目次
- 家庭訪問ですと? ウチに高校生はいませんけど?
- 自称・高校の教員は何者だったのか? 通報するべきか?
- 後日、誤配されたハガキが真相(たぶん)を教えてくれた。
- 今回、一番不思議な体験をしたのは、きっと先生だ。
- 追記:よく考えたら一番不思議なのはハガキが誤配されたことだった。
今回は、ウチが実際に体験した、ちょっと不思議なことをお話ししましょう。
はじめに断っておきますが、ウチに高校生はいません。
なのに、なぜか自称・高校の教員が家庭訪問に来ました。
ウチにいったい何が起こったんでしょうか?
お話しする前に、本記事のお約束をひとつ。
高校の名前とウチの名字は仮名でお送りします。
ウチでは名前出しはNGですので、あしからず。
コトの経緯は、おそらくこうです。
1、高校生のお子さんがいる、ウチと同じ名字の「Q」さん家が近所にある
2、高校の担任が、「Q」さんのお宅へ家庭訪問に出発
3、誤って、ちがうマンション名で同じ部屋番号のウチに来てしまった
4、しかし、ウチに高校生はいないと言われる
5、担任の先生は、首をかしげながら立ち去った
以上は、私たちが誤配されたハガキから想像したことですが、
たぶん間違いないでしょう。
家庭訪問ですと? ウチに高校生はいませんけど?
ある日、家人がインターホンに出たところ、
男性「あの、ここはQさんのお宅でしょうか?」
家人「はい。ウチはQですけど」
男性「私はK高校の教員です。今日は家庭訪問に伺いました」
家人「はい? ウチに高校生はいませんけど?」
男性「そうですか。失礼しました」
男性はあっさりと立ち去りました。
自称・高校の教員は何者だったのか? 通報するべきか?
あまりに不思議なできごとです。
相手がこちらの名字を確認しているのに、
お互いの認識がズレている。
その後、家人と散々、議論して、二つの仮説を立てました。
仮説A:新手のサギ、あるいは訪問販売であり、事前にウチの名字を調べて来た。
仮説B:本物の高校教員が、本当に家庭訪問に来て、部屋をまちがえた。
しかし、この仮説はどちらにしても、ありえない気がしました。
仮説Aではこちらの名字を知られている理由は想像できますが、
相手が「家庭訪問」だと言った理由が説明できません。
仮説Aが真相ならば、どうして「家庭訪問」だなんて言ったのでしょうか。
これでは、「ウチに子どもはいません」と言われればドアを開けてもらえず、
目的が果たせません。門前払いされるのは目に見えています。
では、仮説Bはどうでしょうか。仮説Bでは、
今回の訪問は先生のミスだということに。
しかし今度は、部屋番号が問題になります。ウチは集合住宅です。
インターホンを押す前に、部屋番号を確認したはず。
あの男性は、「この部屋番号でまちがいない」と思って
インターホンを押しているのです。おまけに、住人の名字も合っている。
それなのに、目的のお宅ではない。
あくまでも先生のミスだとすると、部屋番号も、住人の名字も同じであり、
なおかつウチではないお宅が、近所に存在していなければなりません。
こんなことが実際にありえるのでしょうか?
やはり、どちらの仮説も、無理があるような気がしました。
あげくの果てには、警察に相談しようかという案も出ましたが、
ちょっと大げさな気がしたので、スルーしておきました。
後日、誤配されたハガキが真相(たぶん)を教えてくれた。
自称先生の不審な訪問から一ヶ月ほどして、
ウチの郵便受けに、覚えのない差出人からのハガキが。
「ウチの部屋の、前の住人への郵便物かな?」と思って
宛名を確認してみると、ウチと同じ「Q」という名字の人宛て。
「あれ? 前の住人宛てじゃないみたい」
宛先の住所をよく読めば、ちがうマンション名の、
ウチと同じ部屋番号が書かれていました。
私はひらめきました。仮説Bがまさかの正解だったのだ、と!
前に来た自称・教員の人は、この人のお宅を訪ねてきた、本物の教員だったのです。
近所に、ウチと同じ名字で、
ちがうマンションの同じ番号の部屋に住んでいる人がいるらしい。
これでやっと真相(たぶん)がわかりました。
今回、一番不思議な体験をしたのは、きっと先生だ。
今回で一番、不思議な体験をしたのは担任の先生では。
近所に同じ名字の人が、ちがうマンションの同じ番号の部屋に住んでる
なんてことは、めったにないことのはず。
以下、先生の視点で考えてみます。
家庭訪問に来たら、インターホンを押す前に、
部屋番号を確認→合ってる
インターホンを押す→名字を確認→合ってる
名乗って、家庭訪問に来たと言う→ウチに高校生はいないと言われる
はい? ここまで合ってるのに、高校生はいないだと?
しかし、相手はこちらを不審に思っているらしい。
どうやら、本当に心当たりがないようだ。
ここは立ち去るしかないようだが、いったい、どうなってるんだ?
この先生が真相を想像できるまで、かなりの時間がかかったのでは。
ウチとちがって、真相を想像する材料は届いてないでしょうし。
こう考えると、この一件はちょっと愉快です。
以上。ウチに高校の先生が家庭訪問に来た話をお送りしました。
追記:よく考えたら一番不思議なのはハガキが誤配されたことだった。
よく考えたら、今回で一番、不思議なできごとは
タイミングよくハガキが誤配されてきたことでしょう。
まるで、仮説に対する答え合わせをするかのように。
今まで、誤配があったのは、この一回だけです。
これ以前に誤配があれば、近所にウチとは別の「Q」さん宅がある
ことを知っていたはず。
そうなれば、先生の訪問を不審に思うこともなかったわけで。
それどころか、先生に、ウチとは別の「Q」さん宅が
近所にあることを、教えてあげていたかもしれません。
たった一度の、タイミングがよすぎる誤配によって
真相(たぶん)がわかったことが、思えば一番の不思議でした。
※本記事は、9月5日に加筆・修正・改題しました。