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今回ご紹介するのは映画「LIFE!」です。原題は「The Secret Life of Walter Mitty」で、日本での公開は2013年でした。この作品は邦題の短さとポスター(⬇︎)の
簡潔かつ青を基調とした美しいビジュアルが印象的だったので、公開当時に劇場で鑑賞。結果的に当たりでして、後にiTunes Storeで購入してiPod Classicに放り込み、今日久しぶりにテレビにつなげて観ました。メインビジュアルが好みに合うものだと、内容まで気に入ることが多いですね。なんでもパッケージをよく見ることが大事だなあ。
それでは。この映画はどんな作品なのか解説いたしますね。
映画「LIFE!」あらすじ
ウォルター・ミティはライフ誌の発行元で写真のネガフィルムを管理する部署に勤めて16年になる独身男。父を亡くしてからは働き詰めだが母は元気だし、誕生日を祝ってくれる妹がいるし、想いを寄せる女性だっている。ウォルターの日常は、時々現れる空想癖で遅刻することがある他は順調だった。週末に会社が買収されるまでは。
買収された会社は経営方針を大きく転換した。紙で発行されていたライフ誌は今月で休刊し、オンラインに切り替わるのだという。ネガフィルムを管理する部署は不要になり、ウォルターと部下はクビになる。ウォルターたちの最後の仕事は、ライフ誌最終刊の表紙に使われる写真を提出すること。
しかし、大きな問題が発覚する。カメラマンのショーンから表紙に使えと指示されたネガが、行方不明なのだ。
例のネガはまだ彼が持っているのかもしれない。ウォルターはヒントを手がかりにカメラマンのショーンに会いに行く決意をする。これがウォルターの冒険の始まりだった。
期限は3週間後。ウォルターは、ネガを間に合わせることができるのか。
感想+おすすめのポイント
この映画のどんな点がオススメかって言うと、
・自然の風景がわざとらしくなく、美しい。
・空想と現実の境目がなくて面白い。
・大人の冒険譚として無理なくまとまっている。
以上3点ですね。それでは順に解説を。
まずは自然の風景! 主にアイスランドとヒマラヤの風景が映ります。グランドキャニオンとかサンゴ礁とか、ああいうわかりやすく美しい風景を見飽きている人間からすると、大げさなものが映っていない淡々とした風景はほっとします。主人公が船から降りた後に映るのは、山と空ぐらいですね。あとは川と海が少し。ビルはなく空は広くスッキリとした絵面を観ていると癒されます。ヒマラヤ登山のシーンはひたすら岩ばかりで色味がなく地味なんですが、これはこれで荒々しく美しい。大げさで押しつけがましくわざとらしい、自然番組あるあるの風景を見飽きている方にオススメ。
次に主人公の空想癖について。主人公のウォルターは大人なのでそこまでファンタジーな空想はしないのですが、映画をたくさん観ていそうな空想をしています。それが現実と地続きなものだから、最初は空想なのか現実なのかわかりません。例えば、駅のホームで電話していると近くのビルが爆発したり、職場のエレベーターで上司からオモチャの持ち込みを注意されてケンカになり、そのまま殴り合いになったあげく道路で追いかけっこになったり。まあ、そのうち明らかに空想だとわかるシーンも出てくるんですが。港のバーで職場にいるはずのヒロインが歌ってくれたり。空を行く鳥がヒロインの顔の形になったり。主人公の空想はどれも現実の風景の上に被さっているので、現実と融合して見えるのが面白いです。
あとは、大人の冒険譚として無理なくまとまっている点ですね。主人公は別に異世界に行くわけではなく、勇気を出すといってもパスポートとバックパックを引っ張り出してアイスランドとアフガニスタンに行くだけ。サメに襲われたり、素人がガイドを同行させずに一人でヒマラヤに登るのはさすがに映画というかフィクションっぽいですけども。帰国したら空港で留置され尋問されるあたりは、いつもの空想かと思いきや、なんと現実です。まあ、カメラマンでもジャーナリストでもない人がアフガニスタン入りすればそうなるわな(笑) このあたりはシャレになっていないですけども素人は真似しようがないので問題ないかと。とにかく、自分の身に置き換えてみても想像できるかな、という範囲に収まっているのがいいですね。少しだけ地に足がついているというか、爪先が地面に残っている感じがして好感が持てます。
オススメのポイントについては以上です。あとは、久しぶりに通しで観た感想を。
まあ、メインテーマはありふれたもんで、自分の殻に閉じこもっていたら人生は開けないから、時には思いきって冒険してみようぜってことでしょう。ストーリーラインもありふれていて、平穏な日常がずっと続くことを願う主人公の生活が急に壊れる流れですね。ついでに言うと、主人公が社会人の場合は最後の仕事を無事にやりとげることを目指すというのもよくある話かなと。こうして冷静に分析してみると斬新ではないんですけど、人生を切り開くことと最後の仕事が合体しているのは面白い。最後の仕事で主人公がトラブルに巻き込まれるのもよくあると思うんですが、そのトラブルがそのまんま、自主的な冒険につながっている作品です。だから主人公の態度はネガティヴじゃないんですよね。むしろポジティブ。後半では空想が減っていき、主人公が自分の殻を出たことを表しています。最後の仕事で起きたトラブルで棚ボタ的に成長したウォルターの今後が楽しみです。新しい職はみつけられるのかなとか、ミシェルとは結婚できるのかなとか。心配っちゃあ心配なんですが、あれだけ冒険できたウォルターなら大丈夫でしょう。
まとめると。空想癖サラリーマンを見てると自分もがんばろうと思えるいい映画です。
以上。映画『LIFE!』をご紹介しました。風景が爽やかだから夏にオススメだよ!
蛇足:先月末に月間7000PVを達成しました。みんな、ありがとう! このまま10000PVを目指すぜ!
こちらはiTunesへのリンクです。実は吹き替え版も同じ¥1000!
どっちも安いのでいっそのこと購入するのがオススメ。