ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

アースラ様がスクリーンデビューされた記念すべき作品『リトル・マーメイド』

リトル・マーメイド(吹替版)

夏に観たくなるのは涼しげなもの。涼しいといえば水辺。水辺といえば海。ということで私がオススメするのは、ディズニーヴィランズ「海の魔女」ことアースラ様がスクリーンデビューされた記念すべき作品『リトル・マーメイド』です。安定のディズニー品質でお送りされるアニメーションと歌唱パートもさることながら、アースラ様の声優さんが良すぎる。声質・演技ともにアースラ様にぴったりのハマリ役。演じられたのは森公美子さんという方で、本業は女優さんらしい。道理で声の演技力がすごいわけだ。アースラ様は人魚の国どころか海も陸も支配するという壮大な野望をお持ちなので立派な悪役なのですが、その野望が明らかになるのは終盤なので、幼少期、初見の第一印象は「代価を要求するけど親切な魔女」でした。アリエルの「陸に行って彼に会いたい」という願いを叶えてくれるし、トリトン王に告げ口しないし。ちょっと怪しいけど便利な人って感じ。トリトン王の王冠と三叉矛を狙わず、人魚を通路の生物に変えたりしなければ、便利屋として生計を立てることも可能だったはず。しかし、それでは長生きできても他人に利用されるばかりでちっとも面白くない。だからそんな人生は選ばなかったんでしょうね。頭の良さそうなお方なので、無難な生活をしようと思えばできたんでしょうが。でも、そんな選択をされた日にゃあヴィランのファンが泣くわな。無難なことは選ばず、小市民的な選択をしないのがヴィランなのですから。無欲になられたらつまらない。強欲さこそがヴィランの魅力でしょう。

アースラ様の黒くてしなやかで力強くて美しいタコ足のうねりにご注目いただきたいですが、ディズニー版『リトル・マーメイド』のアニメーションとしての魅力はそれだけではありません。上映時間の短さも美点です。『リトル・マーメイド』は劇場版アニメでありながら上映時間は83分しかありません。おかげでかなり物語の展開が早い。ラスト20分ぐらいで、エリック王子とヴァネッサの結婚式を阻止➡巨大化アースラとの対決という重要パートを消化するテンポの良さなので、集中力が低めのお子さんにもオススメ。人外キャラ入門作品としても良いですね。作中では人間が「魚を食う野蛮な連中」呼ばわりされており、人間という生物を客観視するいい機会になると思います。アリエルが16歳で結婚してしまうのは現代の基準だとさすがに早すぎるので、お子さんへの解説が必要かと思いますが。

最後に。『リトル・マーメイド』のもっとも単純な魅力は背景の景色です。海中➡池➡海上と、とにかく水まみれで涼しげなので観ていると涼しい気分になれます。暑くて気だるいから長い映画は観たくないけど、涼しい気分になりたいという方は、ぜひこの機会に古き良きディズニーアニメ『リトル・マーメイド』をご鑑賞ください。ご新規様も大歓迎。本作を一度観ていただければアースラ様の魅力がわかることまちがいなし!

 

以上、アースラ様がスクリーンデビューされた記念すべき作品『リトル・マーメイド』をオススメしました。