ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

『リトルウィッチアカデミア』のアニメミライ版と劇場版の内容が、無駄がなくておもしろい。

目次

 

今回、ご紹介するのは、アニメミライリトルウィッチアカデミア』。

以下、画像は http://animemirai.jp/c2.php より。

 

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©吉成 曜/株式会社トリガー/文化庁 アニメミライ2013

 

アニメミライとは

みなさんは、「アニメミライ」という企画をご存じでしょうか?

公式サイトから引用しますと、

2010年より始まった、文化庁の『若手アニメーター等人材育成事業』の通称です。
我が国のメディア芸術の振興に向けて、将来を担う若手アニメーターを育成し、アニメーション分野における人材と制作母体の発展を促すことをねらいとしています。
本事業では、作品制作を通じたOJTによる人材育成や、作品発表機会の確保、各種講座の実施やフォローアップの実施等を行っています。

以上、 アニメミライ[ animemirai ] より

 

アニメ製作会社が、各社一本、25分のアニメーションをつくります。

製作スタッフは、ほとんどが若手。ベテランに丁寧に指導されながら、

ノウハウを学んでいきます。

 

この企画によって、2013年に株式会社トリガーがつくったのが、

アニメミライ版の『リトルウィッチアカデミア』です。

 

アニメミライ版『リトルウィッチアカデミア

ここまで、この作品が生まれた経緯を説明しました。

以下、この作品の内容について。

といっても、あらすじしかない、と言えるほど簡潔です。

  

主人公は、魔女に憧れる少女カガリ・アツコ、通称アッコ。

幼いアッコがシャイニィ・シャリオの魔法ショーを観るシーンから、

物語が始まります。

 

あらすじ

シャリオの華麗な魔法ショーが大好きだったアッコ。

長じたアッコは、シャリオみたいな魔女になりたい一心で、

魔法学校へ入学しました。

 

でも、憧れだけではうまくいかない。

優等生のダイアナにはバカにされがち。

そんななか、ある日の授業で、遺跡探索を課されたアッコたち。

より珍しいモノを持ち帰れば高得点というルールです。

 

アッコはチームメイトのロッテ、スーシィとともに、

ダイアナチームに勝とうとハリキリますが、

当のダイアナはアッコを相手にせず、さらに地下へと降りていきます。

 

ダイアナがみつけたのは、小さなドラゴン。

ダイアナのチームメイトがおもしろがって攻撃すると、

ドラゴンはどんどん大きくなっていきます。

 

気づいたダイアナがチームメイトを止めるも、時すでに遅し。

巨大化したドラゴンはさらなる力を求め、

塔のてっぺんにある、「魔導石」を狙って遺跡を出てしまいました。

 

一方、アッコは古びた倉庫でシャリオの杖「シャイニィロッド」を入手。

高得点、間違いなしと喜ぶも、先生はドラゴン対策を指示。

その杖を持って屋上へ行けと言われます。

 

「魔導石」から魔力を杖に注いだアッコ。先生に渡そうとするも、

先生はドラゴンに落されてしまいました。

 

自分がやるしかない。アッコは、どこからともなく聞こえてきた

 シャリオの声に従って杖を弓へと変身させ、見事、

ドラゴンを退治したのです。

 

観た感想など

あらすじを書いたら意外と長文になって、我ながら驚き、じゃなくてっ。

どうでしょう。上記のあらすじだけを読んだら、

90分ぐらいの作品みたいでしょう?

 

でも、本当にこれだけの内容が25分に収まっています。

これはすごい!

 

起承転結を説明するだけならば、30分弱でできてしまうのです。

じゃあ、普通の劇場版アニメの、残りの60分は何をしているのか。

以下、私見を語ります。

 

私が思うに、残りの60分でされていることは、

・世界観の細かい説明

・登場人物のバックボーンの説明

でしょう。

 

もし、『リトルウィッチアカデミア』が一本で完結する長編だったら、

・魔女の、現代社会における地位・評価の説明

・アッコ以外の、バックボーンの説明

があったはずです。

 

しかしこれらは、作品の世界を深めて登場人物に肉付けし、

作品の魅力を高める要素ではありますが、

どうしても必要な要素ではありません。

 

これらをスッパリと省略しておきながら成立している。

それがこの、アニメミライ版『リトルウィッチアカデミア』です。

 

物語における起承転結の作り方の、お手本のような作品。

フィクションの作り手になりたい方なら、観ておいて損はないでしょう。

なにせ、たった25分ですし。

 

以上、アニメミライ版『リトルウィッチアカデミア』の紹介でした。

 

同日追記:観てほしいと言いながら、どうすれば観られるのか

     書いていませんでした。アニメミライの作品は、

     ツタヤでレンタルできます。他の作品もおもしろいですよ!

 

続いて、続編もご紹介します!

 

劇場版『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』

アマゾンへのリンクを兼ねた画像です。

 

あらすじ

アッコ・ロッテ・スーシィの三人は問題児。

今日も授業で失敗し、先生に呼び出され、怒られている。

 

厳しい先生に叱られたあと、アッコたちに課題が出された。

ルーナノヴァから毎年、生徒を参加させている祭がある。

あなたたちには、その祭でパレードをしてもらう。

 

ただし、パレードが失敗したら落第!

同じく問題児の、アマンダ・コンスタンツェ・ヤスミンカとともに、

必ずパレードを成功させなければならない!

 

アッコは、古臭くて陰鬱な、昔ながらのパレードのやり方に反対。

どうせやるなら、魔女のすばらしさを広めたい!

パレードの内容を変えようと、五人のメンバーに提案するアッコ。

 

アッコが指揮する、六人組のパレード企画、

「ハッピータイム計画」のはじまり、はじまり。

さあ、今年のパレードは成功なるか?

 

感想など(ネタバレ注意)

私は、今作が劇場公開された当時、映画館で観ました。

アニメミライなんて、一部の人しか知らないであろう企画の作品が、

まさか劇場公開を果たすとは! これは観に行くしかない!

ワクワクしながら、当時、映画館のオープン待ちの列に並びました。

 

しかも、観てみたら前作との2本立てだったんですよ!

いやあ、アニメミライ版が短くてよかった!

と、思い出話はここらへんにしておきましょう。

DVDに2作とも収録されていることですし。

 

どんな出だしか覚えてないな、と思いながら借りてきたDVDを再生。

あ、そうか。合成魔法の授業シーンからか。

うーん。アッコとスーシィはホントに問題児だなあ。

 

このシーンで、アッコのダメさとダイアナの優秀さが対比されます。

先生とともに無効化魔法を使い、アッコたちを止めるダイアナが素敵!

 

あとは、あらすじの通り。

アマンダとコンスタンツェとヤスミンカ(の罪状)が紹介されます。

顔合わせのシーンはなく、次のシーンではアッコたちの部屋で打ち合わせ。

 

新パレードの企画に「ハッピータイム計画」と名付け、

一人で大盛り上がりのアッコ。次々にアイデアを出しますが、

メンバーからは無理があると言われます。

 

それでもアッコはめげない!

買い出しに行った街でロッテとケンカし、

スーシィに「絶交よ!」と言ってしまい、

気まずい雰囲気になっても、勉強と練習をがんばります。

街での自己中心的でイヤな子のイメージから、

一転して努力家のイメージへ。

 

アッコのがんばりを見て、無理だと言っていたメンバーも、

協力してくれました。結局、ルームメイトの

スーシィとロッテ抜きで本番を迎えることに。

 

しかし、本番でアクシデントが!

エネルギー源として持ち出していたシャイニィロッドが

盗まれてしまいました! 悪ガキたちを追うアッコたちと、

シャイニィロッドを持って石柱のところへ行く、悪ガキのリーダー。

 

そうしたらなんと、封印されていた巨人がシャイニィロッドに

反応して目覚めてしまいました。

自分の一部を飛ばして、物にとりついて、手下を作りだします。

アッコたちには想定外。アーシュラ先生の機転でアトラクションに

仕立てるも、一般の人々が危険なのは確かです。

 

ロッテとスーシィが駆け付けてくれるも、今度は

巨人が完全復活! 巨体でアッコたちに襲いかかりますが、

アッコとロッテとスーシィが、シャイニィロッドを弓矢に変化させて放ち、

見事、巨人を倒しました。

 

あくまでもアトラクション、演出だと思っている市民の人たち。

「来年もやってね」なんて声がかかりますが、

巨人は仕込みじゃないので無理ですよねー。

来年は、敵のクリーチャーを魔法で作るのかな?

 

なんとか終わった新パレードのシメは、悪ガキたちとのトマト投げ合戦。

おい! トマト農家さんに失礼だろうが!

これだから子供は! 食べ物で遊ぶなあああ!

と言ってもこのトマト投げ自体は、伝統行事のようです。

 

どうやらこのトマト投げは、子供たちが年に一度、

ストレスを発散するためのものらしい。

アッコたちもノリノリでした。楽しければいいか。

 

今作は前作とちがい、アッコ以外のキャラにも活躍の場があります。

特に、ホウキ乗りが得意なアマンダには、アクションが多い!

アマンダのファンの方にはうれしいはず。

 

このシリーズは気になるけど、テレビ版は長い。

そうお思いの方は今作だけでもどうぞ。一時間以内で観られますよ。

 

以上。25分と57分の作品、アニメミライ版と劇場版『リトルウィッチアカデミア』を

ご紹介しました。 

 

※本記事は、11月9日に加筆・改題しました。