ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

『マッドマックス 怒りのデスロード』観た。世紀末というより暴力的ディストピア。

ポストアポカリプス映画観てみた第2弾、今回は『マッドマックス 怒りのデスロード』です。この映画の基本情報はこちらをどうぞ(⇩)

movies.yahoo.co.jp

邦題とリリース年から勝手にリメイク作だと思っていましたが、どうやらマッドマックスシリーズの映画版第4作のようです。だったらタイトルは「マッドマックス4」としておいてほしかったですが、主人公以外の登場人物は新登場らしく、ストーリーは続きものではないようなので、新規客を獲得するためにあえてナンバリングしなかったのでしょう。鑑賞後にウィキペディアを見たところ、ポストアポカリプス系の世界観になったのは2作目かららしい。と、概要はこれくらいにしておいて、そろそろ感想をお送りしましょう。

 

感想。世紀末ものというより暴力的ディストピア

今回鑑賞したおかげで、ネットでたまにみかけるパロディがわかるようになりました。なるほど。敵も味方も主人公も暴力的な映画だったのね。暴力的といっても主人公はトカゲを殺して食べるだけで、女性にはあまり暴力を振るわないのでまあセーフかな。ただ、女性キャラは乱暴に扱われがちなので男女差別反対派の人は観ないほうがいいかも。私はフィクションなら平気派ですし、本作の舞台は核戦争後のポストアポカリプス世界なので仕方ないかなと。主人公の味方になるキャラにも女性がいて、女性の全員が一方的な被害者というわけではないので、少しは女性に配慮しているかと思います。ポリコレに配慮しすぎると作品のリアリティが減ってしまうし、かといってまったく配慮しないと観客の反感を買って酷評されてしまいそうだし、バランスが難しいところですね。世界観は世紀末ものというより暴力的なディストピアもの。まだ燃料や弾薬が尽きておらず自動車や銃やバイクが使える状態なので、文明が滅んだというよりは災害が起きて燃料や水の供給が少なくなった感じ。資源の奪い合いこそ起きていますが、文明が滅んだ感じは受けませんでした。国家や警察機関が消滅して法律による秩序が崩壊し暴力主義がはびこった結果、男女不平等な社会になった印象。古代社会とはちがって身分制度がなさそうなところは良い。人員の配置はボスの采配によるらしく「大隊長」という幹部にも女性がいます。暴力的なのはいただけませんが、本物の封建社会よりは柔軟そうなのでまだマシかも。

意外だったのは電子楽器(エレキギター)がまだ使われていること。スピーカーもまだ使えるようです。敵の走行中に流れているBGMはキャラクターが実際に演奏しているという設定は面白い。それに、まるでサーカスの曲芸みたいな攻撃方法も見せてくれます。ただのカーチェイスではない。これは面白い。この映画が有名になったのもうなずけます。背景はほぼ荒野で、色彩は全体的に黄土色。『ザ・ウォーカー』を観た時も思いましたが、画面から色彩を減らすとポスアポっぽくなるんですね。絵面がカラフルだと華やかすぎて嘘くさい。全然滅んでないやんってなる。だから色数を減らしているのでしょう。ポスアポ映画を観てわかったのは、音楽と色彩も鑑賞してこそ映画鑑賞だってこと。映画音楽はただ観客の感情を盛り上げるためにある小道具でわざとらしいと思っていたのですが、今回のように登場人物が演奏していたり、レコードやラジオから流れている状況の曲なら好きだと気づきました。BGMは観客にしか聞こえておらず登場人物たちには聞こえていないと思うとフィクションくさいですが、観客と登場人物が同じ音楽を聞いていると思うと臨場感があって良い。

感想はこんなところです。人間の女性に搾乳機がつけられていたりと衝撃的なシーンこそありますが(小難しいことを考えなければ)娯楽映画です。フィクションであれば暴力的でも男女不平等でも平気な人は観てみて損はない。有名になる映画にはそれなりの理由があるのだと思わせてくれました。

 

以上、世紀末というより暴力的ディストピア映画『マッドマックス 怒りのデスロード』を観た件をお送りしました。