ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

【新潮新書】『知的に見える男、バカっぽく見える男』読んでみた。イメコンってどんな仕事?

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テート小畠利子著『知的に見える男、バカっぽく見える男』新潮新書946読んでみました。この書名はある意味「釣り」で、本書の主旨からすると「バカっぽく見える」というより「ダサく見える」というのが適当かと思いますが、それでは書名としてインパクトに欠ける。書店の棚から手に取ってもらうためには強めの言葉を使ったほうがよいのでしょう。たぶん。

なんでまたこんな男性むけの指南書を読もうと思ったのかというと、私の推しキャラには美中年が多いから。私の推しキャラは中年といえどおしゃれな方々なので、きっとファッションにも詳しい。それこそ本書の著者みたいなイメージコンサルタントに診断(コンサルティング)してもらったにちがいない。つまり、これを読めば推しの知識の一端がわかるはず。二次元キャラに限らず、推し男性がいる人なら楽しめると思います。そもそもリアル男性のために書かれた本なので、これを読んで夫や彼氏にコーディネートを提案してみるのもアリ。とにかく、女性が読んでも楽しめる本です。

著者の小畠氏は英国で独立し、職歴は20年ほどあるというベテランのイメージコンサルタント。私は本書を読むまで「イメージコンサルタント」という職業があること自体を知りませんでした。どうやら「イメージコンサルタント」とは、服装のアドバイスをしたり、ワードローブを見て処分するものを提案したり、時にはショッピングに同行したりするようです。パーソナルカラー診断や骨格診断のさらに上をいく、もっと詳しいことを教えてくれる人らしい。本書はファッションに悩む男性むけに書かれているのでスーツの型と、それぞれの型が買いやすいブランドについて説明されています。驚いたのは、そのなかに「ユニクロ」や「ZARA」があげられていたこと。ファストファッションブランドだから安っぽいと却下してしまうのではなく、選択肢にあげている。安価なブランドをばかにしない姿勢がプロっぽい。ファストファッションのブランドは店舗数が多くて買い物しやすく、ほしいものがすぐに買えるという利便性があるので、あえて選択肢にあげたのでしょうね。この点で「小畠氏、わかってんじゃん」と思いました。だって、この本を買う人は「ファッションの知識はほしいけど、実際に診断を受けるのはちょっと…」という人でしょうから。1000円以下でお手軽に知識を得たいと思っている時点で、お金がないか時間がないかのどちらか。あるいは両方か。なんにせよ新潮新書の客層を考えた場合、ファストファッションブランドをひとつもあげていないと「読んだけど実際に試せない」なんてことになりそう。それを避けようとしている点に好感が持てます。書き手の誠実さが伝わってきて良い。20年ほどの経験を1冊の新書にまとめてしまうのは大変かつもったいないと思いますが、ご自分の知識をコンパクトにまとめ、安価で広めようとなさるとは太っ腹。よっぽど「英国でみかけた50代日本人駐在員男性が冴えないやつだった」事件がショックだったんだろうなあ。「スーツの本場に来て恥をかく前に、これだけは知っていてくれっ」という小畠氏の叫びが聞こえてきそうです。海外での仕事が多いのなら、せめて出国前に基礎知識を身に着けてほしいという悲痛な叫び。同族がダサいと恥ずかしい。海外ではよけいにそう思うのでしょう。本書を読んでスーツをかっこよく着こなす男性が増えれば小畠氏も嬉しいはず。とりあえず、スーツ勤務の方はご一読を。

 

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