今週のお題「赤いもの」
私が赤色嫌いだったのは小学生の頃で、赤色嫌いを克服したのは中学生の頃だった。
私が赤色嫌いだったのは、ランドセルの色だったから。私が小学生だった当時、ランドセルの色はまだまだ保守的だった。男子は黒で女子は赤という時代だ。ランドセルを不自由の象徴みたいに思っていた私はランドセルが嫌いだった*1ので、ついでに赤色まで嫌いになったのである。毎日自分の背中に張り付いている、強制的で不愉快な色を、わざわざ着る意味がわからなかった。ランドセルを背中から下した後も赤色を身に着けているなんて不愉快極まる。女子=赤系統の色を好むという刷り込みのようで嫌だった。私が好きだったのは、空のような青系統の色だ。長じた私がブルージーンズを好んではいているのは、青色が好きだから*2である。
今では赤色の服が好きだが、持ち物を全部赤色にするほど赤色にのめりこんだわけでもない。赤色が女子のランドセルを連想させることには変わりないから。しかし、赤色の服をわざわざ着るなんて考えもしなかった頃の私には戻らない。世の中にはランドセルや信号機以外の、強制されない、不愉快ではない赤色もあることに気がついたからだ。
私にとってそれは、ポケモンの悪役「マグマ団*3」が身に着けていた赤だった。マグマ団はコスチュームのデザインよりも、リーダー(ボス)のマツブサ氏が好きだった。生まれて初めて赤髪のキャラが好きになった。彼のおかげで私は赤色嫌いを克服した。悪役の彼は目的のためなら暴力さえ辞さない。彼が率いるマグマ団は天変地異を求めているので、常識や道徳から自由だ。自由にふるまっている彼らが赤色を身に着けていたことで、私は赤色が嫌いではなくなった。彼らにとって赤色は強制される不自由の象徴ではなく、自由意志で選んだ団結の象徴である。だから私は赤い服が好きになった。オメガルビー版の彼らは赤いタートルネックを着ているので、普段着で赤いタートルネックを着るだけで雰囲気を似せられて楽しい。
以上、赤色が嫌いだった私が、赤い服が好きになるまでの話でした。