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今週のお題「最近見た映画」
注1:過去記事にタグをつけて再投稿しています。既読の方はブラウザバックを推奨。
注2:この記事の筆者は原作を読んでいません。この記事には的外れだったり不快な感想が含まれる可能性がありますので、なんでも許せる方のみお読みください。また、ネタバレ絶対NGな方はこの記事を読まないことをおすすめします。
原作を知らないのに観た理由
過去記事で「なんで新作を映画館で上映するの?」って言っておいて新作を映画館で観てしまいました。原作があるなら完全新作とは言えないからセーフかなと。あと「鬼滅の刃」がむちゃくちゃ流行ってるので。私が行ったユナイテッドシネマでは前売券を買った人だけの上映回があったり、入場者特典の配布が公開日から一週間も経たずに終了していたりとすごい人気。劇場版ONE PIECEでもここまでの人気はなかっただろと思うぐらい。これが連載終了作品の人気度か? あとは最終巻の発売を待つばかりで、わずか23巻で終わる作品の人気か? 巻数だけで言ったらハガレンよりも短いというのに何だこの超人気っぷりは。これはさすがに観ないとヤバいのでは? 流行り物といえばシンゴジラも実は観てないんだけど怪獣系にはそこまで興味なかったし。怪獣系に比べればバトル漫画の方がよっぽど興味が持てるし。よしこれを機に作品名しか知らなかった「鬼滅の刃」にちょっとふれてみるか。ピクシブ百科事典でざっと予習してからな!
ということでピクシブ百科事典さまにお世話になり、「鬼滅の刃」の大まかな世界観と独自の用語と『無限列車編』に登場するキャラクターの立場や能力を予習してから、レディースデイの上映スケジュールを確認していざ映画館へ。どうせ観るならIMAX版で。もうこれからは、新作を観る場合はIMAX対応作品のみにしよう。たとえつまらなくても迫力だけは保証されるから。
原作を知らない人による『無限列車編』の感想
ここまで前フリでしたがここからが本題! 原作を知らない人による劇場版の感想をお送りします。原作ファンの方からすると的外れだったり不快だったりするかもしれませんがあしからず。主な感想を箇条書きすると(⬇︎)
・報われなかった魘夢がかわいそう。
・主人公よりも煉獄さんが活躍する話だった。
・味方は全員が刀使いなのでちょっとつまらない。
・戦いを目的とするのが化物で、戦いを手段とするのが人間なのだ。
以上です。以下ではもう少し詳しく。
報われなかった魘夢がかわいそう。
まあ「魘夢」というキャラクターは十二鬼月という幹部たちの中でも下弦という弱い立場らしいし、服装と戦法からして最強クラスの敵ではないのだろうなと思っていましたが。それでも映画を一本作れるぐらいに深みのある悪役なんだろうな、キャラデザは好みだし楽しみだなと思っていたら、なんと途中退場。魘夢が倒されてもエンディングにはならず、2体目の鬼が襲来。しかもその鬼が魘夢よりも格上のうえに、主人公とは戦わず、日が昇る前に逃走して退場。いかにも原作にあるシーンを映画化しましたという感じ。さすがは原作のある映画だ。これが完全新作だったらこんな展開にはならないはず。後半は、最初の鬼よりも格上の鬼vs主人公よりも強い先輩剣士の戦いになり、気がついたら本作の感想は「煉獄さんがすごかった」に。魘夢くんがかわいそうな話でした。完全に噛ませ犬じゃん。初見だと展開自体に驚くから面白かったけど。それにしても。自分の血で印字した切符を用意したり車掌や運転士を抱き込むなど人間の文化をよく知っている化け物ならではの策略を巡らせ、先頭車両の上でなぜか虚空に向かって自分の段取り(能力)を説明口調でつぶやくという、狡猾だけど親切なことをしてくれたのに。おまけに美男子で、半裸まで見せてくれるという大サービス。ここまでしてくれるキャラが噛ませにされるとは哀れな。
主人公よりも煉獄さんが活躍する話だった
先輩剣士の煉獄さんは判断も動きも速くて強いし、鬼の勧誘は毅然と断るし、亡くなる寸前まで凛々しいし。派手な髪と目と刀に加えて実力と人徳も併せ持った、ビジュアルも中身も格好いい人物なんですね。「誰も死なせない」には自分自身も含めてほしかった。「若い芽はつませない」と言っていたけど本人は何歳なんだろ。外見からすると若そうだけど、マンガキャラの年齢は外見では判断できないと思ってピクシブ百科事典で調べてみたら「享年20歳」って書かれてて「ふざけんな」って思いました。独身らしいけど弟さんがいるらしいじゃん。若いうちに死ぬのはせめて兄弟の成人を見届けてからにしろ!鬼滅の刃という作品自体が初見の私にとっては、初見の人が初見で死ぬという驚きの展開だったわけですが、そのせいで印象的な人物でした。自分が後方車両を守るから仲間と二人で鬼を倒せと指示したり、ケガをした主人公の治療をせずに「呼吸」で止血しろと言ったり。後輩を甘やかさない適度な厳しさを持ちながらも、主人公の実力以上の鬼が来たら待機命令を出したり。体育会系の熱血キャラに見えて根性論を振りかざさないとか、煉獄さんは人間ができすぎ。昔の人は心が大人になるのが早いんだな。
味方は全員が刀使いなのでちょっとつまらない
正直、ONE PIECEを読み慣れているとバトルシーンがちょっとつまらないです。ONE PIECE世界での「能力者」は一時代に一人しかいないので、同じ能力を持った先人から戦い方を教わることはなく、みんな我流の戦法で戦っています。この点は主人公も敵も同じなので戦法が幅広く、見ていて楽しいです。一方の鬼滅の刃は、主人公が属する組織の人たちが剣士なので流派があり、基本的に先輩から技を教わるようです。主人公も、仲間の二人も刀使い。このせいで原作未読だとエフェクト以外では技の区別がつかず、流派のちがいもイマイチわからず、モーションが似ているのでバトルシーンを見ていて少しつまらなかったです。ものすごく失礼ですが印象としては全員がゾロみたいな。戦闘シーンが地味。ただ、主人公vs魘夢戦や煉獄さんvs上弦の鬼戦のアクションの速さはすばらしいと思いました。これは確かに人外の戦いですわ。
戦いを目的とするのが化け物、戦いを手段とするのが人間。
煉獄さんを勧誘した上弦の鬼は、何百年でも戦い続け、もっと互いを高めようと言いました。鬼の全員がこうなのかは知りませんが、少なくとも「アカザ」と名乗ったこの鬼は戦いが、強くなること自体が目的のようです。そのために鬼になったのだろうか。この鬼の言葉に対して煉獄さんは、人間は老いるから、やがて死ぬから、儚いから愛おしいのだと言い、きっぱりと勧誘を断りました。つまり、煉獄さんにとって戦うことは人生の目的なのではなく、弱い人を守る手段なのですね。こういう問答ってどこかで読んだなと思ったらマンガ「HELLSING」でした。人間は闘争自体を目的にするのではなく、義務だから化け物を倒すのだと言ったインテグラ様と、鬼になることを拒否した煉獄さんが少し重なります。どんな世界であろうと、役割が似ている人物は価値観も似るようです。戦い自体を目的とするのが化け物で、戦いを手段とするのが人間なのでしょう。体の構造や出自が問題なのではなく、心や精神構造の問題かと。平和を愛する心があればみんな人間だし、戦い自体が目的になれば化物に近づいているのだと思います。殺人鬼とか好戦的すぎる人は心が人外なのかもしれない。
最後に。失礼ながら、原作を知らない人にはあまりおすすめしません。魘夢のキャラデザがめっちゃ好みだという人以外は。
以上。とりとめもなく感想を書いてみました。関西でもアニメが放送されるそうなので、機会があれば見てみようかと思います。