目次
今回、ご紹介するのは、劇場版CGアニメ『ルドルフとイッパイアッテナ』。
CGアニメと聞くと、ついピクサーを思い浮かべてしまいますが、
この作品は日本製です。この点が気になっていたので、
ツタヤでレンタルして観てみました。
そうしたら、オチが意外で、出てくる人の一部があんまりヒドイので、
ちょっとつっこみたくなってしまい、この記事を書いています。
※原作の絵本は読んでいません。
それでは、以下、この作品を解説していきます。
黒字があらすじで、オレンジの字が私の感想です。
あらすじ&感想(ネタバレ注意!)
三丁目のリエちゃんちに飼われている黒猫の男の子「ルドルフ」。
ある日、リエちゃんが扉を閉め忘れたのをいいことに、
リエちゃんのあとを追って無断外出してしまいました。
これはリエちゃんの確認不足で、リエちゃんに責任があると思います。
ウチの猫も、玄関ドアを開けた時に外へ出てしまい、迷子になった
ことがあります。幸いにしてみつかりましたが、本当に要注意です。
ルドルフは普段は室内飼いで、外には慣れていません。
魚屋さんからドロボウと誤解されて追いかけられ、
逃げ込んだ先はトラックの荷台。
そりゃ、シシャモをくわえて走ってたら間違われますって。
この点はルドルフくんが悪いですね。
翌朝になって着いたところは見知らぬ町、東京でした。
トラックを出てうろついていたルドルフに、この町のボス猫が
声をかけてきました。
「見ない顔だ。この町の奴じゃないな。おまえ、名前は?」
自分の名前を教えたルドルフがボス猫に名前をきくと、ボス猫は
「おれの名前は、いっぱいあってなあ」と答えました。
これを聞いたルドルフは、この猫の名前は「イッパイアッテナ」と
いうんだと勘違いし、彼のことをイッパイアッテナと呼んでいます。
イッパイアッテナにはいくつも呼び名があり、
ボス、すてトラ、タイガーなどと呼ばれています。
出会ったその日から、ルドルフはイッパイアッテナの教えを受け、
野良猫として生きる術を学んでいきながら、さらに
人間の文字まで教わりました。
なんとイッパイアッテナは、文字の読み書きができる猫だったのです!
実は文字が読める動物、という設定はたまにみかけますが、
文字が書ける、というのは珍しいと思います。
猫は、爪がとがっていて足首が回せる器用な動物ですが、これはすごい。
リエちゃんちへ帰る手段がみつからないまま、イッパイアッテナと
暮らしていたルドルフ。ある日、岐阜行きのバスツアーが
商店街から出ることを知りました。
これを知ったのは風で飛んできたチラシのおかげ。字が読めるってすばらしい!
以前、テレビで見て、リエちゃんちは岐阜市にあることを知っていた
ルドルフとイッパイアッテナ。これに乗ればルドルフは帰れそうです。
明日出発するから、今日はお別れ会だ。お肉が食べたいというルドルフに、
「ちょっと用事がある」と言ってでかけたイッパイアッテナ。
イッパイアッテナが向かったのは、昔、飼われていた家の隣家。
隣家に飼われている犬の「デビル」は、いつもエサに
ステーキ肉をもらっているのです。
「用事」ってこのことだったんだ。元、お隣さんだしわけてくれるかも?
デビルに肉をわけてほしいと頼むと、
「芸をしたらわけてやる」と言われ、イッパイアッテナが
仕方なくお腹を出して転がろうとしたところに、
デビルが襲いかかりました。イッパイアッテナはだまされたのです。
元、お隣さんなのにヒドイ! デビルは猫嫌いなのかな?
イッパイアッテナが自分のせいでケガをしたことを知ったルドルフ。
岐阜行きのバスに乗るのはやめて、デビルに仕返しをしてこらしめました。
この一件でデビルに一目置かれたルドルフ。
今ではデビルと友達になりました。
ケガをしたイッパイアッテナは、ルドルフがつれてきた人に
病院へ運ばれました。手当を受けたイッパイアッテナが休んでいる間に、
デビルに仕返しをするルドルフがかっこいい。
しかも、デビルを許してあげて、友達になるなんて優しい!
犬のデビルは、自由に外出できる猫がうらやましかっただけでした。
ケガが治ったイッパイアッテナは、ルドルフに提案します。
高速道路に乗る車を乗り継いで、岐阜まで帰ればどうだろう。
インターチャンジの名前やナンバープレートの読み方を教わった
ルドルフは、金物屋に来たトラックに乗り込みました。
高速道路というものを理解し、利用しようと考えつくイッパイアッテナは
本当に賢い猫です。
ルドルフが 最後に乗ったのは、ナンバープレートに
「岐阜」と書かれていました。これでやっと岐阜に着きそうです。
しかし、頼みの車は途中で故障して止まってしまいました。
ここからは歩くしかありません。
がんばれルドルフ!
見覚えのある山をみつけて、やっとリエちゃんちにたどり着いたルドルフ。
隣家のおばさん猫の話も聞かず、庭からお部屋へ入ります。
あ、なんか不吉な予感がするぞ! まさか一家が引っ越してる、とか?
とにかくハッピーエンドじゃなさげ。
するとそこには、見知らぬ小さな黒猫がいました。
その黒猫の男の子の名前は、自分と同じ「ルドルフ」で、
外見は子猫時代のルドルフにそっくりでした。
隣家のおばさん猫が言いたかったのはこのことらしい。
気がつけば、ルドルフがいなくなって一年が経ち、
リエちゃんちには新たな猫がもらわれて来ていたのです。
しかも、このうちで飼う猫は一匹だけ、という条件でした。
リエちゃんとリエちゃんの親がヒドイと思います。
これではリエちゃんが命の大切さを学びません。
かわいい猫ならなんでもいいのか! ルドルフは愛されてなかったのでしょうか。
新しい「ルドルフ」にリエちゃんを任せ、泣きながら東京へ戻ったルドルフ。
東京行きの描写は省かれていますが、ルドルフくんが何気なくすごい。
イッパイアッテナと暮らしていたお寺へ帰ると、驚きの知らせが待っていました。
なんと、イッパイアッテナの飼い主が、アメリカから帰ってきたというのです!
飼い主、帰る気だったのか!
だったらイッパイアッテナを捨てて行くんじゃありません!
文字を教える前にすることがあるでしょ! 里親を探しなさいよ!
ルドルフたちはイッパイアッテナの飼い主から、おいしいゴハンをもらいました。
岐阜と東京をひとりで往復して自信をつけたルドルフ。
今度は日本一周でもできそうな気分です。
こうして、ルドルフはイッパイアッテナと、改めて東京で暮らしはじめました。
まさかの野良猫ルートでエンディング!
こういう話って、たいていは、おウチへ帰ってめでたしめでたし、に
なるものでしょう。それがこのオチとは!
まとめ。猫にだって感情はあります。
この映画は、これから猫を飼いたいと思っている人に観てほしい映画です。
猫にだって感情があります。迷子になったり、
捨てられたりしたらさみしいでしょうし、何より苦労します。
自分がリエちゃん一家やイッパイアッテナの飼い主のような、
無責任な飼い主になってしまわないか、よく考えてほしいです。
リエちゃんちに新たな猫がもらわれてきた経緯を聞いて、
リエちゃんの親に説教したくなりました。
あと、猫はこの作品のようには人になつきません。
実際には一年もしたら忘れてると思います。
以前、五日くらいの旅行から帰ったらウチの猫に
「誰だおまえ」という顔をされました。特に洋猫は意外と薄情です。
このように猫と人の思いはすれちがいがちなので、
犬のようになつくペットがよければ犬を飼いましょう。
散歩させなくていいから、という理由で猫を飼うと、イメージとちがうかも。
おっさん猫のイッパイアッテナがかわいい鳴き声と表情で
人を都合よく使うシーンでは、
イッパイアッテナの普段のりりしさとのギャップを楽しめます。
うーん、やはり猫はおっさんでもかわいい。
以上、劇場版CGアニメ『ルドルフとイッパイアッテナ』の紹介でした。