今週のお題「読書感想文」
正直な話、読書感想文なんて文化は滅べばいいと思う。あんなモノ書かせなくても幼少期から本好きは本好きだし、本嫌いは本嫌いである。大人になったらビジネス書や専門書を読まなくてはならないのだから、進路の文・理を問わず、とりあえず本好きになるよう育てておこうというのは間違っていないが。「読書なんて趣味の一種なんだから全員に強制しなくてもいい」と一蹴するわけにはいかないだろう。資格の勉強をするにもテキストを読まねばならないのだから。国民の多くが頭脳労働に就いている現代において読書はただの趣味ではなくスキルアップの手段である。料理ができなくても中食すればいいし、洗濯ができなくてもクリーニングに出せばいいし、掃除ができなくても定期的にハウスクリーニングに頼めばいい。現代では生活能力が皆無でもお金さえあれば生活できる。しかし、スキルアップのための勉強は外注できない。金を払って代行させることはできないのだ。だからこそ、読書だけは自力でできなければならない。そう結論した親が今年も子供の読書感想文を手伝うことになるのである。それはわかる。わかるのだが、独学するにしても今時は音声の教材もあるし、一昔前のように読書習慣を身につけさせることに固執しなくてもいいだろう。だいたい年に一回だけ本を読ませてみても本に親しむようにはならない。本気で読書の習慣を身につけさせたいなら、幼少期から絵本の読み聞かせをするとか、親子ともに一日○分間は本を読むとか、○時〜○時は本を読むとか、とにかく毎日、継続的に本を読ませるしかないだろう。ここまでしても読書好きになるとは限らないが。子供を読書好きにする一番の方法は親が読書好きになって、いかにも楽しそうに本を読んで見せることである。自我が未発達の子供は親が楽しそうにしているものに興味を持つ。そして、物心つく頃には親と同じようなものを好きになるのだ。こうなったらしめたもので、親は家庭内で趣味の話ができる仲間を得ることになる。現に私の家ではお互いが買った本を貸し借りして感想を言い合っている。要するに親御さんはご自分が嘘偽りなく心から「楽しい」と言えるものをお子さんにオススメすればいいのだ。お子さんをご自分の趣味に巻き込んで仲間にしてしまおう。独学の方法はお子さん本人が長じて自力で身につければいい。日進月歩で技術が進み、様々なサービスが現れては消える現代においては学校が独学の方法を教えるよりも、本人が必要だと思った時に自分に合った方法や教材をその都度探した方がいい。たった一つの「読書」という手段で人生が乗り切れると思うのは、「読書」という行為を過大評価した幻想である。だから読書感想文なんか滅べばいい。感想文を書かされることを大前提にした読書なんて、たとえ自由に選んだ本でも絶対に楽しくない。ただでさえ学校では楽しくないことばかりやらされるのに夏休みに家でも楽しくないことをしろだと? ふざけるのも大概にしろよ教育委員会。世の中には誰にも頼まれてないのに好き好んで書評ブログをやってる人間が山ほどいるんだぞ。アンタらが余計なことしなくても、一部の人間は勝手に読書好きになるんだよ。だから来年からは読書感想文を廃止しろ。読書好きの子供だった私でも読書感想文だけは嫌いだったんだから。あんなモノずっと書かせてたらそのうち全日本人が読書嫌いになるに違いない。