ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

漫画『コスモファミリア』 作者のハノカゲさん、がんばって!【完結マンガ】

目次

 

今回、ご紹介するのは、漫画『コスモファミリア』。この記事を執筆している、2019年9月に3巻が出てついに完結しました。作者は「魔法少女まどか☆マギカ」のコミカライズでデビューしたハノカゲさんです。以下、リンクを兼ねた表紙の画像。

 

1巻の表紙を飾っているのは主人公のアリスちゃん。

実は大鎌を構えているぞ! 背景やマントと色が似てるせいで目立たないけど!

爽やかな配色なのはいいとして、もう少し視認性を高めてほしかったところです。

 

主な登場人物

コスモフ:何にでも(人の臓器にでも)変身できる宇宙人。ぬいぐるみのような姿をしており人間その他の生物は襲わないが、建物を食べるので一部の人間からは害獣と呼ばれている。3巻で建物を食べまくっていた理由が明かされた。

天川愛里栖(あまかわ・ありす):主人公の少女。16歳。ペットのパピィと一緒に留守番をしている。街をコスモフから守るのが役目だが、街の住人には嫌われている。2巻ではコスモフの力で変身できるようになった。

天川蕾花(あまかわ・らいか):愛里栖(アリス)の母親で、コスモフの飼い主。使用人とともに外出してから6年間、家に帰っていない。コスモフを世界的に暴走させた人物とされているが行方不明。

守宮(いもり):子供の頃、記憶をなくしてさまよっているところを天川家に保護された。現在では天川家の使用人で、料理がうまい。蕾花(ライカ)の護衛を兼ねている。執事の格好をしているが女性で、屋内で猟銃をぶっ放す物騒な人物。

ニクス:コスモフの被害者を保護・治療し、戦闘員にしている組織。現在の目的は、設立当初の目的とは異なっている。作中に登場する構成員はミラ・スピカ・アカネ・シヅキ・チーフと呼ばれるボスのわずか5名。3巻でチーフの正体が明らかになる。

 

『コスモファミリア』あらすじ

母と使用人が6年前に出かけたまま帰ってこないので、ペットのパピィといっしょに留守番をしている少女、天川愛里栖(アリス)。アリスは専用の武器を持ち、街で暴れるコスモフを狩ることで生計を立てていた。

パピィとともにさみしく留守番をしていたアリスはある日、ミラという少女に出会った。ミラはニクスという組織の一員で、コスモフを根絶やしにしたいからアリスに協力してほしいと言う。しかしアリスはこれを拒んだ。母と、家を守ると約束しているからだ。

これを聞いたミラは怒って攻撃してきたが、アリスは「天川ライカ」と「守宮」と名乗る2人に助けられた。アリスが「ライカ」に連れて行かれた先は、近所の古井戸。アリスはライカに古井戸へ突き落とされた。

アリスが古井戸に落ちた先で出会ったのは、自分と同じ年頃の母親と、若い使用人。どうやらここは20年前の世界らしい。アリスはこの世界で少しずつ母とコスモフの秘密を知っていく。

 

半獣化と美少女がお好きな方にオススメ! 百合要素もあるよ!

正直なところ本作は、2巻が出るまではハノカゲさんのファンにしかオススメできませんでした。ゆるふわな設定。描き込みが少ない背景。自分が憎むものの力を使って戦い、憎いものを滅ぼそうとする人が現れるというベタな展開。最近気がついたんですけど、この展開は「敵を滅ぼす手段を作中で開発しなくていい」し、「キャラクターの葛藤を簡単に生み出せる」から、書き手にとってはお手軽で便利なんですよね。こういう作品は減ればいいとは思わないけど、わざわざ増やさなくてもいいと思います。

若い人しか出てこないせいで、年齢の描き分けができないのではないかという疑いを持ってしまったり。自分が「魔法少女まどか☆マギカ」のコミックを買っていなくてハノカゲさんを知らなかったら、立ち読みはしても買わない作品だったかもしれません。

そんな本作ですが、2巻が出てからは(一部の人には)オススメできる作品になりました。1巻では影が薄かったミラの手下2名や、病弱だったライカちゃんが大活躍します。しかも、主人公のアリスちゃんを含むみんながコスモフの力で「トランス」と呼ばれる変身をして、半獣化(1名は半植物化)してバトルします。これはちょっとしたフェティシズムですよね。実は私は、完全な獣人よりも人の半獣化のほうが好きだったりします。ケモノだと顔よりも手足と尻尾が好きで、毛皮の質感にはこだわりません。だから、本作にはちょっとトキメキました。スピカのトランスは例外的に植物化ですが、トランスのモチーフが植物なのは意外で面白かったし、悪役女性は露出度が高いというお約束は守られているし、そのくせ妖精っぽくてキレイなので許す。ケシの花モチーフとはセンスありますなあ。あと、ニクスのチーフのトランスも好き。ケモノと鳥が混ざったファンタジーなデザインがいい。モデルになった種が特定できるぐらいガチめのパーツじゃなくて雰囲気ケモノが好きなんですよね。こういうのも少女趣味というのだろうか。

ミラの手下であるニクスの戦闘員、アカネとシヅキの2人は女の子同士でラブラブ。これは少し意外。GLじゃないジャンルの漫画であえての百合カップル。ストーリー漫画の百合CPってファンが2次創作でするものであって作者がするものではないと思っていましたが。ハノカゲさんはMの気があるシヅキちゃんのキャラ紹介で「19歳 161cm ベッドの上では上」と書いています。すげえ。読者が受け攻め論争で不毛な争いをしないように配慮しているのか。それとも、これがハノカゲさんの理想の百合カップルなのか。キスシーンもあるし。

先程、本作はGLじゃないジャンルの漫画だと書きましたが。じゃあ本作のジャンルは何かと言うと、少女漫画だと思います。登場人物のほとんどが10代の女の子なんだもの。設定はゆるめなのでSFっていうほどSFじゃない気がするし。強いて言うなら超ライトSFかな。

ということで本作は、半獣化と美少女が好きな方にオススメ。3巻でニクスの詳細が明かされて、ストーリー展開は駆け足ですがSF的要素はそんなに濃くないので安心です。強いてSF要素をあげると20年タイムスリップしたことと、コスモフは宇宙から来たことぐらいか。みんな、コスモフは宇宙人という設定だけど、SFじゃなくてファンタジーのつもりで読むんだ。そして、ハノカゲさん初のオリジナル作品を応援しましょう! 本作にはカバー下にマンガとキャラ紹介があるので忘れずに読むんだぞ!

 

以上。完結マンガ『コスモファミリア』をご紹介しました。

 

 

 

まだ3巻セットが出ていなかった。出てたらむしろ悲しいか。