ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

イオン内の脇道にある隠れ家的なタリーズが最高。ポメラを持ってでかけたい。

今週のお題「好きなお店」

 

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某イオン公式サイトより、2階にあるタリーズの外観。

ご近所にはいくつかカフェがある。独立系もあるしチェーン店もある。私はチェーン店のほうが好きだ。前払いなので好きな時に店を出られるし、カウンター席の席数が多くて座りやすいし、店員さんがお客をほっといてくれるから居心地がいい。要するに罪悪感なく長居することができるから好き。だから、チェーン店でも長居できない店舗は好きではない。繁華街にある店舗でもワンフロアだと意外に席数が少なくて「早く出なくちゃ後の人が座れない」と思って焦るし、2フロア以上あって席数が多いと「利用者が多そうだから早く出なくちゃ回転率が悪くなって申し訳ない」と思ってしまい、やはり長居できない。だから「私の都合」と「お店の都合」が一致するような、潰れない程度に混んでいる郊外のお店が好きだ。これは街中だけではなくショッピングセンターに入っているカフェでも同じで、フードコートやレストラン街に入っている店舗よりも、ファッションなどのフロアにポツンと離れて入っているカフェのほうが落ち着く。大阪の某イオンモールの2階に入っている「タリーズコーヒー」が特に好きだ。この店舗が面しているのはメイン通路ではなく脇道で、某有名ファストファッションの裏手にある。あらかじめフロアマップで位置を調べておかないとみつけにくい。それが良いのだろう。ショッピングに来たついでというより、あの店が好きで通っている常連がいそうな佇まいになっている。

私がカフェに行く主な目的は小説の執筆だった。執筆に集中できるように、まずはドリンクを飲み終える。次に腕時計を手首からはずしてテーブルに置く。そして、テーブルに置いた腕時計で時刻を確認しながら筆が止まるまで書く。次の展開が思いつかなくなったらテーブルを片づけて席を立ち、店を出て家に帰る。こんな日々を送っていた時期があった。今思えば贅沢な時間だ。

私は某新人賞に応募するため、応募期限に追われながら懸命に長編を書いていた。執筆場所にカフェを選んだのはJ・K・ローリング氏の逸話を聞いたからだ(彼女は近所のカフェでコーヒー1杯だけでねばりながら書いた長編ファンタジー小説で有名になった)。小説を書くのに使っていたのはキングジムの『ポメラ』である。ポメラとは現代版ワープロみたいなもので、小さな液晶画面とキーボードがついており、インターネットには繋がらず、雑念とは無縁に文章作成ができるという夢のようなマシン(⬇︎)だ。 

どこかの雑誌で劇団ひとりさんがキングジムポメラで小説『陰日向に咲く』を書いたという記事を読み、それにあやかって自分もポメラを買った。有名人のマネをして自分も有名になろうだなんて、我ながらあまりにも考えが甘いというか浅い。環境と道具がそろったおかげで新人賞の応募期限にはなんとか間に合ったが、私の応募作は残念ながら2次審査で落とされた。応募したからには作家デビューしたかったが、有名作家の執筆環境を真似ただけでデビューできたら誰も苦労はしない。家族が「初挑戦で1次審査に通ったのは素晴らしい。快挙だ」とほめてくれたのがせめてもの救いである。

幸か不幸か私には他に長編を書けるアイデアがなかった。今では気が向いた時に2次創作を少し書いているぐらいで新人賞用のオリジナル作品は書いていない。気がつけば新型コロナが流行する以前に、あのタリーズから足が遠のいていた。それでも私はあの店が好きだ。集客上は不利になりそうなテナント位置だが、新型コロナその他に負けず末永く営業を続けてほしい。いつかまた、ポメラを持ってでかけたい。

 

画像引用元サイト:https://sakaiteppocho-aeonmall.com/shop/detail/97

キングジムポメラ10周年記念サイト:https://www.kingjim.co.jp/pomera/10th/