ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

『少女系きのこ図鑑』は、かわいいけど意外と実用的です。

目次

 

今回、ご紹介するのは、イラストによるかわいい図鑑『少女系きのこ図鑑』です。背表紙には「菌類イラスト集」と書かれていますがイラスト以外の情報もあり、意外とちゃんと図鑑してる(失礼)。全107種が紹介されています。発行元は「DU BOOKS」 です。以下、リンクを兼ねた表紙画像。

 

 

本書を買った経緯

本書のイラストレーターは「玉木えみ」さん。私がこの人を知ったきっかけは、なんとグラニフのTシャツです。過去にコラボTシャツが売られていました。発行元のサイトで確認したところ、2014年でした。Tシャツは買っていませんが、イラストはかわいかった。その時に使われていたイラストが、この本のイラストだったのです。この柄をTシャツで着たいとは思わないけど、原作の本はほしいなあ。コンセプトがおもしろい。かわいいキノコ図鑑なんて! ということで、グラニフの店頭でTシャツをスルーしてアマゾンで本書を通販する運びになりました。どっちにしろ、イラストレーターさんには報酬が入るんじゃないかな。

 

本書の、意外と図鑑している点

 本書には、図鑑で書かれているお約束、学名と分類はもちろんのこと

・食用か否か

・毒性はあるか

・発生する時期と場所

・大まかなサイズ

が書かれていて、実用性もあります。発生する時期と場所が書かれているのは、キノコ図鑑ならでは。キノコは菌類の生殖器官なので、普通の植物とちがって、普段は見られない。花には開花時期があって、見られる時期が限られているのと同じ。花だって草木の生殖器官ですもんね。花の図鑑に開花時期が載っているように、キノコ図鑑には発生時期が載っているわけです。博物画*1がある場合はそちらも掲載されており、外見の詳細もわかります。イラストだとどうしても

・デフォルメ(強調)

・省略

・その他、描き手の主観

が混ざってしまうためでしょう。

 

その他、実用性+アルファ 

本書のメインは書名の通り、少女系イラスト! 掲載されているキノコはすべて少女の姿で擬人化されています。擬人化前のキノコの上に、擬人化後の少女がちょこん、と座ったイラストも。これはかわいい! キノコの傘は、その形状からスカートを連想させます。なのでこのイラスト集では、キノコの傘のスカートをはいているコが多い。安直といえば安直ですが、擬人化だということがわかりやすい。

植物寄生菌類なんていう、写真で見たらグロテスクであろうキノコも、擬人化イラスト で見るとかわいい。同じく、セミタケ・ヤンマタケ・サナギタケといった、あまり写真では見たくない寄生系キノコも、イラストならばグロテスクさが大幅に減じるので平気です。図鑑類は写真が気持ち悪いから、動物・鳥類図鑑しか見ない、なんて方にオススメしたい。イラストっていいですよ。本書のイラストはおそらく水彩画。淡い色彩が美しく、ほんわかした絵柄で癒されます。

 

おわりに、注意点

本書はあくまでもイラストによる図鑑ですので、野山で実際にキノコ探しをしたい方は、写真つきの図鑑を買って持って行きましょう。さすがに、本書だけでキノコをみつけるのは難しいと思います。本書のことは、かわいいキノコの入門書だと思っておきましょう。

 

以上。意外と図鑑してる、かわいいイラストのキノコ図鑑『少女系きのこ図鑑』の紹介でした。

 

※本記事は、9月29日に改題しました。

 

*1:図鑑などに添えられる、記録を目的とした写実的な絵。