今週のお題「ちょっとした夢」
小学生の頃から人間より本が好きだった。本は出版社でつくられていて、出版社では人間が働いていて、本をつくっているのは人間だとわかった後でも、人間より本が好きだった。だから人間よりも本に囲まれて暮らしたかった。
そんな私は図書室が好きだった。どっちを見ても本まみれの空間だから。実家には「本の部屋」と呼んでいる部屋があり両親の蔵書があったし、トイレ前の廊下にまで本棚があった。そんな家庭で育った私でも図書室には感動した。家よりもはるかにたくさんの本があったから。家の本棚もこれぐらいあったらいいのになあと思いながら『はてしない物語』を読んでいたのを覚えている。
そんな私は大学生になり一人暮らしになっても部屋に本棚を置いていた。床面積の限られたワンルームなのにスライド式本棚を置き、金と暇にあかせて中古の「こち亀」単行本を100巻以上まとめ買いして収納したのも良き思い出だ。学生時代には新刊書店だけでなく、新古書店にもお世話になった。
大学を卒業した私は実家に戻った。そして本棚を増設した。それも、組み立て式のものを4本も。なぜ4本も増やしたのかというと、壁2面を丸々、本棚にしたかったからだ。本当は3面とも本棚にしたかったが、そうすると他の物が置けなくなるので泣く泣くあきらめた。
ここまで読んでくださった方は当然ながら、4本すべての組み立て本棚に本が詰め込まれたと思うだろう。しかし実際は、そんなことはなかった。ネット古書店をしていた頃には出品した古本を置いていたので、正しい意味で「本棚」だったのだが。ネット古書店を廃業してからは私物置き場と化した。書類やCDやゲームソフトだけではなく衣類まで収納するに至り、衣替えから解放されるのと同時に「ワードローブの可視化、最高!」と浮かれた。何であれ全量がすぐに把握できるのは良いことだ。
そんなこんなで、壁一面どころか壁2面が本棚になっている部屋で暮らしている。よく言われる「壁一面の本棚」は少しの金と労力で実現できるのだ。組み立て式なら完品よりも安いし、背板をつけなければ光が通って明るく、中身が見えやすい。本棚を置くと壁面で反射する光が減って部屋が薄暗くなる問題は、背板をつけないことで解決する。みなさんもお試しあれ。
ということで結論。私の小さな夢「壁一面が本棚になってる部屋で暮らす」はもうすでに実現している件でした。本棚でワードローブ管理している件は別記事でどうぞ(⇩)