ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

個人的『銃夢』自由人ランキング、ベスト5

今回はタイトルそのまんまの内容でお送りします。ぶっちゃけ私生活はネタ切れしてるもんで。『アタゴオル』シリーズを分析した記事と、『ヘルシング』のペンウッド卿について書いた記事が意外と好評だったしこの調子で他のマンガも、とか考えたんですけど有名どころしか読んだことないし。あと、個人的にいっぺんこのランキング作ってみたかったので。基本的に自由人キャラが好きだし。ということで以下、5★評価で作った『銃夢』自由人ランキングを発表します。注:異論は受けつけません。

 

5位 クズ鉄町の支配者、ベクター 自由人度:★★

支配者の常として、支持基盤のある場所から生活拠点を動かせず放浪はできなさそうなので-4★した。彼は車椅子使用者なのでおそらく下半身不随なのだろうが、それこそサイボーグ化すれば身体の不自由さは解消されるだろう。彼の場合は持って生まれた身体にこだわり、あえてサイボーグ化していないと思われるので、半身不随のまま生活していることは(このランキングでは)むしろ+ポイントである。そこで+1★して、合計2★で5位になった。道端で交通事故にあったら野良医者に無断で全身サイボーグ化されたりするクズ鉄町において半身不随でありながらも自身の身体を保ち、時には人に首枷をはめて命を預かる。彼はクズ鉄町においてもっとも自由な人物である。

 

4位 シドニアの領主、カグラ・ドルンブルク 自由人度:★★★

5位のベクター氏と同じ理由で-4★したが、隠れ暴君なので+2★した。カグラは目についたハンサムな青年を殺して剥製にしていた。おまけに黄金杖を発掘した調査隊を口封じに全滅させようとしたり、先代領主を暗殺して自分が領主になったりとやりたい放題なので+2★である。美人は残酷というのはフィクションのお約束だが、ここまでいくといっそ清々しい。あとは「若さを保つため若い娘の生き血を浴びていた」が加われば完璧なのだが、さすがにこの時代ではそこまで非科学的な暴君はいないのだろう。カグラは美貌があるので領民ウケは抜群だが裏ではその権力を欲のままに使っていたので、悪い意味の自由人である。

 

 3位 業子力学者、ディスティ・ノヴァ 自由人度:★★★★

ノヴァは脳以外の身体が生身であり、格闘家でもないので放浪することは難しい。そこで-4★したのだが、他の点では自由すぎるので+3★し、合計4★になった。あくまでも3位なのは、生身の科学者なので生活+研究拠点が必要だから。ノヴァは道徳どころか倫理観からも完全に自由なうえ、独自の技術でほぼ不死身になり、さらにはデュアル脳になって知能が強化されてしまった。ザレムの一市民だった頃と比べれば大幅にパワーアップしており、それに伴って自由度も上がっている。あとは業子力学とプリンへの執着を断てれば完璧だが。業子力学の研究を生きがいにし、ザレムの主食をプリンにしようとしたノヴァには不可能なことだろう。

 

2位 自己中心的な主人公、ガリィ 自由人度:★★★★

ガリィは人間の組織に属していないので物理的な制約はないが、子供を見捨てられないという良心に縛られているので-1★にした。子供を見捨てる主人公は読者ウケが悪そうなので、子供を助けるのは主人公の宿命と言える。この他の点では減点するところがなかったので2位にした。脳チップになった今では生活拠点どころかカロリー源(食事)すら必要なく、定住せずに旅をしている。現在は巨大な陰謀に巻き込まれているようだが、ガリィなら問題ないだろう。あの短い手足が届く中なら誰にも負けないはずだから。

 

1位 放浪の空手家、絶火 自由人度:★★★★★

存命している空手家の中では最強であり、ガリィとちがって良心に囚われている節がなく、おまけに無所属なので減点ポイント(不自由ポイント)がまったくない。文句なしの1位である。絶火は強さを追い求めるあまり記憶をチップに写し、脳を廃棄してしまったという。下手をすれば人権を失いそうな危険な行いであるが、彼はまったく気にしていない。サイボーグ技術が進んだこの世界において人権の根拠は生命の有無ではなく人格そのものなのかもしれないし、単純に本人が強いので法律的な保護は不要なのかもしれない。せっかく反物質拳などという技を編み出したことだし、ぜひ「独力での惑星破壊」を成功させてほしい。

 

さて。このランキング作ってて思ったんですけど、このランキングの順位と好きなキャラの順位が私の中で一致してるわけじゃないんですよね。一口に自由人と言ってもいろんなタイプがいるわけで。他人の人生を壊しまくる有害な人物、いわゆる悪人もいます。悪人は魅力的といえば魅力的だし、行動には筋が通っててある意味尊敬するんだけど好きではないな、というキャラも多い。傍若無人な人物はフィクションの中だけにいてほしいものです。歴史で習う暴君の話は過去のことだと思うから「昔の人は大変だなw」とか笑ってられるけど、自分が当時の民だったらと思うとまったく笑えない。笑うんだったら「突きの射程が2kmとかありえねぇw」とか言いながらフィクションの空手家を眺めていたいものです。フィクション鑑賞の醍醐味は、安全なところから悪人を眺めること。ああ。今日も悪人と自由人の鑑賞が楽しい!

 

結論:絶対に安全なところから悪人を鑑賞するのは最高の娯楽である。

 

以上、個人的『銃夢』自由人ランキングにかこつけてフィクション鑑賞の醍醐味を語りました。

 

追記:自由人といえばジャシュガンとかマカクとかムバディとかムスターとかエーリカとかラカンとか他にもいろいろいるだろとお考えの方もいると思いますが異論は受けつけません。ジャシュガンには妹という守るべきものがあり、マカクには手足がないかわりにエンドルフィン依存症があり、ムバディには正義感と使命感があり、ムスターの悪行は過去の罰に値する未来の罪を成すという確信からしていることで、エーリカに至っては英霊団の駒になっています。ラカンは変態なので論外。こう考えると、義務も使命感も正義感も依存症も悲惨な過去もなく変態でもない、真の自由人は貴重な存在ですね。ベクターさんと絶火さんには長生きしてほしい。