘密を知った後のメラニーちゃんなら、誇りを持って生きてくれるはず。本作を読み終えた読者はきっと、私のようにミス・ジャスティノー(メラニーの先生)の視点になっていることでしょう。作中の人類の行く末に対してどう思うかは意見が分かれるところだと思いますが。

 

4冊目:『アイム・トラベリング・アローン』

タイトル:『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』

著者:サムエル・ビョルク

バージョン:ディスカバー文庫版

本文ページ数:727(訳者あとがきを含む)

読了までにかかった日数:16日間

感想(ネタバレ注意):舞台はノルウェー。すでにテレビドラマ化していそうな内容。映画にしてもいいかも。少女が殺される話なのでダメな人はダメかな。事件の内容からしアメリカっぽくみせかけてあくまでもノルウェー。しかしノルウェーに詳しくない私からするとノルウェーらしさは感じられず、舞台がノルウェーであることは早々に忘れ去りました。計画的な連続殺人。被害者はすべて、来年から学校に上がる少女ばかり。すべての死体には傷ひとつなく清潔で、人形の服を着せられていた。死体の首からさげられたタグには「アイム・トラベリング・アローン」。犯人は誰か? 目的は何か? オチに納得できるかどうかは人によると思います。正直な話、ミスリードを狙って登場人物を増やさなければページ数は半分で済んだのではないかと思いますが、マーリオンちゃんとトビアス君とラケルちゃんが助かったので良し。クソ教祖の死に様には拍手喝采ですね! この作品で一番の見所は教祖の死に様だと思います。いやマジで。他は「光の家」とかいう教団が登場するまでの前フリと、その教団が終わるまでの話だと思うんですよ。だって私、この教祖にムカつきすぎて途中から主要な謎が全部どうでもよくなっていて、こいつはどうなるんだろうってことしか考えてなかったですから。みなさんはちゃんと主人公たちと少女の謎を追ってね!