ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

「ちくわの磯辺揚げ」という料理は知らなかったけど好きだった。

 私が通っていた小学校は給食センターが敷地内にあったので配送されるのを待つことはなく、温かくて美味しい給食が食べられたので食には恵まれた環境だった。そのかわり上級生は1階から3階まで階段で給食を運ばなければいけなかったので給食当番は面倒だったが、美味しい給食が食べられると思えば耐えられた。

 小学生が好きな給食のメニューといえばカレーライスが鉄板だろう。私だって例にもれずカレーが一番好きだった。しかしここでカレーについて書くとあまりにも平凡なので確実に他の人とかぶる。そこで他に好きだったメニューを思い出してみた。印象に残っているのは、ちくわの天ぷらである。給食で出されるちくわの天ぷらはなぜか衣に色と味がついていた。黄色いカレー味と緑色の青ノリ味だ。当時の私はどちらも「ちくわの天ぷら」と認識していた。

 私がこの「ちくわの天ぷら」の料理名を知ったのは大人になってからだった。偶然通りかかった物産展でたまたまみつけた藻塩をお土産に買って帰ったら、母がちくわの天ぷらを揚げてくれたのだ。母が揚げてくれた天ぷらの衣は、見覚えのある緑色だった。

「昔、こういうちくわの天ぷら食べたことあるよ。給食でね、黄色いカレー味のと、緑色の青ノリ味のやつがあったの」

「へえ」

「また食べられるとは思わなかったな。おいしいね」

「これ、ちくわの磯辺揚げっていうのよ」

 母はさらりと言ったが、私には衝撃が走っていた。知らなかった。あの「ちくわの天ぷら」には緑色のほうにだけ名前がついていたのだ。あれの正体は「ちくわの磯辺揚げ」だ! つまり、私が好きだった給食のメニューは「ちくわの磯辺揚げ」である。

 母は私が買った藻塩が尽きるまでちくわの磯辺揚げをつくってくれたが、藻塩がなくなってからはつくらなくなった。藻塩+ちくわの磯辺揚げは完璧な組み合わせであり、ちくわの磯辺揚げを食べる際には藻塩が必須なので、藻塩が尽きた以上、もう我が家でちくわの磯辺揚げを食べる必要はない、というのが家族全員の共通見解である。また藻塩を手に入れられたら、もう一度ちくわの磯辺揚げが食べられるかもしれない。

 

以上、「ちくわの磯辺揚げ」の思い出でした。

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