今回の記事タイトルはビデオゲームに興味のない人にはまったく意味がわからないと思うので一応説明しておくとADVはアドベンチャーゲームの略称で物語を読むのが主体のゲームジャンルのことです。DLCはダウンロードコンテンツの略で本編とは別売りのアイテムやコスチュームなどを指します。たとえば主人公の着せ替えができるゲームの場合、本編中では手に入らないコスチュームをあとから販売し、プレイヤーに購入してもらう。これがDLC商法です。格闘ゲームの場合はコスチュームどころかキャラクターまでDLC販売されることがあります。この商法を強烈にしたものが、いわゆるバージョン商法です。たとえば「ポケットモンスター」シリーズでは、登場するポケモンにちがいのあるソフトを同時に2本発売しています。すべてのポケモンを集めたい場合は他のプレイヤーとポケモンを交換するか、あるいはソフトを2本とも買ってください、という売り方です。この他にバージョン商法で感動したソフトといえばニンテンドー3DSの「ファイアーエムブレムif」でした。主人公が、ふたつの王国のどちらにつくか選択した結果のルート分岐を、一分岐につき一本のソフトとして販売。その結果「ファイアーエムブレムif」は、主人公が生まれた国につく「白夜王国」・主人公が育った国につく「暗夜王国」・戦争の元凶を倒す「インビジブルキングダム」の3バージョンが販売されることになりました。私はポケモンシリーズのプレイヤーなのでバージョン商法には慣れていたものの「物語の分岐そのものを別バージョンとして売るのすごくない!?」と感動しました。なにぶんストラテジー系は初めてでしたので、この商法がこのジャンルで一般的なのかどうかもわからず。「白夜王国」と「暗夜王国」だけプレイして、第三のルート「インビジブルキングダム」はプレイすることなく離れることになりましたが、それにしても印象的な商法でした。
これに対して、今プレイしている「AI ソムニウムファイル」は続編こそ出ているもののバージョン商法は採られていません*1。別バージョンを出せるようなジャンルではないから出していないだけなのかもしれません。しかし、その気になればDLC販売は可能なのではないでしょうか。調べてみたところ続編の「ニルヴァーナイニシアチブ」ではキャラクターを着せ替えるコスチュームを販売しているようです。しかしストーリーのDLCはない様子。第一作「AI ソムニウムファイル」にもDLCはありません。実を言うとこの点が不満なのです。プレイしてみてわかったのですが「AI ソムニウムファイル」は連続殺人事件を追うミステリーでありながら犯人がはっきりしないルートがあります。一部の登場人物がそこそこ幸せなエンドを迎えますが、事件の真相には迫りません。4人も3人も死ぬルートでありながら真相に迫らないとは何事か。真相を知るよりもキャラクターを愛でたい人にはウケそうですが、2大分岐の片方が丸々サイドストーリーとは予想外でした。真相に迫らない分岐は別売りでよかったのでは!? 各キャラのそこそこ幸せなエンドが見たい人だけが買えばいいのでは。本編のルートが真相編だけならばデータ容量が減ってダウンロード版の販売価格を半額にできたのでは…と、こんな思いが去来しました。失礼ながら本心なのです。真相に迫らない分岐にかけた時間がちょっともったいない。私はキャラクターも好きなので少しは楽しめていますが、それでも「時間を返して」と思うことがなきにしもあらず。ADVは物語が命なのはわかるのですが、もういっそサイドストーリーはDLCで別売りにしてくれませんか!? キャラ別に「〇〇編」としておけばキャラ推しの人が買ってくれると思うんですよ。箱推しの人なら全キャラ分買ってくれますよ。だからどうか…ADVのメーカーさま、真相以外のキャラ別エンドは全部DLCにしてください! お願いします!
以上、サイドストーリーは全部DLCにしてほしい件をお送りいたしました。「AI ソムニウムファイル」を一通りクリアしたら総評をお送りするのでお楽しみに。
2025/8/30追記:4人以上死ぬルートは「全滅編」のようです。真相に迫らないルートの死者は3名でしたので訂正しました。
*1:ダウンロード版とパッケージ版はありますが、これは流通形態のちがいですのでノーカウント。