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今回、ご紹介するのは、サーカス団シルク・ドゥ・ソレイユの公演DVD(日本版)『クーザ』。アルファベット表記は「KOOZA」です。以下、リンクを兼ねた画像。
パッケージに映っているのは、トリックスターの一面「混沌」さん。色合いがバッチリ! シルク・ドゥ・ソレイユの画期的なところは公演ごとに世界観(物語)があることなのかも。本作も、ただ単に演技を見せられるのではなく幕間をつなぐシーンがあり、ちょっとした演劇を観ている気分になります。それでは以下、あらすじを。
あらすじ(ネタバレ注意!)
主人公は幼いクラウン(ピエロ)。名前は「イノセント」。モノクロの世界で一人、ツギハギの凧で遊んでいると、郵便屋が大きな荷物を置いていった。イノセントが配達された荷物の大きさにとまどっていると、中身の箱が勝手に開いた。その箱はビックリ箱だったのだ! その中から現れたのは「トリックスター」。トリックスターは「クーザ」という世界の住民。杖を振ってイノセントの衣装の色を変えたうえに、不思議な人々を呼びだした。
トリックスターは時に姿を変えながら、クーザの世界の住民をイノセントに引き会わせていく。途中、トリックスターから杖を借りてゴキゲンなイノセントだったが、そのせいでガイコツたちから追われることに。彼らの主人「死神」もまた、トリックスターの一面。もしかしたら、主人の杖を取り戻すつもりだろうか。しかし、気がつけばガイコツの鎌は奪われ、いつのまにかイノセントがガイコツたちを追っていた。
ついにトリックスターに再会し、杖を返したイノセント。王冠と新たな凧を受け取るも、クーザの世界はトリックスターの微笑みとともに閉じ、イノセントは再びモノクロの世界に一人で残された。
観た感想。オチは悲しいけど、また会える?
物語のオチがちょっと悲しかったです。てっきり、イノセントくんはクーザの世界の住民になるのだと思っていたのに。あのままトリックスターさんと親子みたいに暮らしてほしかったなあ。
「クーザ」は情熱的で、恋多き世界らしい。トリックスターの一面、赤い髪と衣装の「混沌」さんは空中ブランコ乗りの女性とワケありのようだし、二人で一台の一輪車をこぐカップルもいるし。おまけに、トリックスターの別面「死神」は色男で、歌姫から注目されている。この世界はまだ、お子様には少し早いらしい。
そう考えると、また荷物が届くのかもしれない。クーザの世界から荷物が届いているので、もしかしたらイノセントくんは、ずっと彼らに見守られていて、いつか、大人になった時に、クーザの世界に迎えられるのかも。そう思うと楽しいですね。
意外だったのは、イノセントくんも少しだけアクロバットをすること。ああ、そういえば、イノセントを演じてるのは小柄なアクトさんだ。よく考えればできて当然なのですが、世界観にのまれていると、つい、イノセントくんを「迷い込んだ子ども」だと思ってしまう。これも、ちょっとしたマジックですね!
マジックといえば、途中で観客を一人選んでステージに呼び、マジックに協力してもらう、という幕間劇も。イスに座らされた女性が、泥棒クラウンと入れ替わってしまうのですが、なんと、あとでまたステージに登場します。こっそり客席に戻ってたんじゃないんだ! これ、仕込みじゃないならすごいな!
他に印象的だった演技は、綱渡りです。二人の男性が一本の綱に乗って、馬跳びをするのですが、着地ならぬ着綱でバランスを崩して落ちかけました。これはちょっとヒヤッとしました。DVDに収録されてよかったと思います。おかげで、みなさんが本当は危ないことをしてるんだと思い出せました。こんな危ない演技が何度も観られるなんて、DVDはありがたいですね!
他の演目、「ホイール・オブ・デス」は「彼方からの物語」のほう、シーソーは「コルテオ」のほうが好きですが、似た演目でも見あきることはありません。いつ観てもすごい!
以上、シルク・ドゥ・ソレイユ公演DVD『クーザ』のオチがちょっと悲しかった件をお送りしました。