ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

漫画『ヘテロゲニア リンギスティコ』 若き言語学者が魔界でモンスターの文化を学ぶ。ワーウルフのススキちゃんが可愛い。

目次

 

今回、ご紹介するのは、瀬野反人さんの漫画「ヘテロゲニア リンギスティコ ー異種族言語学入門ー」です。若き言語学者が魔界に1年間滞在し、現地語を学ぶというお話。ファンタジー好き・考察好きな方にはぜひ読んでほしい作品です。以下、アマゾンへのリンクを兼ねた表紙の画像。

右にいる緑の服を来た青年が、主人公の言語学者ハカバくん。

左にいる獣人少女がススキちゃん

それでは以下、この作品を解説しながら推していきます。

 

主な登場人物(登場種)

ハカバ:主人公。職業は言語学者。腰を痛めた教授にかわって、気球で魔界にやってきた。目的は現地語(モンスター語)を調べて記録すること。日々、現地の文化(魔界の文化)にふれ、異種族の言語をマスターするべく奮闘している。先入観はあるが偏見はない。

ススキ:人間とワーウルフの混血児である少女。母親とともにワーウルフの村で暮らしている。父親はハカバの恩師である老教授。ワーウルフ語と人間語の両方を話せるバイリンガル。手先が器用。今回の旅の現地ガイドで、ハカバの旅に同行し、ハカバに現地の言語と文化を教える。

教授:ハカバが持っている覚え書きを書いた言語学者。主人公ハカバの恩師で、ススキの父親。気球から落ちて腰を痛めたので魔界に来れなかった。若き日にワーウルフの村を訪れ、ワーウルフの尻まで嗅いだ*1という、やる時はやりきる人。

ワーウルフ:2足でも4足でも歩ける狼。音声と臭いで会話し、相手の顔をなめて挨拶する。毛皮があるので服は来ていないが、混血児のススキは例外的に服を着ている。伝説のようにむやみと人を襲うことはない。死者の毛皮を剥いで利用する習慣を持つ。

リザードマン:ワーウルフからは「大きなあご」と呼ばれている種。2足でも4足でも歩ける大トカゲ。寒さに弱いのかして毛皮をはおっているが、両性ともに服装は同じ。色覚が発達しており、顔料を使って「色文字」を書く。

クラーケン:海辺の集落でリザードマンやワーウルフと交流している巨大なタコ。相手によってコミュニケーションの方法を変えてくれる親切な種。体色を変化させて岩に擬態することができる。

ハーピー:伝説のように半人半鳥の姿をしているわけではなく、ワシのような姿をしている種。当然ながら空を飛べる。同種間では音声で会話しているが、異種族とは身振りで会話する。動きが早くて複雑なため、異種族が長くハーピーと話すと非常に疲れる。

人間:村に現れたワーウルフを見てモンスターだと言い、交流を試みなかった野蛮な種。戦時には、敵対した種を「文化・文明を持たない」「野卑で残虐」「善性なき獣」だと断じた。自分たちと姿形が異なる種を極端に恐がり差別しがち。自分たち以外の種にも高い知性があることを認めるような、リベラルな個体は少数派。

 

あらすじ

よく考えたら登場人物ハカバの項にほとんど書いているので割愛。

 

こんな人にオススメ

・ファンタジー系が好きな人

・フィクションの考察が好きな人

・獣人少女が好きな人

・動物全般が好きな人

・人間の偏見の源が何なのか知りたい人

以下、それぞれについて解説。

 

ファンタジー系・フィクションの考察が好きな人について:ファンタジー好きと考察好きがこの作品の主なターゲットなのは言わずもがな。異世界言語学系の作品は他にもあることですし、意外と需要がある分野みたいですね。種族がちがうと発声器官の構造もちがうので、発音できない音は発音できる音で代用するとか。そもそも発声できる音域がちがう場合は、音声ではなく身振りで会話するとか。種族を超えた共通語がないので、代用の発音・語を使った混合言語で話しているとか。ワーウルフは笛を吹く時に口を使わず、フイゴを笛に繋ぎ、足で踏んで演奏するとか。よく考えられている設定だと思います。身体構造がちがうんだから、当然そうなるよねっていう。

獣人少女が好きな人について:獣人少女についてもまあ、あまり言うことはないですね。割とメジャーな性癖かと思います。ケモノの擬人化度はどれぐらいが好きか(許せるか)は人によりますが、私はパーツ萌え(いわゆるケモミミスト)なので、耳とシッポはあるけど顔は少女で服を着ているススキちゃんの造形が大好きです。大きくてクリッとした目。黒い体毛。拙い喋り方。かわいいぞススキちゃん

動物全般が好きな人について:このマンガの何がすばらしいって、登場する種があまり擬人化されておらず、動物の特徴というか造形がかなり残っていて動物らしい体つきをしていることですね! ワーウルフリザードマンは2足でも歩けるけど4足でも歩けるし。4足の時は獣らしくてステキ。クラーケンは変に禍々しいこともなく普通の大タコですし、ハーピーはまんまワシ(または鷹)みたいな姿をしていて神秘的ではありません。これはすばらしい。私は、なんでも無闇と擬人化することには反対派です。まあ、本作の異種族の擬人化度が低いのには作者が動物好きだという以外の理由もあるのでしょうが。本作の異種族が、例えば「モンスター娘がいる日常」みたいに半人半獣の姿をしていたら、発声器官と耳の構造が人間と同じになってしまい、他の言語を使う必要がなくなってしまいます。人間が魔界の言語を学ぶ必要がありません。そうなると、この作品の基本コンセプトが成り立たなくなってしまいます。だから本作の異種族は動物らしい姿をしている、というのが漫画的な真相でしょう。

ここまで考えて気がついたのは、「モンスター娘」を半人半獣の姿で描く人は文化摩擦を描きたくないというか、萌えを描きたい人なんじゃないかということ。あまりにも身体構造がちがうと、交流するにはまず言語のすり合わせから始めないといけません。しかし、相手が半人なら人間の音声言語がそのまま使えるので言葉の壁がなく、文化摩擦の描写をすっとばして交流を描けます。つまり、異種族を半人の姿で描くと、萌えを描くハードルが低くなるのではないでしょうか。我ながらこれは大発見のような気がする。この観点で見ると、本作の萌え度はかなり低いですね。半人キャラは今のところススキちゃんしかいないし。まあ、困惑する真面目な青年萌えに走るという手もあるけど。

偏見の源について:動物そのまんま! みたいな外見の異種族を見ていると、彼らを「モンスター」と一括りにしてしまったり、やれ好戦的だの、人を襲うだのというイメージを持つことが、この世界ではいかに愚かであるかがわかります。彼らも人間と同様に、ただ知能が高いだけの動物なのであり、無意味に「野卑で残虐」な化け物のわけではありません。というか、それはむしろ人間どものことだろ。人間は昔、魔界と戦争していたようですが、いかに敵対していたとはいえ、彼らを評して「善性なき獣」だと断じてしまうのはいかがなものか。そういう人間に善性はあったのか。無かっただろう。

異種族に対する数々の偏見はどうして生まれたのでしょうか。ススキちゃんのお母さんいわく、元々あの村にいた人間はワーウルフたちを見て「モンスターがあらわれた!」と剣を向けてきた*2そうです。うーん、実に野蛮な行動ですね。狼と似た外見をしているからといって狼のように襲ってくるだろうという短絡的な発想。おまえは子供か。村人よ少しは頭を使え!

では、どうして村人は狼みたいな彼らに剣を向けてしまったのか。それは「恐かったから」でしょう。作中の現代では魔界の住人にも理性があり、言語や文化を持つことがわかっています。しかし、学者のハカバくんでさえも魔界は「来る前は怖かった」そうです。「でも意思疎通できるワーウルフは恐ろしくはない」「怖さの源は意思疎通できない事だったのかもしれない」と、ハカバくんは日誌に書いて*3います。

少し飛躍しますが、私がここから考えたのは、偏見は恐怖の裏返しなのではないかということ。魔界の住人は攻撃的であるという偏見は、人間が彼らを怖がっているから生まれたのではないでしょうか。きっと現実の偏見、人種差別も似たようなもので、理解できない行動をする◯◯人への恐怖心が、「◯◯人って××だよね」みたいな偏見を生んでいるのでしょう。ただ相手のことをよく知らないから怖いだけなのであって、お互いの文化を知り無知を克服すれば、差別問題は自然に解消されるのではないかと。本作は、差別の源は偏見であり、偏見の源は無知ゆえの恐怖心なのだと気づかせてくれた一作でした。

気がついたらシリアスな話になってしまった。ここらへんでまとめます。とりあえず、かわいい獣人少女と異文化モノが好きな人は本作を買え。

 

以上。瀬野反人さんの漫画「ヘテロゲニア リンギスティコ ー異種族言語学入門ー」をご紹介しました。なかなか面白さを解説しにくい作品ですが、我ながらがんばった。

 

実はウェブで連載されている作品なので、一応リンク(⬇︎)を。 

web-ace.jp

 

こちらはアマゾンへのリンク(⬇︎)

 

※本記事は、2019年10月5日に修正しました。

 

*1:P14 5コマ目 ススキの母、枯れ草さんのセリフより

*2:P15 3コマ目 枯れ草さんのセリフより

*3:P17 1,2コマ目

猫好きの方にオススメな、かわいい缶入りバレンタインチョコ2019年版 ゴンチャロフ「アンジュジュD」

今週のお題「わたしとバレンタインデー」

 

目次

 

今回、ご紹介するのは、かわいい猫柄のチョコ『ゴンチャロフ アンジュジュ 』。

猫好きの方にオススメのブランドです。私がイオンのバレンタインチョコ・コーナーで買ったのは、このブランドのペンケース型缶チョコ。商品名は「アンジュジュD」です。この商品のお値段は税込¥756とお安く、食べたらペンケース型缶が残るのでお得。このブランドと商品ラインナップについては、公式サイトから電子カタログをご覧ください。以下、公式サイトへのリンクです。

 

goncharoff-2019vt.com

 

パッケージと中身


2019年版パッケージ 

f:id:Mee6:20190209193620j:plain

レジでお会計すると、専用の紙袋をもらえます。こちらもカワイイので保存。

ちょっとしたものをプレゼントする時に使いまわす予定です。

フタに描かれている猫が去年よりも増えて4匹に。にぎやかになりました。

去年のイラストは本がテーマだったようですが、今年のテーマは歌でしょうか。

続いて、中身の画像(⬇︎)を。

f:id:Mee6:20190209193711j:plainなんと、フタの内側にまでイラストが!

内容量は去年と同様に10粒です。しかし、今年はミニパンフレットが

ついていません。経費の節約なのか。これは残念でした。

しかし、肉球型のチョコがめちゃくちゃカワイイな!

イチゴ味の肉球チョコは去年よりもピンク色が控えめな気がします。

 

2019年版のチョコレートの味 

それでは、今年の感想を。と言っても、食べていない味もあるのであしからず。

 

白い肉球チョコ:電子カタログによるとロイヤルミルクティー味。紅茶の茶葉が混ぜられており、ホワイトチョコの甘さと相まって、確かにミルクティー味。実はこの味が一番好き。

 

黒い肉球チョコ:電子カタログによると、スイート。ミルクほど甘くないが、見た目ほど苦くもない。一番普通のチョコ。

 

イラストが描かれたホワイトチョコ:電子カタログによると、ミュゼ・マンゴーレモン。中に入っているオレンジ色のペーストがホワイトチョコとよく合っていて爽やか。オレンジに似た味。甘さに疲れたら食べるといいかも。後味はホワイトチョコ味。

 

イラストが描かれたチョコ:電子カタログによると、ミュゼ・アーモンド。中身はアーモンドペースト。ナッツらしき味はするが、個人的には去年のコーヒーガナッシュのほうが好き。

  

以上。ゴンチャロフ アンジュジュより、かわいい猫柄ペンケース缶チョコ「アンジュジュD」をご紹介しました。バレンタインチョコ・コーナーで買えるはずなので、ほしい方はお近くのイオンへGO!

 

備考:くろねこ ろびんちゃんのファンの方へ。本作に登場してるのはろびんちゃんじゃないよ。

宮崎一人さんのオリジナルキャラクターには「くろねこ ろびんちゃん」がいますね。ろびんちゃんは黒猫ですが、ベレー帽をかぶり、首に付け襟を巻いてます。そして、鼻は丸い。これに対して、ゴンチャロフ アンジュジュの黒猫は、ダイヤのマークがついた首輪をつけており、鼻は三角形です。つまり、ゴンチャロフ アンジュジュに出演しているのはろびんちゃんではない! ゴンチャロフ アンジュジュに出演しているのは、アンジュジュという別の黒猫です。このシリーズのチョコを買ってもろびんちゃんグッズを入手したことにはならないので、ご注意ください。

 

 

トップバリュの果汁100%オレンジジュース。濃縮還元じゃなくてストレートだからか、にが酸っぱくて美味しい。

今回、ご紹介するのは、イオンのプライベートブランド「TOPVALU」より、グリーンアイオーガニックシリーズの「オレンジジュースストレート果汁100%」です。内容量は750mlで、お値段は¥298+税。

以下、ウチで撮った現物の画像です。画像のサイズは大きいけど、素敵なパッケージなので見て!

f:id:Mee6:20190124123411j:plain

どうでしょうか。このパッケージ。形は面白いですが、ラベルはシンプルですよね。文字数も、使われている色の数も少なくてスッキリしています。今回もこのパッケージに一目惚れして購入しました。そしたら、これがまた当たりだったのですよ! どうも食品の場合、パッケージが気に入ったものは口に合うことが多いようです。

食品パッケージは、その食品のコンセプトや味のイメージを伝えるべく作られるもの。担当者の方が知恵を絞った結果、このようなパッケージになっているのだとしたら。シンプルなパッケージの商品は、味もコンセプトもシンプルなんでしょう。そして私はシンプルイズベストが信条です。つまり、シンプルなパッケージの食品は私の口に合う。したがって、この商品も口に合うに違いない。そう思って家で飲んでみた結果。個人的にむちゃくちゃ美味しかったです。やったぜ! またしても、パケ買いで当たりを引いたぜ!

 

TOPVALUオレンジジュースストレート果汁100%の味(感想)

苦味が強くて少し酸っぱい。甘味に至っては皆無! 後味が甘くなくてスッキリしています。甘くないのは濃縮還元ではないストレート製法だからなのか、スペイン産オレンジのおかげなのか。果肉の味を濃くしたような味がします。私がグレープフルーツ好きなのは、グレープフルーツはにが酸っぱくて甘くないからです。そして、このオレンジジュースは本当に甘くない。だから好き。私がオレンジよりもグレープフルーツ派だったのはオレンジに甘味があるからであり、甘くなければオレンジジュースでも美味しく飲めることがわかりました。オレンジの香りが口に広がる、まさに私の理想のオレンジジュースです。これならグレープフルーツ派でも飲める。というか、むしろ安いグレープフルーツジュースよりもこのオレンジジュースがいい。それぐらい美味しいのでオススメ。イオンスクエア(旧サティ)でも売ってるかどうかは知らないけど、とりあえずデカいイオンなら売ってるから。もしもご近所でみつけたら、ぜひ一度、お試しを。ただし、カロリーは180mlあたり90kcalあるので、いくら美味しくても一気飲みには要注意です。

 

以上。イオンで一目惚れして買ったオレンジジュースが美味しかった件をお送りしました。このジュースについて、詳しくはこちらのリンクからどうぞ(⬇︎) 

ORGANIC ORANGE 100 オーガニックオレンジジュース ストレート果汁100%-イオンのプライベートブランド TOPVALU(トップバリュ) - イオンのプライベートブランド TOPVALU(トップバリュ)

漫画『コスモファミリア』 作者のハノカゲさん、がんばって!【完結マンガ】

目次

 

今回、ご紹介するのは、漫画『コスモファミリア』。この記事を執筆している、2019年9月に3巻が出てついに完結しました。作者は「魔法少女まどか☆マギカ」のコミカライズでデビューしたハノカゲさんです。以下、リンクを兼ねた表紙の画像。

 

1巻の表紙を飾っているのは主人公のアリスちゃん。

実は大鎌を構えているぞ! 背景やマントと色が似てるせいで目立たないけど!

爽やかな配色なのはいいとして、もう少し視認性を高めてほしかったところです。

 

主な登場人物

コスモフ:何にでも(人の臓器にでも)変身できる宇宙人。ぬいぐるみのような姿をしており人間その他の生物は襲わないが、建物を食べるので一部の人間からは害獣と呼ばれている。3巻で建物を食べまくっていた理由が明かされた。

天川愛里栖(あまかわ・ありす):主人公の少女。16歳。ペットのパピィと一緒に留守番をしている。街をコスモフから守るのが役目だが、街の住人には嫌われている。2巻ではコスモフの力で変身できるようになった。

天川蕾花(あまかわ・らいか):愛里栖(アリス)の母親で、コスモフの飼い主。使用人とともに外出してから6年間、家に帰っていない。コスモフを世界的に暴走させた人物とされているが行方不明。

守宮(いもり):子供の頃、記憶をなくしてさまよっているところを天川家に保護された。現在では天川家の使用人で、料理がうまい。蕾花(ライカ)の護衛を兼ねている。執事の格好をしているが女性で、屋内で猟銃をぶっ放す物騒な人物。

ニクス:コスモフの被害者を保護・治療し、戦闘員にしている組織。現在の目的は、設立当初の目的とは異なっている。作中に登場する構成員はミラ・スピカ・アカネ・シヅキ・チーフと呼ばれるボスのわずか5名。3巻でチーフの正体が明らかになる。

 

『コスモファミリア』あらすじ

母と使用人が6年前に出かけたまま帰ってこないので、ペットのパピィといっしょに留守番をしている少女、天川愛里栖(アリス)。アリスは専用の武器を持ち、街で暴れるコスモフを狩ることで生計を立てていた。

パピィとともにさみしく留守番をしていたアリスはある日、ミラという少女に出会った。ミラはニクスという組織の一員で、コスモフを根絶やしにしたいからアリスに協力してほしいと言う。しかしアリスはこれを拒んだ。母と、家を守ると約束しているからだ。

これを聞いたミラは怒って攻撃してきたが、アリスは「天川ライカ」と「守宮」と名乗る2人に助けられた。アリスが「ライカ」に連れて行かれた先は、近所の古井戸。アリスはライカに古井戸へ突き落とされた。

アリスが古井戸に落ちた先で出会ったのは、自分と同じ年頃の母親と、若い使用人。どうやらここは20年前の世界らしい。アリスはこの世界で少しずつ母とコスモフの秘密を知っていく。

 

半獣化と美少女がお好きな方にオススメ! 百合要素もあるよ!

正直なところ本作は、2巻が出るまではハノカゲさんのファンにしかオススメできませんでした。ゆるふわな設定。描き込みが少ない背景。自分が憎むものの力を使って戦い、憎いものを滅ぼそうとする人が現れるというベタな展開。最近気がついたんですけど、この展開は「敵を滅ぼす手段を作中で開発しなくていい」し、「キャラクターの葛藤を簡単に生み出せる」から、書き手にとってはお手軽で便利なんですよね。こういう作品は減ればいいとは思わないけど、わざわざ増やさなくてもいいと思います。

若い人しか出てこないせいで、年齢の描き分けができないのではないかという疑いを持ってしまったり。自分が「魔法少女まどか☆マギカ」のコミックを買っていなくてハノカゲさんを知らなかったら、立ち読みはしても買わない作品だったかもしれません。

そんな本作ですが、2巻が出てからは(一部の人には)オススメできる作品になりました。1巻では影が薄かったミラの手下2名や、病弱だったライカちゃんが大活躍します。しかも、主人公のアリスちゃんを含むみんながコスモフの力で「トランス」と呼ばれる変身をして、半獣化(1名は半植物化)してバトルします。これはちょっとしたフェティシズムですよね。実は私は、完全な獣人よりも人の半獣化のほうが好きだったりします。ケモノだと顔よりも手足と尻尾が好きで、毛皮の質感にはこだわりません。だから、本作にはちょっとトキメキました。スピカのトランスは例外的に植物化ですが、トランスのモチーフが植物なのは意外で面白かったし、悪役女性は露出度が高いというお約束は守られているし、そのくせ妖精っぽくてキレイなので許す。ケシの花モチーフとはセンスありますなあ。あと、ニクスのチーフのトランスも好き。ケモノと鳥が混ざったファンタジーなデザインがいい。モデルになった種が特定できるぐらいガチめのパーツじゃなくて雰囲気ケモノが好きなんですよね。こういうのも少女趣味というのだろうか。

ミラの手下であるニクスの戦闘員、アカネとシヅキの2人は女の子同士でラブラブ。これは少し意外。GLじゃないジャンルの漫画であえての百合カップル。ストーリー漫画の百合CPってファンが2次創作でするものであって作者がするものではないと思っていましたが。ハノカゲさんはMの気があるシヅキちゃんのキャラ紹介で「19歳 161cm ベッドの上では上」と書いています。すげえ。読者が受け攻め論争で不毛な争いをしないように配慮しているのか。それとも、これがハノカゲさんの理想の百合カップルなのか。キスシーンもあるし。

先程、本作はGLじゃないジャンルの漫画だと書きましたが。じゃあ本作のジャンルは何かと言うと、少女漫画だと思います。登場人物のほとんどが10代の女の子なんだもの。設定はゆるめなのでSFっていうほどSFじゃない気がするし。強いて言うなら超ライトSFかな。

ということで本作は、半獣化と美少女が好きな方にオススメ。3巻でニクスの詳細が明かされて、ストーリー展開は駆け足ですがSF的要素はそんなに濃くないので安心です。強いてSF要素をあげると20年タイムスリップしたことと、コスモフは宇宙から来たことぐらいか。みんな、コスモフは宇宙人という設定だけど、SFじゃなくてファンタジーのつもりで読むんだ。そして、ハノカゲさん初のオリジナル作品を応援しましょう! 本作にはカバー下にマンガとキャラ紹介があるので忘れずに読むんだぞ!

 

以上。完結マンガ『コスモファミリア』をご紹介しました。

 

 

 

まだ3巻セットが出ていなかった。出てたらむしろ悲しいか。

 

Ice watch glam開封の儀+レビュー。かっこよくて思いやりが込められた時計だな。

目次

 

ついに、過去記事に書いた腕時計を開封しました!

ということで今回、ご紹介するのは腕時計ブランド「ice watch」より、glamというシリーズのブラック−ローズゴールド 3Hミディアムという1本。

まずはウチで撮った現物の画像(⬇︎)をどうぞ。デジタルズームで少し荒いけど。

f:id:Mee6:20190110175832j:plain 

ブラック−ローズゴールドはカラー名で、ブラックはベルトと文字盤の色。ローズゴールドは針とフレームの色。3Hは、文字盤に数字がないバージョンという意味かと。ミディアムはサイズ名です。glamというシリーズは各色2サイズ(S,M)があるようなので、大きいほうという意味ですね。

つけてみた感じ、ほぼメンズサイズです。ということは、Sサイズがレディースサイズ相当なわけか。メンズ・レディースという表記をしないあたり、ポリティカル・コレクトネスへの配慮がうかがえて、個人的に好感度が高いです。よく考えたら文字盤の大きさは体格に合わせるものであって性別に合わせるものではないんですよね。サイズ表示がSとMなのは客観的でいいと思います。私みたいに小柄でも大きな文字盤が好きな人は大きいほうを買えばいいわけですし。

 

ice watch glam開封の儀

この1本は私のお気に入りですが、未開封時はこんな感じ(⬇︎)です。

f:id:Mee6:20190110174336j:plain

左:ice watchの外箱

右:本体入りのプラケース

置いておくだけで様になるケースですね。見ての通り、右のプラケースに本体が入っていますが、このケースはどうやって開けるんでしょう? 上か下にフタが付いている? いえいえ。フタはどこにもありません。ケースに指紋がつくのを覚悟して開けましょう。開けるとこんな感じ(⬇︎)

f:id:Mee6:20190110180003j:plain

おわかりいただけたでしょうか。このケース自体はわずか3パーツ(上部の金属パーツ含む)でできているのです。ジョイントなんてありません。だから、クリアケースの前後の面を片手でワシッとつかみ、もう片方の手で、黒いケースを上に向かってスライドさせましょう。そうすると開きます。とんだ初見キラーだぜ。値段の割にケースの作りは少しチープですが、壊れにくそうなのでよし。可動部が多いと故障の元ですもんね。

 

ice watch glamの使い心地など

ついでにice watch glamのレビューもお送りします。1日に買って7日までしまってあり、8日に初めてケースから出して使ったのですが。いやあ、すばらしいの一言ですね! まず見た目がいい。glamシリーズは1本の腕時計につき2色しか使われていないんですよね。バンドと文字盤の色で1色、針とフレームで1色で、全体で合計2色しか使われていないというシンプルさ。おまけに文字盤に数字がないバージョンだとさらに情報量が少なくて、物として見やすい。単純な形+少ない色の組み合わせが好き。私は腕時計以外の物でも、使われている色数が少ないアイテムが好みです。

この腕時計で他に好きなところは、触り心地がいいところ。シリコンバンドの表面がマット仕上げになっているので、触ってもツルツルではなくスベスベという感じ。おまけになぜかこのバンドは少ししっとりしています。この手触りはヤバい。いつまでも触っていられそうな気がする。

腕時計のバンドには穴が開いていますよね。もちろんこのice watch glam のバンドにも穴が開いています。しかし、この穴はただ開けられているわけではなく、少し工夫されています。

ice watch glamと&Qの比較画像がこちら(⬇︎)

f:id:Mee6:20190110232516j:plain

訳あって裏側を撮影しています。ちょっと写りが悪いか。とりあえず穴の形が違いますね。&Qのバンドに開いている穴は四角いです。これにはこれで訳があるのでいいのですが。問題は穴の形ではなく、穴の開き方。&Qの場合はただ穴が開いているだけなのですが、ice watch glamの場合は、裏側から金具を差し込みやすいように、穴の側面が奥に向かって少し傾斜しているんです。些細なことなんですが、このおかげで金具がすごく差し込みやすくて、使いやすいんですよ! 丁寧なお仕事に感動しました。使う人への思いやりが感じられて素敵です。

作り手が商品に、使う人への思いやりを込めた時、その商品は使いやすい1品になるのでしょう。ありがたいことです。

 

以上。ice watch glam の開封の儀+レビューをお送りしました。

モノによってはアマゾンでお安く買えるので、良ければどうぞ。

 

とか言っておいて、正規輸入品では7千円台が限界でした。

実店舗で4千円台で買えたのは初売りという名の奇跡だったのか。

 

※本記事は、2019年1月18日に改題しました。

新年会を欠席したら夕食がシュークリームになった。

我が家では、全員が祖母主催の新年会に出席するわけではない。特にここ数年は、代表を1人出席させているだけだ。だから祖母は気を使って、出席した代表者に欠席した人間の分まで土産を持たせる。毎年のことなので、そのこと自体には驚かない。もはや祖母の習慣だからだ。

我が家で問題になったのは、今年の土産の内容である。今年の祖母は、土産にお菓子をくれたのだ。それも生菓子である。さらに問題だったのは、その量だ。祖母はなんと、家にいる人間の数よりも明らかに多いプリンとシュークリームをくれたのである。

f:id:Mee6:20190102224514j:plain

これが証拠の画像だ。ウチには人間が3人しかいないはずなのに、祖母はプリンとシュークリームを6個ずつくれたのだ。ということは、実は我が家には人が6人いるのだろうか。もしかしたら本当はウチには6人いるのに、私が知らないだけなのかもしれない。そう思って家中を探してみたが、やはり人間は3人しか見当たらなかった。今、我が家に必要なのはシュークリームを食べられる人間なのに。

残りの3人をいつまでも探し回っているわけにはいかなかった。シュークリームの消費期限が迫っている。だから、我が家の今日の夕食は、1人につきシュークリーム×2になった。

f:id:Mee6:20190102224416j:plain 

また明日、残りの3人を探してみよう。さすがにジャンボプリンは3人では食べきれないから。

 

 

『シュガーラッシュ:オンライン』観た! 相手を理解することは、相手の気持ちを受け入れることなんだな。

目次

 

今回はお題の記事です。私も「シュガー・ラッシュ:オンライン」観ました!

前作も観ているので、続編が公開されてうれしいです。

またこのコンビに会えるなんてステキ! 

ということで今回は、#シュガラお題

映画「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想に参加します!

 

「シュガーラッシュ:オンライン」のあらすじ

悪役の大男ラルフと、レーサーの少女ヴァネロペは、ゲームセンターに置かれたアーケードゲームの住民。2人が6年ほど変化のない日々を過ごしていたある日、ヴァネロペたちが住むレースゲーム「シュガーラッシュ」の筐体のハンドルが壊れてしまった。これではもう人間たちに「シュガー・ラッシュ」をプレイしてもらえない。

しかし、ゲームセンターに来ていた子供たちがネットで検索して、eBayにハンドルが出品されているのをみつけた。これを聞いた2人は、さっそくインターネットの世界に飛び込み、見事eBayでハンドルを落札することに成功する。あとはこのハンドルの代金を払って、ゲームセンターに送ってもらえばいい。そうすれば、ヴァネロペたちが住むゲーム「シュガー・ラッシュ」は救われる。

だが、ここでまた新たな問題が発生する。ネットオークションのルールを勘違いしていた2人は、自分たちでハンドルの値段をつり上げてしまっていた。期限内に支払いをしないと、落札は取り消されてしまうという。こんな金額、どうやって払えばいいのか。

困った2人は「ゲームでリッチになれる」という怪しげな広告をクリックし、換金するものを手に入れるため「スローターレース」というゲームに忍び込む。

「スローターレース」は、ヴァネロペにとって理想の世界だった。このゲームには決められたコースがない。どこでも走れる。おまけに、ヴァネロペはこのゲームの住民と友達になった。

ヴァネロペは思った。たとえ「シュガー・ラッシュ」が直っても、帰りたくない。この世界にずっといたい。でも、帰りたがっているラルフになんて言えばいい?

悩むヴァネロペと、ヴァネロペの願いを知りながらも受け入れられないラルフ。2人の気持ちはすれ違い、友情の危機に陥る。ラルフとヴァネロペは、最後に何を選ぶのか。

 

観た感想。まずは相手の気持ちを受け入れよう。

インターネットの世界が大都市の姿で可視化されている時点で楽しい! ラルフがGoogleをゴーグルと読んで巨大なゴーグル売り場だと勘違いするあたり、田舎者感が丸出しで面白い。田舎者の主人公が大都会にやってきて、右も左もわからないけどワクワクするというシーンはお約束といえばお約束なのですが、お約束が定着するのには理由があるわけで。お約束のものは安定して面白い。

あと、本筋と関係なく面白い部分は、何気なくネットの闇が描かれていること。道行くアバターたちにポップアップ広告を突きつけてクリックしてくれとつきまとうキャラがいるのは序の口。別れた元恋人の現住所を検索している人がいたり、ウイルスが取り引きされているらしい怪しげなストリートがあったり。この世界でもやはり、ネットを悪用している人がいるようです。

主人公が小悪党と知り合い、怪しげな裏路地に案内されて、ヤバい人に紹介されるのもお約束ですね。本作のヤバい人は、やってることよりもビジュアルがヤバい。悪そうじゃなくて本当にヤバい。本作は本当にお子さま向けの作品なのかと一瞬疑うレベル。いや、「モンスターズインク」がアリならこれもアリなのか。それでも、アレを弟と言い張るのは無理がある気がするんですが。さては、次回作はこの人が救われる話だな?

こいつは貸してやるが〇〇はするなよ、と言われれたら、もうそれはフラグ。〇〇は作中で必ず起きてしまうので、観客はその〇〇が起きるのを待つのみ。ま、起こるのはたいてい悪いことなんですけども。今回は何が起きるのかは、観てのお楽しみです。しかし、ラルフは悪役のせいか発想がちょっと極端だよね。まずはヴァネロペと話し合おうよ。ヴァネロペも、意見が異なることとケンカすることは違うって言ってたし。

本作は2時間10分もあります。お子さま連れでご覧になる方は、入場前に、お子さまとご自分のお手洗いを済ませることを忘れずに。まあ、半券さえあれば途中で入退場ができるわけですが。今作はエンドロールを観たほうがお得です。エンドロールを最後まで観るためにも、入場前にトイレに行っておきましょう。私はトイレに行きたくてエンドロールの途中で退場してしまいました。

この映画を観て思ったことは、他人を理解する第一歩は、相手の気持ちを受け入れることなんだと。まずは相手の気持ちを受け入れる(肯定する)。そして、その後に話し合うことが大切なんですね。自分にだって自分の意見や気持ちがあるんだから、伝えていい。ただし、押しつけてはいけないな、と。

あとは、離れて暮らすようになっても、本当の絆はなくならないのだということ。物理的に離れたからって疎遠になるような人って、はじめからその程度の関係だったんですよね。ラルフとヴァネロペがそうならなくてよかったです。

なんか意外とストーリーの感想が短くなってしまった。ネタバレなしで感想を書くのは難しい。明日、友人と2回目を観に行く予定なので、ストーリーの感想に加筆できるかな。

友人の体調が悪く映画はキャンセルになりました。でも、加筆します。本作はお約束の連続なのに上映時間が長く、意外なのはオチだけだったのですが。それでも面白かったのは、キャラクター同士の関係や、キャラクターの気持ちを丁寧に描いているからだと思います。お約束だけ、ストーリーだけを描くのなら、上映時間は90分ほどでいいのではないでしょうか。現にそれぐらいの長さの映画もたくさんあるわけですし。

それじゃあ本作は、残りの40分で何をしているのか。きっと、ヴァネロペやラルフの気持ちや関係の変化を描いているのでしょう。お話だけを観ていると長く感じる上映時間も、前作を観たりしてキャラクターに感情移入できれば長すぎるということはありません。開発スタッフの方々の、40分にかけた労力はけっして無駄じゃないと思います。

トイストーリー」は正直3作目で終わっていてほしかった私ですが、「シュガー・ラッシュ」の続編である本作は大歓迎でした。個人的にはさらに続編がありそうな終わり方だったので、できれば3作目も作ってほしいです。お願いです、ディズニーさま。3作目が公開されたらきっと、一度は劇場で観ますから!

 

以上。「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想でした。

 

以下のリンクは、お題に応募したら自動的に挿入されたものです。

私のブログではこういうリンクは貼らないのですが、劇場公開中の今はシュガラ祭中ということで。

この記事を更新する頃にはもうこのお題は終わっているだろうけど、今は私も浮かれているので、今回は例外!

 

※本記事は、2018年12月27日に加筆、修正しました。