映画『8番出口』がすばらしかったので小説版を読んでみました。ビジュアルのない媒体であの通路をどう表現するのかみてみたくて。小説版の「ご案内」には「小説で明かされる秘密を、決して他人には言わないこと」の一文があり、公式にネタバレ禁止のようですが。ネタバレなしでどこまで書けるか挑戦したいのと、今のところ他のコンテンツを摂取していなくて記事のネタがないので、苦し紛れに小説版『8番出口』について書いているしだいです。正直なところ「小説で明かされる秘密」がどれを指しているのかわからないので、もしかしたらうっかり「秘密」にふれてしまうかもしれません。しかしここはブログ。全体公開設定になっているブログに記事を投稿する=公表すると捉えることはできますが、口頭で伝えるわけではないので「言う」には該当しないのではないか、という言い訳は用意してあります。我ながら周到だぜ。ということで、以下、できるだけネタバレを避けつつ小説版『8番出口』の感想をお送りします。
小説版『8番出口』感想
電子版(kindle版)で読むと本文は147ページしかない。長編ではなく中編というべきボリューム。当然ながら全8章で構成されているが過不足のない絶妙な文字数。原作ゲームや映画版抜きに成立するほど強い独立性は感じないものの、映画の内容をそのまま小説化したわけではない。もっとも興味深い点は、映画とちがって登場人物の一人称視点で書かれていることだ。主人公の「迷う男」はもちろんのこと「少年」と「歩く男」の視点でも書かれており、映画ではわからなかった心情が伝わってくる。歩く男がワイシャツとアタッシュケースを身に着けていながら上着を着ていない中途半端な装いなのは私的な用事のためだったこと。「俺は悪くない」というつぶやきはあの場限りのものではないことがわかり「歩く男」になる前の「おじさん」の性格がわかってよかった。他によかった点は、映画では活用されなかった小物も活用されたことだ。せっかく原作ゲームにはない物体を通路に設置しておきながら映画では使われなかった物もある。小説版ではそれが活かされており、なかには「これはむしろ映画で見たかった!」と思うほど視覚的な表現もある。再び劇場版をつくるのが難しいのであればショートフィルムでもいいので別のバージョン、主人公が変わったバージョンが観たい。そして、次こそループものの真骨頂が観たい。これを小説で描くのなら、主人公が「迷う男」から「歩く男」になり、次の挑戦者が「前方から〇〇を着て××を履いた男が歩いてきた」と独白することによって主人公が通路に取り込まれたことを匂わせる一文でしめられるバージョンが読みたいのだが…自分で書けばいいのか。二次創作になるが。実を言うと小説版に触発されて二次創作欲がわいてしまった。今プレイしているゲームの推しキャラ(普段は自家用車で移動している)が、道路の封鎖によってやむなく地下鉄に乗ることになってしまい、家の最寄り駅に着いて改札を出て、地上への出口に向かっていたはずなのに件の通路にいた…なんて展開のものが書きたいと思っている。思っているだけだが。『8番出口』のメディアミックスは小説が先で映画が後らしいが、もしかしたら、映画の公開を機に二次創作が増えているのかもしれない。ついでに言うと、3D酔いで投げ出した本編を自力でクリアしてみたくなった。『8番出口』は偉大なコンテンツだ。
以上、小説版『8番出口』読んでみた。むしろ映画でみたいシーンがあった件をお送りいたしました。kindle版のほうが紙の書籍より安いのでオススメ。リンクはこちら(⇩)