ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

100均でソックス柄の靴下こうたんやけどな、これ考えた人は天才ちゃうか?【セリア】

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ソックス柄の靴下×3。考えた人は天才。

今回はタイトルからしていつもとテンションちがうやんけ、おまえ珍しくハイテンションやけどどないしたんや?と思われてることは百も承知で言わしてもらいますわ、この靴下の柄を考えた人は天才や!って。声を大にして言いたい。何度でも言いたい。この柄を思いついた人はマジで天才です! だってこんな、可愛いと面白いを両立させた柄なんかそうそうありませんやん? しかもこの靴下、100均の商品なんですよ? 実はこれセリアでこうてるんですよ。ご近所のショッピングモールに行って、何気なくセリアに寄って、いつもの習慣でぼーっと靴下コーナーを眺めてたらコレですよ? 大発見ですよ。ものすごい衝撃ですよ。これは一目惚れですよ。色違いもまとめて大人買いですよ。こんなもんみつけてしもたらスルーできませんやん。即買いやと思いません? 100均のレディース靴下は主にティーンエイジャーをターゲットにしているのかして面白い柄が多いんですよ。で、そのなかにたまに大人の鑑賞に耐えるような、私の琴線に触れるような遊び心のある柄がみつかるんですよ。100均で靴下が買える程度のサイズの足でよかったって、心底から思いました。家に帰ってから撮影して、いい気分でタグを取ろうとしたらおそるべきことに気がついたんですけどね(⇩)

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「婦人ショートソックス 靴下柄」が正式な商品名か!

正式な商品名は「婦人ショートソックス 靴下柄」らしい。マジか。いまだかつて「靴下柄」なんて書かれたタグ見たことあります? 私はなかったですよ。この日までは。信じられへん。おもろいもん買ったらタグまでおもろいなんて。これだから100均の靴下コーナーウォッチングはやめられませんのや。

以上、100均でソックス柄の靴下こうたんやけどコレ考えた人は天才ちゃうかと思った件をお送りしました。これは天才すぎるやろ!

ニンテンドーSwitch減産のニュースが杞憂だったこと。

今週のお題「最近あったちょっといいこと」

 

ぶっちゃけタイトルは釣りです。部品が調達できないんだったらそりゃ減産もするでしょう。減産されてたこと自体はたぶん事実。でも、ご近所じゃちっともその影響が見受けられませんでした。減産のニュース(⇩)を見た3日後ぐらいにご近所のエディオンへ行ったんですけど、旧モデルのセット*1は普通に在庫があったのでついに購入。

www.kyoto-np.co.jp

電話でお取り置きをお願いしていたのもあり、お会計はスムーズ。店頭だと秋のセール中だったしdポイント値引き*2も適用してもらえたので少しお安く買えたのかな。電話でお取り置きをお願いすると、引き取りは当日中だったり、お一人様1セット限りだったりと制約はありましたが、有機ELディスプレイのモデルを狙わなければ問題なく購入できそうでした。Switchは初代が2017年で改良モデルが2019年に発売されているので、発売から2~4年経っているわけで。これだけの時間が経つと新機種発売日購入ガチ勢だけではなく、お子様がいるご家庭にもすでに行き渡っていて、いまさら争奪戦にはならないんでしょうね。ご近所でまだSwitch買ってなかったのは大人しかいない世帯で、なおかつそんなにゲームしないライト層なんだろうなあ。私なんか『Pokémon LEGENDS アルセウス』の予約しちゃったから本体の準備しなくちゃと思ってようやく買ったんですが。そんな人が2021年11月でも買えるくらい、郊外のチェーン電器屋では在庫がバッチリ。都市部では店頭在庫ないけど通販したくない派の人はちょっと郊外の店舗に電話で問い合わせてみるといいかも。電車に乗って買いに行けばあっさり入手できるかもよ。

 

以上、ニンテンドーSwitch減産のニュース(の影響)が杞憂だった件をお送りしました。キャンペーンポイントが貯まってたのも「ちょっといいこと」でした。これからも些細なことで喜べる人間でありたい。

*1:2019年に発売された、本体+ネオンブルー・ネオンレッドのJoy-Conセット

*2:約120ポイント使用。前々月にマクドとモスのキャンペーンに参加+ドコモ回線利用料のトータルでこれぐらい貯めた。キャンペーンのポイントは月末に貯まりやすいので、翌月の頭に一気に使うのが気持ちいい。エディオンだと会員登録しなくてもdポイントが使えるのでおすすめ。

コンビニで買った「クラフトコーラ」がめっちゃうまかった【ポッカサッポロ】

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コンビニで買ったペットボトルのクラフトコーラ。

今回はコンビニで買った「クラフトコーラ」が予想外にうまかったのでご紹介しようという記事です。この商品、フルネームは「SPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ」で、メーカーはポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)です。内容量は450mlでカロリーは約43kcalなので炭酸飲料にしてはヘルシーかと思いきや、実はカフェイン入りなので注意。まあコーヒーほどじゃないとは思いますが。それにしてもスパイスが10種類も入っているとはすごい。私はスパイスに詳しくない素人なのでシナモンとジンジャーの味ぐらいしか判別できませんでしたが、詳しい人なら全部わかるのかもしれない。それぐらいスパイスの味がします。10種類もブレンドされているだけのことはあり、ペットボトルのコーラにしては深いというか複雑な味。とても工場生産品とは思えない味と香り。キャップを取った瞬間にスパイスの香りがして感動しました。香りからして味には期待できそうだなと思ったら案の定おいしかったです。そうか、コーラって本来はこういう味なのか。発祥の地のコーラはこんな味なのかもしれない。そう思わせてくれる逸品。クラフトコーラのブームがついに飲料メーカーまで巻き込んだようです。まさかコンビニでこんなにうまいコーラが買える日が来るとは思ってもみませんでした。久しぶりに超アタリを引きました。これだからコンビニのソフトドリンクコーナーチェックはやめられないんだよな。コンビニのソフトドリンクコーナーで、前情報なしで初見のドリンクを買うのはくじ引きに似てる。アタリかハズレかは飲んでみるまでわからない。おいしかったら幸せ。口に合わなくてもアンラッキーだったなあと思う程度で済む。ギャンブルといえばギャンブルなんだけど被害金額は少ないし水分は補給できるし、キャラクターくじの景品とちがってペットボトルの処分は簡単だし。みなさんもたまにはコンビニでソフトドリンクコーナーをのぞいてみませんか? もしかしたら超アタリを引くかもよ。この「SPICEFACTORY ザ・クラフトコーラ」みたいなやつを。

以上、コンビニで買った「クラフトコーラ」がめっちゃうまかった件をお送りしました。これはリピートしたいなあ。

この商品について詳しくは公式サイト(⇩)をどうぞ。

www.pokkasapporo-fb.jp

どうせ年中寒いんだからジンジャーブレッドラテを通年販売してくださいスタバ様。

今週のお題「あったか~い」

 

あったかい飲み物と聞いて思い浮かべるのは家でいれているほうじ茶か、スタバのジンジャーブレッドラテですね。ジンジャーブレッドラテについてはこちらの記事(⇩)で書きました。

mee6.hatenablog.jp

 

今年もついにジンジャーブレッドラテの季節が到来しました。クリスマスシーズンといえばスタバのジンジャーブレッドラテですよね。私はアドベントカレンダーを持ってるほどのクリスマスマニアではありませんので一ケ月も前からクリスマスに浮かれているわけではないのですが11月になるともうジンジャーブレッドラテが飲みたくて仕方ありません。本物のジンジャーブレッドは食べたことないくせに、それをモチーフにした飲み物は大好きという不思議。ジンジャーブレッドラテを考案してくださった方は本当に天才ですね。毎年、このドリンクの開発者様方に大変感謝しながらありがたく飲んでいます。今年はアイスでも試してみましたが、やはりホットのほうがおいしい。ホットだとジンジャーの香りが立ち、口に含んだ感触がなめらかです。温かいとクリームが溶けやすいので、時間が経つにつれてクリーミーになっていき、華やかな印象に。アイスだと甘さが控えめでのど越しがすっきりしますが、質素な印象です。華やかさ=お祭り騒ぎ感が足りません。香りが立つ飲み物はホットにして口に含み、口内をにぎやかにしてこそでしょう。ラテ系の飲み物はできる限りホットで飲みたい。実は私、猫舌なので熱い飲み物は基本的に苦手なのですが。お腹を下しやすいので外出先ではホットドリンクばかり飲んでいます。私がよくマイタンブラーを持っていくスタバでは、まさか猫舌だとは思われていないでしょうが。夏の商業施設ではエアコンがガンガンつけられて屋内が寒い。冬は気温が下がるから屋外が寒い。要するに近年の日本は年中寒いのですから、年中ホットドリンクの需要があるわけです。なのでスターバックス様、どうかお願いします。ジンジャーブレッドラテを通年販売してください! そしたら毎回注文しますので。どうかひとつッ。

以上、スタバのジンジャーブレッドラテを通年販売してほしい件をお送りしました。

 

『マッドマックス 怒りのデスロード』観た。世紀末というより暴力的ディストピア。

ポストアポカリプス映画観てみた第2弾、今回は『マッドマックス 怒りのデスロード』です。この映画の基本情報はこちらをどうぞ(⇩)

movies.yahoo.co.jp

邦題とリリース年から勝手にリメイク作だと思っていましたが、どうやらマッドマックスシリーズの映画版第4作のようです。だったらタイトルは「マッドマックス4」としておいてほしかったですが、主人公以外の登場人物は新登場らしく、ストーリーは続きものではないようなので、新規客を獲得するためにあえてナンバリングしなかったのでしょう。鑑賞後にウィキペディアを見たところ、ポストアポカリプス系の世界観になったのは2作目かららしい。と、概要はこれくらいにしておいて、そろそろ感想をお送りしましょう。

 

感想。世紀末ものというより暴力的ディストピア

今回鑑賞したおかげで、ネットでたまにみかけるパロディがわかるようになりました。なるほど。敵も味方も主人公も暴力的な映画だったのね。暴力的といっても主人公はトカゲを殺して食べるだけで、女性にはあまり暴力を振るわないのでまあセーフかな。ただ、女性キャラは乱暴に扱われがちなので男女差別反対派の人は観ないほうがいいかも。私はフィクションなら平気派ですし、本作の舞台は核戦争後のポストアポカリプス世界なので仕方ないかなと。主人公の味方になるキャラにも女性がいて、女性の全員が一方的な被害者というわけではないので、少しは女性に配慮しているかと思います。ポリコレに配慮しすぎると作品のリアリティが減ってしまうし、かといってまったく配慮しないと観客の反感を買って酷評されてしまいそうだし、バランスが難しいところですね。世界観は世紀末ものというより暴力的なディストピアもの。まだ燃料や弾薬が尽きておらず自動車や銃やバイクが使える状態なので、文明が滅んだというよりは災害が起きて燃料や水の供給が少なくなった感じ。資源の奪い合いこそ起きていますが、文明が滅んだ感じは受けませんでした。国家や警察機関が消滅して法律による秩序が崩壊し暴力主義がはびこった結果、男女不平等な社会になった印象。古代社会とはちがって身分制度がなさそうなところは良い。人員の配置はボスの采配によるらしく「大隊長」という幹部にも女性がいます。暴力的なのはいただけませんが、本物の封建社会よりは柔軟そうなのでまだマシかも。

意外だったのは電子楽器(エレキギター)がまだ使われていること。スピーカーもまだ使えるようです。敵の走行中に流れているBGMはキャラクターが実際に演奏しているという設定は面白い。それに、まるでサーカスの曲芸みたいな攻撃方法も見せてくれます。ただのカーチェイスではない。これは面白い。この映画が有名になったのもうなずけます。背景はほぼ荒野で、色彩は全体的に黄土色。『ザ・ウォーカー』を観た時も思いましたが、画面から色彩を減らすとポスアポっぽくなるんですね。絵面がカラフルだと華やかすぎて嘘くさい。全然滅んでないやんってなる。だから色数を減らしているのでしょう。ポスアポ映画を観てわかったのは、音楽と色彩も鑑賞してこそ映画鑑賞だってこと。映画音楽はただ観客の感情を盛り上げるためにある小道具でわざとらしいと思っていたのですが、今回のように登場人物が演奏していたり、レコードやラジオから流れている状況の曲なら好きだと気づきました。BGMは観客にしか聞こえておらず登場人物たちには聞こえていないと思うとフィクションくさいですが、観客と登場人物が同じ音楽を聞いていると思うと臨場感があって良い。

感想はこんなところです。人間の女性に搾乳機がつけられていたりと衝撃的なシーンこそありますが(小難しいことを考えなければ)娯楽映画です。フィクションであれば暴力的でも男女不平等でも平気な人は観てみて損はない。有名になる映画にはそれなりの理由があるのだと思わせてくれました。

 

以上、世紀末というより暴力的ディストピア映画『マッドマックス 怒りのデスロード』を観た件をお送りしました。

【DAISO】ダイソーで買った推し色の靴下。意外と大人っぽい色もあるのですよ。

今週のお題「お気に入りの靴下」

 

実は過去にも靴下ネタでお題に参加したことがあるのですが(⇩)

mee6.hatenablog.jp

 

今回はダイソーで買った靴下について。みなさんは100均ショップの靴下コーナーをのぞいてみたことがあるでしょうか。それも成人の、レディース靴下*1のコーナーを。私は100均ショップに行くたびに可愛い(または面白い)靴下を求めて毎度チェックしています。レディースといっても成人女性むけというよりティーンエイジャーむけと思われるガーリーなデザインが多い100均の靴下ですが、よく見ると大人っぽい無地の靴下もあります。

無地の靴下といえばそれこそ学生むけの、紺・黒・白のいわゆるスクールソックスを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし私が愛用しているのは無地とはいえ地味ではない絶妙なアースカラー、オリーブグリーンです。100均ショップにそんな洒落た色の靴下が売られてるわけねえだろと思ったアナタはこれを見ろ(⇩)

カラー太リブソックス(アースカラー、綿混、かかと直角、抗菌、 | 【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア

 

ほらねアースカラーでしょう! 実は他にもダイソーで買った靴下*2はあるのですが、いかんせん履き古しておりましてちょっと撮影に耐えない。しかもダイソーネットストアを確認したらみつからなかったのでたぶん現行品じゃない。買えないモノなんか紹介してもしかたない。アースカラーなら今でも流通してるかなとサイト内検索してみたら商品ページを発見。やったこれで紹介できる! ということで今回のお題に参加。ダイソーネットストアでは、商品のカラーバリエーションがある場合、カラーは選べないようです。色指定は不可なんて不便ですね。ほしい色が明確な場合は店頭で買うことをおすすめします。そうじゃないと推し色の靴下が選べないから。みなさんもうお気づきですね。そう…私が偶然オリーブグリーンの靴下をみつけて買ったのは、アースカラーで大人っぽかったからじゃない。この色が推しキャラの髪色に似てるからだよ! 推し色の靴下がほしい女性諸君はまず100均ショップの店頭で探せ。推し色の靴下をあきらめるのは100均ショップに行ってからでも遅くないぞ。目指せ、推し色の全身コーデ!

 

以上、ダイソーで推し色の靴下を買った件をお送りいたしました。

 

*1:サイズ表記は22cm~24cm。

*2:ピンク色で、目のデザインのワンポイント刺繍がついてて「MONSTER」とつづるべきところを「MONSTAR」とつづり、いかにも英語ができない人が商品デザインしましたと言わんばかりの靴下とか。まあ色合いとデザインがお気に入りなのでスペルミスは許容範囲ですが。

【ネタバレ注意】ポスアポ映画『ザ・ウォーカー』観た! 間接的にはハッピーエンド。

目次

 

以前の記事(⇩)でポストアポカリプス映画が観たくなるとか言ってたんですけど

mee6.hatenablog.jp

 

休日は積ん読本の消化に費やされたのでポスアポ映画が観れてなかった。はじめは『アイ・アム・レジャンド』を観るつもりだったのですが、別エンドがあるときいてやめておきました。ファンの方々やスタッフさんには申し訳ないですが、さすがに2回分のお金と時間は費やせないです(汗) そこで今回は『ザ・ウォーカー』を観てみました。本作を選んだ基準はズバリあらすじ。万難を排して「最後の本」を西に運ぼうとする主人公。「最後の本」とは何なのか、主人公の目的は何か。このあらすじを見てから、ずっと気になっていた一作なのでこの機に観てみました。家でもパソコンの前に2時間も座ってるのはキツかったですが。一応は事務イスを使ってるんですが安物なので長時間座っていると腰にくるんですよね(汗)

ザ・ウォーカー』の基本情報はこちら(⇩)をどうぞ。

movies.yahoo.co.jp

 

それでは、ポスアポ映画『ザ・ウォーカー』の感想などをお送りします。

 

本作の特徴と感想。

本作の特徴は

・冒頭で主人公が猫を殺す

・主要な登場人物が少ないので名前を覚えなくてもいい

・画面が基本的に灰色なので色彩的に静か

・音楽もかなり静か

・間接的にハッピーエンド

ざっとこんなところ。主人公は食べるためにノラ猫を殺し、自衛のためにけっこう人を殺すので、どんなにかわいそうな奴でも猫殺しと人殺しはダメだという人は観ないほうが無難。ポスアポ映画を観ようという時点でおして知るべしなので覚悟はできてると思いますが「猫が死ぬ映画はすべてクソである」「たとえフィクションでも猫が死ぬのは許さん」という信念をお持ちの方は観ないほうが無難です。それでは以下、それぞれについて少し詳しく。

 

・冒頭で主人公が猫を殺す

暗い森で毛のないノラ猫(猫種はスフィンクス?)が矢で射られて殺されます。殺した男はなんと主人公。しかもこの猫の肉を一人で食べず、通りすがりのネズミに「猫の肉だぞ」とか言って分けてやがる。冒頭で猫好きにケンカ売りすぎ。ポスアポものにしてもやりすぎ。短気な人だったらイスを蹴って退出してる勢い。このシーンだけは玉に傷。まあ私は亡き愛猫が一番なので、愛猫に似てない猫ならギリセーフ。しょせんフィクションだし、矢が当たったシーンはどうせ合成だと自分に言い聞かせて耐えました。

 

・主要な登場人物が少ないので名前を覚えなくてもいい

観ながら書いたメモを見ながらこの記事を書いてるんですが。自分のメモにある人名が「イーライ」「カーネギー」「ソラーラ」「クローディア」「マーサとジョージ」ぐらいしかない。なんならまったく覚えてなくてもいい。ぶっちゃけ、主人公イーライと悪役ボスのカーネギーとヒロインのソラーラの三人の顔さえ覚えればストーリーはわかる。画面がほぼ黒と灰色で構成されており、髪や服の色で人物を見分けにくい世界ではありがたい。モノクロな世界の登場人物は少なくしてほしい派なので。本作の何がすごいって、主人公が名乗るのがかなり終盤で、序盤~中盤では誰にも名乗らないこと。一人称視点の物語じゃないのに主人公の名前がわからなくても物語が進められるのは絵のある媒体ならではでしょう。主人公が名乗っていないことに違和感どころか疑問さえ持たせないのはさすが。

 

・色彩も音楽も静か

前述しましたがこの映画、画面のほとんどが灰色か黒なんですよね。この世界は見渡す限り、地平線まで灰色一色! 空はともかく地面さえ灰色なのは世界観や設定のせいというより、監督さんの美意識の問題かも。この中でたまに見える本の金色や、ソラーラのマフラーの赤が映える! めちゃくちゃカラフルな絵面も豪華でいいんですが、こういう控えめな色彩も好き。鮮やかな色の絵画や衣服は、文化以前に文明の産物なんですよね。色のある世界ってありがたいなあ。いまのうちにもっとピンクとか紫色の服を着ておかなくちゃ。文明が崩壊した後に後悔しないように。バカみたいな量の紫外線の下じゃ、どんな布もあっという間に色あせそうだから。

で、音楽なんですが。私は映画音楽以前に音楽ってもの自体に疎いんでなんとも言えないんですけど、この世界の色調に合わせたのであろう静かな曲ばかりです。主人公が聴く歌と、マーサのレコード以外の曲は必要ないのではないかと思うほど静か。歌詞があってハイテンションな曲のほうが耳に残って思い出しやすいけど、胸に染みるのはこういう、歌詞がなくて静かな曲なんだと実感。文明の崩壊後、私だったらどんな曲を聴きたいかな。文明が崩壊して30年後の世界らしいので、電子楽器は全滅していそうです。そうなるとテクノ系が聴きたいところ。やっぱりボカロ曲かな。それも、フィクション味が強いやつ。当分は(あるいはもう二度と)復活しなさそうなジャンルを聴きたい。今のうちにボカロ曲を…あるいはバカバカしくてくだらない曲を聴いておこう。

 

・間接的にハッピーエンド

最後にストーリーについて。ここからはネタバレなので注意。個人的には間接的なハッピーエンドだと思っています。最終的に主人公は死ぬけれど、30年かけた目的は果たすので。これを使命だと認識していたのであれば主観的にはハッピーエンドでしょう。ただ、私が思い描くような、主人公の一人勝ちみたいな典型的なハッピーエンドじゃないだけで。主人公には生き延びて伝道師になってほしかった。観る前の予想通り「最後の本」は、この世界で最後の聖書でした。これが何語版の聖書なのかは見てのお楽しみです。無神論者の私からすると、ポストアポカリプス世界では生き延びてナンボだろと思ってしまいますが。聖書(の内容)を後世に残そうとすることが主人公の強い動機になり、彼を30年も歩かせて生かしたのならば。宗教も悪くないかもしれない。特に、荒廃した世界で人心も荒んでいる時代には。この映画はストーリーよりも宗教の効能を再確認する映画だと思いました。

 

以上、ポストアポカリプスもので静かだけど猫が死ぬ映画『ザ・ウォーカーの感想などをお送りいたしました。