大人になるにつれてキャラクターグッズを買う頻度が落ちた。最近はめったに買わない。それというのも「買った後のこと」まで考えるようになったから。もう「かわいい」だけではグッズが買えない。だから私はマスコット(ぬいぐるみ)の類を買わないし、友達にプレゼントすることもない。経験上、マスコット類は処分に困る。ぬいぐるみをゴミにするのは罪悪感があるが、引き取ってくれる業者は少ない。かといって、いつまでもマスコットやぬいぐるみを持ち続けていられるわけでもない。いつかは飽きるし、収納スペースの限界だってある。友達からもらったぬいぐるみやマスコットでも、私は容赦なく処分*1した。こんな手間をかけるぐらいなら、もうマスコットは買わないでおこうと思った。ついでに言うと、実用性が低い物も買わないようにしている。例えばぬいぐるみポーチ。ふわふわの生地でキャラの顔が刺繍してあったりしてかわいらしい物もあるが、中身は見えないし鞄のなかでの収まりが悪そうだ。おまけにポーチはしょっちゅう触るから、すぐに手垢で汚れそうでもある。いわゆる「ぬいぐるみポーチ」を贈るなら、洗い替えも含めて贈るべきではないか。最低でも2個は贈らないといけないだろう。洗濯できないと不衛生だから。ビニール製のポーチなら1個だけでも贈れるが、あまり頻繁に贈っていると「そんなにポーチばっかりいらないよ」と言われそうだ。ポーチひとつでもこんなことを考えるのだから、他の物はおしてしるべし。キーホルダーはマスコットの仲間なので最初から却下。Tシャツはユニクロよりも高いので却下。トートバッグは使い勝手が悪そうなので却下。ステッカーは貼る物がないので却下。お菓子は食べたら終わりなので却下。この歳でヘアピンなんかつけられないので却下。化粧直しはトイレに行けばできるのでスライドミラーは却下。このように次々と却下していくと、文房具とハンカチぐらいしか残らない。出先で思わぬポップアップショップをみつけてワクワクと近づいても、売り場を一周する頃には非実用的な品々にうんざりし、ハンカチかボールペンを買って帰ることが多い。そのおかげでペン立てのボールペンとハンドタオルのコレクションばかり増えていく。友人へのプレゼントだって、最近はボールペンかハンカチばかりだ。同年代の友人へ、他に何を贈れと? 非実用的なプレゼントはありがた迷惑だろう。他人からのプレゼントは捨てにくいから。物理的にではなく、心情的に捨てにくいのだ。品物と一緒に送り主の気持ちも捨てるような気がする。だからできるだけ、ゴミではなく中古品として処分している。これがまた手間なのだ。正直な話、むやみとプレゼントをもらいたくない。好みが固まってきた今となっては、趣味に合わない物をもらっても困るだけだ。幼少期は親からのプレゼントに愛情を感じて嬉しかったが、自分で自分の物を買うようになってからは、むしろプレゼントはいらなくなった。私がこうなのだから、同年代の友人だって同じだろう。十代の頃のように、表面上は笑顔で「かわいいね! ありがとう!」なんて言いながら内心で「こんなモンいらねー」と思うのはうんざりだ。だから私はボールペンかハンカチを贈る。大人に贈るキャラクターグッズは、かわいければいいというものではない。だから大人はキャラクターグッズが買いにくい。
以上、非実用的なキャラクターグッズに立腹している件でした。
*1:注:ゴミにしたわけではない。専門業者あてに郵送した。今頃は誰か他の持ち主がみつかっているはず。