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【創作】パルデア地方におけるリーグペイ問題について【ポケモンSV】

今回は、パルデア地方の社会問題(リーグペイ)についてお送りいたします。なお、以下の社会問題はすべて私の創作であり、非公式なものであることをお断りしておきます。それでは。4000文字以上あり長文(当社比)ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

 

リーグペイの廃止にはどんなメリットがあるか?


 現在のパルデア地方では都市開発への反対運動が起きており、野生ポケモンの保護活動が盛んになっている。ポケモンの保護活動は昔からどの地方にもあるが、パルデア在住の筆者は、最近になって急に身の回りで「ポケモン保護」が叫ばれるようになったように思う。
 「急に」といってもそれは筆者の主観にすぎないし、なんにせよ保護活動が盛んになるのは良いことだと思われる読者もいるだろう。しかし、筆者は疑問に思うのだ。そもそもパルデア地方は、野生ポケモンとの共存主義を採用しているのだろうか。今回はこれを考えてみたい。
 一見するとパルデア地方は都市部が少なく、自然は多く、野生ポケモンのために土地が広く残されている印象だ。平地でも建物で覆い尽くされることはなく、道路は舗装されていない。広大な大地のなかに点在する街の装飾にはポケモンをモチーフにしたものが見られる。ここだけを見ればパルデアはポケモンに対して好意的で、野生ポケモンと平和に共存しているように見受けられる。
 しかし、これはあくまでも表面的な事物に注目した見方である。パルデア地方は野生ポケモンと共存するための自然環境はそろっているが、ポケモンたちを真に対等な存在として尊重するための精神性は欠けている。以下にその例をあげてみよう。
 パルデア地方にもポケモンリーグ」と呼ばれる組織があり、トレーナー文化の向上、次世代トレーナーの育成および、パルデア地方の自衛を担っている。「自衛」といっても、古代のように他地方(他国)との戦争を想定しているわけではなく、主に自然災害に対処し、救助活動と被災地支援にあたる穏便な性格の組織である。パルデア地方のポケモンリーグは就労場所としてバトルに秀でたトレーナーの受け皿になり、強力なトレーナーを束ねて導き、力の正しい使い方を広める活動をしている。
 上記の点だけを見れば、パルデア地方のポケモンリーグには何の問題もないように思える。他地方のリーグと比べて変わった点はないように見えるだろう。しかし、このリーグにはこのリーグ特有の問題がある。それは「リーグペイ」という電子マネーが発行されていることと関連している。リーグペイを発行している組織が、ポケモンとの共存を考えているとは思えない。
 私が「パルデアは共存主義地方ではない」と思う理由を説明するために、まずは電子マネー「リーグペイ」について解説しよう。パルデア地方のポケモンリーグが発行するリーグペイは「LP」という単位で表され、パルデア地方ではリーグ関連ではない一般の商店でも1LP=1円として使うことができる。リーグペイは、営利企業が提供するポイントサービスとは異なり、商品の値引きに使うことはできない。そのかわり、現金を使わずに買い物することができる。このため、児童・学生・低所得者においては現金よりもリーグペイの使用頻度が高くなる傾向にある。
 それでは、このリーグペイはどうすれば入手できるのか。電子「マネー」というからには、物品の売買に関わるものと思われるであろう。しかし、一般の商店で品物を売買してもリーグペイは得られない。ではどうすればリーグペイを得られるのかというと、ポケモンセンターポケモンの「落とし物」と交換するのである。
 ここでいうポケモンの「落とし物」とは、ポケモンの身体から抜け落ちた物を指す。たとえば体毛・爪・牙のような動物質の物や、葉や実といった植物質の物など。さらには鋼タイプが落とす金属質の物も含まれるが、要するにポケモンの破片である。パルデア地方ではこういった「落とし物」と引き換えに、リーグペイと技マシンを発行している。パルデア地方のポケモンリーグ特有の問題は、まさにこの点にある。
 では、落とし物を引き換えにすることのどこが問題なのか。それは、落とし物はポケモンを捕獲または「ひんし」にすることでしか得られないことだ。大量のリーグペイを得るためには大量の落とし物が必要だが、そのためにはたくさんのポケモンを捕獲するか、何度も何度もバトルしなければならない。
 それでは、大量の落とし物を得るにはどうすれば効率的であるか。答えは簡単だ。野生ポケモンの群れのなかに手持ちのポケモンを放てばよい。野生ポケモンが大量発生している地点に赴き、パルデアで「オートバトル」と呼ばれる方式で、手持ちのポケモンに自ら判断させて戦わせるのだ。こうすればトレーナーは攻撃の指示を出す必要がなく、大幅に労力を省ける。トレーナーは野を駆ける自分のポケモンを見守りながら、タイプ相性を考え、倒す対象を指示する。あとは、野生の群れが全滅するまでこれを繰り返すのみ。こうすれば大量の落とし物を効率的に集めることができる。集め終わったらポケモンセンターに赴き、技マシンマシンにアクセスして、落とし物をリーグペイに交換してもらう。
 ここでひとつ注意してもらいたいのは、落とし物とリーグペイのレートは一定ではないことだ。落とし物はそれぞれにレアリティが設定されており、珍しいポケモンの落とし物のほうが、より多くのリーグペイに交換できる。たとえばラルトス・ラッキー・イーブイ系や、ドラゴンタイプのポケモンの落とし物は、一個あたり100LP以上で取引されている。
 このように、リーグペイのレートが一定ではないことが、パルデア地方で社会問題を起こしつつある。高レートの落とし物を求めるトレーナーが野生ポケモンを、乱獲ならぬ乱狩しているのだ。このせいで個体数が減りつつあるポケモンもいる。
 「珍しいポケモン」が珍しいのには理由がある。それは、個体数が少ないからだ。では、なぜ個体数が少ないのか。人気が高く乱獲されているポケモンもいるが、それ以上の問題は、トレーナーによって野生ポケモンの繁殖が妨害されることだ。繁殖期になって発情したポケモンたちが、番になる相手を探すための集まり。これが「大量発生」の実態である。ではここに、落とし物が目当てのトレーナーが自分のポケモンを放ったらどうなるか。結果は目に見えているだろう。せっかく集まったポケモンたちは求愛行動を中断して逃げ惑い、散り散りになる。繁殖行動が妨害され、今季に生まれる新個体が激減するのだ。特にイーブイ系やドラゴンタイプなど、元から繁殖力の弱いポケモンの場合、事態はさらに深刻になる。今季に生まれる個体が減るどころか、新たな個体が生まれない可能性さえあるのだ。リーグが落とし物と引き換えにリーグペイを発行するせいで、繁殖のために集まったポケモンが次々に「ひんし」にされて発情が抑え込まれる。当然ながら繁殖活動は延期され、新個体が生まれる頻度が下がる。このようなことが長く続けば、やがてはパルデア地方全体でポケモンの個体数が減少していくだろう。
 おわかりいただけただろうか。これが、パルデア特有の問題なのである。「珍しいポケモン」が特に乱狩の対象になり、ますます「珍しいポケモン」になり、さらに乱狩の対象になるという悪循環が起きているのだ。
 ここまであげたことを考えるとパルデアは、とても「共存主義」地方とは言えない、という結論が出る。一見するとパルデア地方は自然が多く、平和に共存しているように見えながら、その裏では乱狩が横行しているのだ。険しい雪山で滑ることを目的に訪れたウィンタースポーツの愛好者や、広く穏やかな海で波に乗りに来たマリンスポーツの愛好者といった観光客は、考えもしないことであろう。実際に目撃しなければ信じられないことだ。
 ここまで事態が深刻化してしまったことの責任は、ひとえにポケモンリーグにある。ポケモン自体の珍しさと落とし物レートのレアリティを連動させたせいで、貴重なポケモンが乱狩される事態になったのだ。パルデア地方のポケモンリーグはこの事態を直視し、早急にリーグペイのレートを修正するべきである。将来的にはリーグペイそのものを廃止することが望ましい。
 ここまで読んでくれた読者の方は、私のことをポケモン保護主義者だと、道徳的な人物だと思っているだろう。しかし、私がリーグペイの廃止を提案するのは、なにも道徳的なことだけが目的ではない。人間にも実際的な利益をもたらすからこそ、リーグペイの廃止を訴えているのだ。
 では、リーグペイの廃止は人間にどのような利益をもたらすのか。一言で表すと、都市を広げられるようになるのだ。
 ポケモン保護が訴えられている現状では、都市部を拡大することができない。なぜならば、ポケモンを保護するためには多くの自然を残さなければならないからだ。乱狩によって減少した個体数を回復させることを優先するならば、ポケモンの生活圏を多く残す必要がある。ポケモン保護が声高に叫ばれている現状では、いくら大手建設会社であろうと、大規模開発は難しい。都市開発の提案は、市民団体に強く反対されるからだ。
 では、どうすればパルデアで大規模な都市開発が可能になるか。まず、ポケモン保護活動を鎮静化することが急務である。パルデア市民やポケモン学者たちの「ポケモンが減っている」という不安感を払拭しなければならない。そのためには、乱狩が起きない仕組みが必要だ。
 ここでひとつ思い出してほしい。パルデア地方でポケモンの乱狩が起きている理由は何だったのか。そう、リーグペイだ。人々はリーグペイほしさに大量の落とし物を求めてポケモンを乱狩していた。ならば、リーグペイが廃止されれば誰もポケモンを乱狩しなくなるはずだ。そうなればポケモンの個体数は自然に回復し、保護活動は不要になるだろう。
 ここでようやくリーペイの廃止と、都市を広げられることが繋がる。保護活動が活発だから都市開発ができなかったのだ。保護活動がなくなれば大規模な都市開発も可能になる。そうなれば街は大きくなり、人間の生活圏が広がるだろう。
 ここで、今までにあげたリーグペイを廃止する利点を整理してみよう。
ポケモンの乱狩が起きなくなる
・街を広げられる
 以上である。よく考えれば、ポケモンと人間の双方が得をしている。ポケモンたちは乱狩に怯えることなくのびのびと繁殖できるし、人間たちは広い街で暮らせる。ポケモンを尊重することは、人間を尊重することにも繋がるのだ。
 真の「ポケモン共存」とは、ポケモン・人間の双方が自由に生きられる状態である。リーグペイ廃止はその実現の一助になると、私は信じている。
 ここまで読んでくれた読者の方には心から感謝する。一学者の書いたものではあるが論文ではなく、まとまりに欠ける雑感を述べただけのブログ記事だ。問題提起こそしているが、娯楽みのない文章である。それにも関わらず最後まで読んでくれたあなたなら、きっと私と同じ問題意識を抱いてくれただろう。共にリーグペイ廃止を訴えてくれれば、なお嬉しい。
どうか、このブログが多くの人に読まれ、いつかリーグペイが廃止されますように。

 

以上、パルデア地方ポケモンリーグ所属博士より提言。