ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

「映像研」のアニメが終わった後だけど金森さやかについて語る。顔も行動力も素敵。

特別お題「わたしの推し

注:この記事は2021年12月26日に初公開したものです。これを編集してタグをつけ、再投稿しました。既読の方はブラウザバックしてください。

 

 年内最後の放送が終わった。年明け、あと2話で『映像研には手を出すな!』のアニメが終わってしまう。再放送として見ている人からすれば名残惜しくはないのだろうが初見の私としてはさみしい。特に、色と声がついた金森さんが観られなくなるのは残念だ。田村睦心さんの声があの顔にとても合っているし、金森さんの顔は絶妙に可愛いと思う。まずは薄い色素。グレーぽい髪と目の色がたまらない。そこにそばかすとジト目と常に歯が見える口がついているのだ。可愛い。こういう顔の男子キャラは珍しくないのだろうが女子でこの顔は珍しいのではないか? 女子キャラであえてこの顔にしてくれた大童先生には大感謝である。

 では、金森さんはなぜ絶妙に可愛く見えるのか。それは金森さんの顔パーツに統一感がないからだと思う。

 薄い色素(病弱)+そばかす(元気な日焼けっ子)+ジト目(皮肉屋)=金森さん、なのである。素人考えだがこの顔パーツのまとまりのなさは天才的だと思う。もし私がオリジナルキャラクターをつくるとなったら、色素が薄いキャラにあえてそばかすを組み合わせようとは考えないだろう。私の中では色素が薄い=病弱なキャラなので、活発な性格やスポーツマンを連想させるそばかすと組み合わせることはそもそも思いつかない。そばかすとジト目の組合せだって思いつかないだろう。そばかすの子は活発な性格をしているから細かいことは気にしない。それなら、言葉で相手をやりこめようとはしないだろう。だから私はそばかすと、皮肉屋の要素であるジト目は組み合わせない。それじゃあジト目と歯の見える口は相反しないのかと問われればこれは、私の中では相反しないのである。変化の少ないデザインの口を動かしてしゃべらせているアニメーションはすごいと思うが。固い歯で柔らかな舌が隠されているあの口は、人前では弱みを見せない金森さんの性格を象徴しているように見えてしっくりくる。皮肉屋はあまり感情を表に出さないイメージがあるので、あのジト目と歯の見える口は最適のコンビだ。

 金森さやかの魅力は顔だけではない。口の悪さや、時に拳を振るう乱暴さ、高い身長も魅力である。以下、順に解説していこう。

 彼女は口が悪いといっても誰かを貶めること、悪口は言わない。しかし「〇〇を✕✕する人間は嫌いです」とハッキリ言ってしまう。それで離れていくような人間とはつきあいたくないという強い意志を感じる。高1にしてこの心の強さはすごい。金森さんは自分の半分ぐらいの年齢で、そもそもフィクションの人物なのだが心の底から尊敬してしまった。無責任な観客の私としては金森さんの将来が楽しみでならない。物言いがはっきりしすぎて「なにあれ感じ悪い」などと陰口をたたかれそうだが、彼女ならばすべての陰口を華麗にスルーして、噂話が飛び交う給湯室も余裕で生き抜くだろう。彼女が上司になった日には、顔が怖いので話しかけづらく相談しにくかったけど話してみたら意外と面倒見がよくて自分のミスを素直に認めて部下にも抵抗なく謝ってくれるうえに皮肉抜きで改善点を教えてくれる神上司になる予感がする。「第一印象は怖いが実はいい人」という人物評価になりそうだ。つきあいが長くなればなるほど魅力がわかってくる、スルメのように味わい深い性格の人物である。

 金森さんの乱暴さ、時には暴力も辞さない実行力も尊敬に値する。金森さんは心だけではなく身体まで強い。自分の高身長な体格と筋力から出る力が強いことを自覚しているのであろう彼女はむやみに暴力を振るわないが、壁を突き破り、人の脳天にゲンコツをくらわせたこともある。引き戸を足で蹴って開けるなんて序の口だ。屋根にハシゴをかけるため壁に体当たりして穴をあけ、最短ルートで仲間のもとへ向かう。そこまでして助けようとするほど大切な仲間でも、言う事を聞かずダダをこねる場合は迷いなく拳をお見舞いする。相手に悪気がある場合、拳を振るっても人間関係は壊れないと計算しての行動だろう。この計算高さと実行力は将来きっと彼女の身を守るのに役立つ。いつか都会で就職して一人暮らしを始めたら、自分の身は自分で守らなければならない。一人で夜道を歩くこともあるだろう。その時「余計なことしやがったらブン殴るぞ」という殺気をまとって歩けば安心だ。彼女なら冗談抜きで殺気がまとえるだろうし、実際に襲われたら全力で反撃できるだろう。自分を襲ったバカな男の股間に靴底をめり込ませ、悶絶して倒れた男の背を踏みつけながら淡々と通報し、通話を終えて男を見下ろし睨みつけながら警察の到着を待つ、などというシーンが容易に思い浮かぶ。

 金森さんは高い身長も相まって、色素の薄さに反した存在感がある。原作未読なので彼女の具体的な身長は知らないが、映像研の他のメンバー、特に浅草氏との身長差が大きく、浅草氏を守りながら支える存在としてデザインされたことがうかがえる。フィクションのキャラクターの場合は知能が高い=細身で背が高い印象があるので、彼女の体格を見れば額の眼鏡がなくても頭脳派キャラであることは一目瞭然だろう。彼女は作中で金とスケジュールの管理を担っており、将来は経理部か制作進行の職に就きそうだ。フィクションの世界で高身長だと頭が良さそうに見えるうえに、主人公との身長差に萌えられるので一石二鳥である。

 さて。ここまで長々と書いてきたが、金森さやかの魅力をまとめると

・まとまりのない要素がまとまっている奇跡的な顔立ち

・嫌いなタイプを表明してしまう意志の強さ

・時には暴力も辞さない実行力

・主人公の保護者的な高身長

以上である。要するに「金森さやか」というキャラクターは外見も行動も両方とも魅力的なのだ。大童先生、彼女を生み出してくれてありがとう。

 

以上、2000字ほどかけてアニメ版の金森さやかについて語りました。