目次
今回、記事にするのは、劇場版ポケットモンスター『幻影の覇者ゾロアーク』。
2010年に公開された作品で、劇場版シリーズの第13作目。監督は湯山邦彦さんです。
以下の画像はリンクを兼ねたDVDのパッケージ。普段なら自分で購入した物のリンクしか貼らないのですが、今回ばかりは画像がないと話にならないのでリンクを貼ります。
みなさん、左上にいる男性にご注目。
この人が今回の悪役コーダイ氏です。
なんでまた昔のポケモン映画をレンタルして観たのか。過去記事にも書きましたが、近所のツタヤが来月中に閉まるからなんです。閉まる前に気になっていた作品をレンタルしておこうと思い、他の方がシリーズで一番好きだと言っていた本作を観てみることにしました。
事前に調べた評判をまとめると、大人が観ると面白いけど、お子さまにはわかりにくいかも、と。いつも通り勧善懲悪で、悪役が自分の野望のために、か弱くて特別なポケモンを狙っており、サトシたちがそのポケモンを守りながら悪役を倒すという感じなので、お話はわかりやすいのですが。デカくてゴツくて強い伝説ポケモンは出てこないので、わかりやすい興奮はありませんでした。それに、ゾロアの変身やゾロアークの幻覚の演出はお子さまにはわかりにくいかもしれません。ちょっと複雑な演出と、いつも通りの安定した物語が融合した本作は、悪役を含めて印象に残る作品です。シリーズ中で一番好きだという人がいるのも納得でした。
それでは以下、本作について語ります。
あらすじ
サトシたちは新たなスポーツ「ポケバッカー」の試合を見るためにクラウンシティに向かっていたが、タケシの「近道をしよう」という提案に乗ったせいで道に迷った。
そんなサトシたちは森で一匹のポケモンに出会う。怒ったヤルキモノたちに追われていたそのポケモンは「ゾロア」と名乗り、「マァ」を探していると言った。なんとこのゾロアは、テレパシーで人と話せるのだ。
ゾロアの言う「マァ」が誰のことなのかわからないサトシたちは、ゾロアを連れてクラウンシティを訪ねた。しかし、クラウンシティではある事件が起き、旧市街地が封鎖されていた。
旧市街地で暴れていたのは幻覚を操るポケモン、ゾロアークだった。ゾロアはニュース映像でゾロアークを見て、「きっと悪者のところから逃げて、自分を探しているのだ」という。
ゾロアークを暴れさせていたのは「未来を知る男」グリングス・コーダイだった。ゾロアークを「悪のポケモン」と呼び、人々に「危険なので旧市街地から出てください」と言うコーダイの目的は? セレビィが現れ、伝説のポケモンに守られている緑豊かなクラウンシティで、いったい何が起きようとしているのか? ゾロアとゾロアークは無事に再会できるのか。サトシ&ゾロア、ゾロアーク、コーダイ。三者の戦いが始まる!
観た感想(ネタバレ注意)。コーダイ氏が格好いいです。
いやいやいや。他にもたくさん感想があるんですよ? 観ながら書いた手書きのメモをストーリー順に整理して「メモ」に打ち込んで整理までしたんですよ。今、それを読みながら感想を書こうとしているんです。でもね、一番お伝えしたいのはとにかく悪役が格好いいってことなんですよ! 私は断然悪役派だっていうのもあるんですけども。コーダイ氏は社長で実業家なので、かかっている経費は全部自分持ちなわけですよ。それも、奪ったお金じゃなくて本人が 働いて稼いだお金なんですよ。根が真面目で努力家じゃないと大金持ちにはなれません。もうこれだけで(私からの)好感度が高い。野望といっても直接の世界征服じゃなくて、商売に役立つ未来予知の能力がほしいだけですからね。悪役にしては珍しく地に足ついてる感じが、私的にポイント高い。
あと、20年ずっと同じポケモンを連れているらしき描写があるのもいいですね。20年前の若きコーダイ氏も登場しますが、この時点でカゲボウズとムウマを連れています。ゴーズトタイプには寿命がないのだとしたら、少なくとも20年間は同じ個体を使っていることになりますね。しかし、なぜカゲボウズはこの20年の間に進化していないのか。ムウマはやみのいしでムウマージに進化するのでお金で解決できますが、カゲボウズはレベルで進化するので、経験値を積まないと進化できないのでしょう。コーダイ氏はトレーナーですが、あまりバトルはしなかったのかもしれません。あるいは、かわらずのいしを持たせているのかも。ゲーム本家でもそうですが、特にアニポケの世界では進化すれば有利になるというものでもありません。火力が上がる分、体が大きくなって動きが遅くなるというリスクがあるのです。カゲボウズをあえて進化させず、小さくて素早い形態のままにしてあるのかも、というのが私の考察なんですが、実際は絵面の問題なんでしょうね。だってカゲボウズとムウマージってどっちもてるてる坊主っぽくてフォルムが似てるんですもの。もういっそ、カゲボウズはジュペッタとムウマに分岐進化すればいいのに。
話がコーダイ氏自身から手持ちのポケモンに移ってしまったので、ここらへんで話をコーダイ氏に戻します。実は、コーダイ氏はすでに未来予知の能力を持っています。しかしそれは、生まれつきの能力ではありません。この能力は彼が20年前にクラウンシティでセレビィから「時の波紋」を奪い、時間エネルギーを自分の体に取り込むことで得たものです。生まれつきではない、ある意味不自然な能力なので、年月とともに弱まってしまいました。未来予知の能力が衰えたことを感じていたコーダイ氏は、再び「時の波紋」にふれてエネルギーを吸収し、この能力を強化して維持しようと企みます。この力があれば、メディアを通じて世界を牛耳ることができるからです。
こう考えると、コーダイ氏の野望も世界征服系であると言えます。少し変則的なのは、再び「時の波紋」にふれてエネルギーを吸収する目的が世界征服に直結しているわけではなく、地位を維持するためであること。彼はすでに(ある意味)自力で世界征服を成し遂げているので、今回は現状維持のための作戦なのです。この点が、今作をお子さまにわかりにくくしているのでしょう。大人が観てると面白いんですけど。
力の衰えに焦り、現状維持のために奔走し、はた迷惑ながらも手っとり早い手段で力を取り戻そうとする。よく考えればコーダイ氏は「醜い大人」の権化ですが、それでも格好いい! ということで以下、コーダイ氏の格好いいポイントをひたすら語ろうと思います。設定とかストーリーなどについて知りたい方は以下のリンクをどうぞ。
コーダイ氏の格好いいポイント
・独特の髪型と服装が似合ってておしゃれ。
微妙にキノコ頭だ、という指摘がピクシブでありました。うん。前髪だけ色が違うところといい、よく見れば妙な髪型なのは確かなんですが、2次元のおかげなのか、違和感はありません。また、白地に矢印柄の特注品らしきスーツを身にまとっていますが、お気に入りらしく堂々と着こなしています。お見事! ファッションは気合いと気品ですよね。ピクシブ百科事典では前髪だけ染めていると書かれていますが、これが事実なら瞳の色に合わせているわけですね。おしゃれじゃないですか!
・予知能力者っぽいセリフが格好いい。
「私は君が誰なのか知らない。しかし、君が私の邪魔をすることは知っている」という内容のセリフ。このセリフは捕まえたサトシに対して檻のむこうから言うんですが、いかにも能力者っぽいじゃないですか! こういう、能力者じゃないと言えないセリフが好きなんだと気づきました。ありがとうコーダイ氏。
・運動神経がよくて身軽。
地面に接触した、自作らしきマシン(飛行ポッド)やドーミラーが持ちあげた車から飛び下りるシーンでは、機敏さを披露してくれます。社長=デスクワーカーと考えると運動神経がいい気はしませんが、意外と身軽なのです。普段からスポーツジムに行って鍛えてそう。さすがは社長!
おわりに。コーダイ氏がビジョンを見ているシーンまとめ。
私は2次元に限っていうと美中年が好きなんですよね。さらにいうと、美中年が苦しんでいるシーンが好きなんですよ。自分はMだと思っているんですけど、観る側としてはSなのか。いや、ただ単にそういうシーンがセクシーに見えるから好きなだけか。これは大発見だ! というのは置いておいて。コーダイ氏がビジョンを見ているシーンが苦しげで好きなので以下にまとめておきます。もはや自分用の記録ですが。
1、28:55あたりから29:40ぐらいまで。飛行機の中。対立する者のなかにリオカがいるのを見る。
2、37:35あたりから38:29ぐらいまで。過去編。社長室でリオカと初対面した日。
3、58:00あたりから58:12ぐらいまで。カウントダウンクロックのそばで。空中だから危ない!
4、1:02:55あたりから。やはり空中で。目の色が戻ったのはどこかわからなかった。着地した時?
以上。まとめてて思ったんですけど、今回、コーダイ氏は一日のうちに3回もビジョンを見ている! グーンの「久しぶり」というセリフからすると不定期らしいし、自分の意思とは無関係かつ突然に視覚が奪われるからかなり危険だと思います。こんな能力を持っててよく20年も無事だったなコーダイ氏。日常生活に支障はなかったのか? 横断歩道を渡ってる最中とか超危険じゃないですか。一応捕まったけど、パトカーの中で無事だったのだろうか。能力がなくなったら、それはそれでダメージはないのか? まさかパトカーの中で血を吐いて病院行きになってたりしないよね!?
突然ですがいい加減でシメを。ええと。そうですね。とりあえず、苦しげな美中年が好きな人は今作を観ろ。って、これ、ポケモン映画をおすすめする表現じゃねえ! いやらしくてごめん!
以上。コーダイ氏について語りました。今回は性癖が炸裂しててやばいけど反省はしてません。たぶん今後も反省しないです。
※本記事は2019年2月28日に微加筆して画像を加え、2021年10月5日に微修正しました。