ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

トマトが苦手な小学生、ミネストローネ好きの高校生になる。

今週のお題「苦手だったもの」

 

 小学生の頃はトマトが苦手でした。しかし、高校生の頃には平気になり、気づけばトマトリゾットが好きになっていました。我が家の行きつけのイタリア料理店ではいつも、トマトリゾットかトマトソースのパスタを注文するほど。私なりにこの変化の理由を考えてみるに、きっかけはモスバーガーのミネストローネスープでしょう。今でこそモスのメニューから消えてしまいましたが、私が中学生頃の冬季限定メニューには、紙コップで提供されるミネストローネがありました。ニキビに悩んでいた中学生の私は皮膚科でお薬をもらった帰りに、医院の近くにあったモスに寄り道。当時の私にとって、モスはちょっとしたごちそうです。モスは家の近くにないうえに、家族分を注文するには少しお値段が高いので、めったに食卓に乗りませんでした。モスに寄り道するのは医院帰りのお楽しみ。何か新メニューは出ているかなとワクワクしながら入店し、ざっとメニューを眺めていたら、何やら見慣れない名前の赤いスープが目につきました。その名も「ミネストローネ」です。ファストフード店でスープが飲めること自体に感動した私は、ミネストローネを注文してみました。中学生の私はまだイタリア料理になじみがなく、ミネストローネという料理名も知りませんでしたが、このスープはおいしかったです。私が「ミネストローネ」という料理名を覚えたのはモスのおかげでした。冬季限定とはいえ、メニューにミネストローネを加えてくれてありがとう。私は中学生にしてようやく、モスのおかげでトマトへの苦手意識が吹き飛びました。

 これ以来ミネストローネが好きになった私はある日、ついにイタリア料理店でミネストローネを飲む機会に恵まれます。高校生の時、終業式か何かで午前中に学校が終わった私は、母に連れられてイタリア料理店へ行き、遅めのランチをすることに。初めてのイタリア料理店。制服のまま着席した私は少し緊張しながらメニューを眺めます。そこには見慣れないメニュー名ばかり書かれていましたが、ひとつだけ見覚えのあるものがありました。そう、ミネストローネです。私は迷わずミネストローネを頼みました。これがまたおいしかったのです。「テーブルにクロスがかかってるようなお店に、制服のまま入るのは場違いじゃないかな?」なんて考えながら、初めてスープ皿に入った本格的なミネストローネを飲むという状況への緊張感が吹き飛ぶほどのおいしさでした。このミネストローネに感動した私は、この店に来るたびにトマト系の料理を選ぶようになります。

 ここまでつらつらとミネストローネに関する思い出をお話ししてきましたが、ひとつ、残念なお知らせがあります。まだ私が学生だった頃のことです。我が家が通っていたこのイタリア料理店は、とあるグルメ番組にとりあげられたことで一見客が急増しました。急にお客さんが増えて、いつ行っても混んでいる状態になってしまったのです。そのうえ、メインシェフが辞めてしまったらしく、提供されるメニュー数が減ってしまいました。おまけに、平日は完全予約制に。このため我が家はこのイタリア料理店に通わなくなりました。今思い出しても悲しいことです…トマトではなくミネストローネの思い出話になってしまいましたが、今日のところはここまで。以上。