ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

スキー合宿でカメ虫を助けたことしか覚えてない。

今週のお題「冬のスポーツ」

 

ウィンタースポーツの思い出らしい思い出は中学で行ったスキー合宿しかない。しかもこれは部活ではなく学校行事なので強制参加だった。この合宿ではスキーの習熟度別にグループ分けされる。スキーは完全に未経験の私は当然ながら初心者グループである。ちゃんとプロのインストラクターがついてくれたので、優しく丁寧に教えてもらえた。おかげで合宿が終わる頃には運動神経が鈍い私でも、ゆっくりと、ハの字の形でなら滑れるようになった。鈍いとはいえまだ中学生なので少しは筋力があるし、精神的にも適応力があったのだと思う。生まれて初めて乗ったフォークリフトは恐かったが、2人乗りだったので隣にはインストラクターさんが乗ってくれて、なんとか恐怖心を克服することができた。やる気ない+怖がり+運動オンチの私を相手にスキーを教え、なおかつ少しは滑れるようにしてくれたのだから、プロは本当にすごい。スキー好きな人が増えてほしくて働いているのかもしれない。職業インストラクターになるような人はきっと、ガチでスキー推しなのだろう。

スキー体験以外の記憶は、修学旅行と似たようなものだ。自分のバッグから未使用の下着をみつけられなくて、やむなく使用済みの、汗でぬれた下着をきたら風邪っぽくなったことだけは覚えている。この他に特にスキー合宿らしい思い出はなく、まだ生きた虫が平気な頃だったので風呂場に侵入した虫を窓から外に逃がす係をしていた。今と違って無駄な殺生はしない主義だったのである。

風呂場でみつかるのはカメ虫ぐらいだった。ありふれた虫だし、たぶん毒も無かろうし、黙って外に逃がしてやれば無害だろうし、大騒ぎするような相手ではない。なのにこの女子どもはなんでそんなにきゃあきゃあ叫んでいるのか、私にはさっぱりわからない。当時の私は虫よりも幽霊のほうが怖かったので、虫が出る風呂場よりも、自分の家ではないところで寝ないといけないことのほうがよほど憂鬱だった。だから私は女子ではなく虫のほうを助けていたのである。いくら臭いカメ虫とはいえ人間に生きたまま踏みつぶされるのはかわいそうだし、得を積めば幽霊に遭遇しないで済むかもしれないと思った。クモを一匹助けただけでオシャカ様にクモの糸をたらしてもらえるのなら、カメ虫を助けて幽霊から守られることも、ありえないとは言えない。こういう利己的な下心で、私はカメ虫を助けていたのである。どんなに利己的な理由でも生き物が助かるのは良いことだ。あのカメ虫の子孫は今も生きて繁栄しているだろうか。

 

以上「スキー合宿でカメ虫を助けたことしか覚えてない」をお送りしました。