今週のお題「感動するほどおいしかったもの」
学生時代、おいしさに感動したものといえばラーメン。大学への進学を機に一人暮らしを始め、初めてお店でラーメンを食べました。家族の外食でラーメンを食べた覚えはありません。家族で食べるラーメンといえば「好きやねん」などの袋麺。ラーメンとはスーパーで買うものと認識していました。学食には唐揚げがトッピングされた、その名も「からあげラーメン」なるメニューがあったので試しに食べてみたことがありましたが、いかにも学食という味で感動はせず。学食は外食ではありますが、お店のうちには含まないでしょう。ということで、私が初めて食べた「お店のラーメン」は京都の「天天有」です。通っていた店舗は四条烏丸店。地階でラーメンを食べてから、3階にあるミニシアター「京都シネマ」に上って映画を観ることもありました。映画の鑑賞料金はシネコンと大差ありませんでしたが、それでもたまに観ていました。京都シネマにも学割があったおかげです。京都シネマがなければ、私はミニシアターという概念すら知らないまま卒業していたことでしょう。ミニシアターでありながら学割してくださってありがとうございました、京都シネマさま。ハリウッド系でもエンタメ系でもない、社会派の映画を観てみようと思えたのは学割が効いたからこそです。京都シネマさまには、末永く営業していただきたいと思います。
閑話休題。ミニシアターからラーメンの話に戻りましょう。なにぶん初めての店ラーメンだったのでよそと味を比べたわけではありませんが、とにかくおいしかったのを覚えています。いつも注文していたメニューは「中華そば 鶏白湯ラーメン」でした。汁は透明度が低いのでこってりしていそうに見えますが、見ためよりはあっさりしていて飲みやすかった。チャーシューは薄めでしたが脂っこくはなく、刻みネギを包んで食べるとさらにすっきりして食べやすく、4枚でもペロリと食べられました。汁と麺の脂っこさに口が疲れてきたら、メンマかモヤシで一休み。気がつけば、ネギを包んだチャーシュー⇨麺⇨メンマかモヤシというルーティンができあがっていました。ルーティンができあがって食べる順番に迷わなくなってからは、ますますおいしく感じるように。初めて食べた時の新鮮さを感じなくなる頃には、食べなれた安心する味になっていました。「天天有」四条烏丸店は小さなお店で、カウンター席しかありません。木製カウンターの前には床に固定されたイスが並んでいて、まるでバーのようでした。BGMもラーメン店とは思えないオシャレさ。あくまでもラーメン店でありながらも通いたくなる、素敵なお店でした。観光地から離れた立地もよかったのでしょう。観光客が来ている様子はなく、静かでおちついたお客さんが多かったのも、気分よく通えていた理由です。私のラーメンの思い出は、あのお店の空間や雰囲気とともに記憶されています。
この記事を書くために初めて「天天有」の公式サイトを確認したところ、まだ四条烏丸店は営業なさっている様子。学生時代に通っていたお店がお元気だと嬉しいですね。みなさま、四条烏丸付近にお越しの際には、ぜひ「天天有」にお立ち寄りください。所在地など詳しい情報はこちらをどうぞ(⇩)
以上、京都のラーメン「天天有」をおすすめいたしました。みんな、たまにはお店でラーメン食べてみ?
追記:ここ二日ほど苺の記事がトップページに掲載されていた効果で読者さまが大幅増(当社比)! みなさま、登録ありがとうございます。食べ物エッセイは少なめですが、末永くおつきあいいただければ幸いです。