完全に…とは言い切れませんが、紙派です。マンガの単行本に限らず、書籍は紙のほうが圧倒的に好き。なぜなら、手触りやカバー下など、装丁を鑑賞する楽しみがあるからです。電子書籍だと表紙のかわりにサムネイル画像があるだけで、ページをめくる感触もなければカバー下の画像もありません。カバーをはずして本体の装丁*1を見るという楽しみがない。電子書籍が登場する以前は、読書といえば本の内容だけではなく本体のつくりも鑑賞の対象でした。それがどうでしょう。電子書籍が登場すると、サムネイル1枚+本文でおしまいになってしまいました。本文の他に解説などのおまけがあることもありますが、それにしたって味気ない。紙の本なら厚みでページ数の多少がわかるのに、電子書籍のページ数はただの数字*2なのです。初めて電子書籍を購入した時は便利さに感動して「書店に行かなくても買えるのは便利」「これはこれでアリかも」なんて思っていましたが、その存在に慣れてしまった今となっては「味気なさすぎる」「こんなの本じゃないっ」と思っています。音楽のCDでも同じことを思いましたが。アルバムを配信で買った時の味気ないことといったら。いわゆるジャケ写が1枚あるきりで、リーフレットはありません。だから歌詞は読めないし、作曲者の解説も読めません。本にしろCDにしろ、電子版では情報が足りない。じっくり鑑賞するには情報量が不足しています。高校生の頃にはiPod miniを持っていた私ですが、自分でAppleのアカウントを持って配信物を買うようになったのはずっと後なので、電子版はどうにもしっくりこないのです。まだ物理媒体が優勢だった頃に青春を過ごすとこうなる。でも、こんな感覚を持ってるのは私の世代が最後なのかもしれない。今はまだリアル書店やCDショップがあるから「電子版は物理媒体を置き換えた物」と認識できるでしょうが。これからリアル店舗が消えていったら「物理版は電子媒体の具現化」「物理版は高価なコレクターズアイテム」なんて認識されるようになるのかも。え、こわっ。自分で言ってて怖くなってきた。こんな時代が来たら嫌だ! といってもそのうち来ちゃうんでしょうけど。やばいな。紙の本が数千円で買えるうちに買っておこう。と、決意を新たにしました。よく考えたら本代をケチってる場合じゃない。紙の本が安価に買える最後の時代を生きているのだから。令和が終わる頃の出版事情はどうなっていることやら…これ以上は考えないでおこう。怖いから。
以上、本は紙(物理)派だからこそ未来が怖ろしいミーシックスでした。