ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

「レジェンズ アルセウス」 発売一ヶ月記念にかこつけてヒスイ地方の人々について語る。

 今年もやって来た、ポケモン・デイ*1!  「レジェンズ アルセウス」 発売一ヶ月記念も兼ねており(正確には明日だが)非常にめでたい! 発売から一ヶ月も経つと、いつの間にかピクシブにネタバレ注意の2次創作マンガ(読むのはクリア後推奨)などがアップされている。こうしてまた1作が、みんなに共有される体験になった。RPGをプレイする利点は、家にいながらにして体験を増やせることだ。

 ゲームのプレイ中に、プレイヤーが作中世界に行くわけではない。実際には画面をみつめながらコントローラーを操作しているだけだ。しかし、コントローラー*2の操作に慣れると没入感が高まる。自分は現実に住む3次元の人間であることを半ば忘れ、大真面目に2次元(フィクション)世界のことを考えてしまう。

 前置きはこのぐらいにしておこう。この記事の本題は、「レジェンズ アルセウス」 発売一ヶ月記念にかこつけて、私のいま現在のストーリー進行度(海岸に来たところ)でヒスイ地方の人たちについて語ることだ。

 私はギンガ団デンボク団長の意見に賛成である。人間は人間に味方するべきで、人間に害をなすポケモンは叩くべきだ。ポケモンとの共存は理想どころか幻想だと思う。シンジュ団・コンゴウ団はボールを使わずにポケモンと共闘しているが、私はポケモンとの友情はありえないと考える。ポケモンと人間は主従の信頼関係を築くことができるが、それ以外の関係を築くことは不可能だ。人間はポケモンではないのだから。ポケモンと対等な友になれるのはポケモン自身のみである。私に言わせればシンジュ団・コンゴウ団のやり方は、人間がポケモンのフリをしているようで気持ち悪い。

 人間は人間としか暮らせない。彼らだってそれはわかっているから集落をつくっているのだ。それなのにボールは不要でポケモンは友だと言う。キレイ事にも程がある。しかも、口ではポケモンは友だと言っておきながら自分たちはキング・クイーンという制度をつくり、強くて言うことをきく都合のいい個体を選んで育て、各地に配置しているのである。おまけに、それが暴走して手に負えなくなるとギンガ団員の主人公に後始末を頼む。どうせキレイ事を標榜するのなら自力で維持しろと思うのだが、この騒動のおかげで主人公は両方の団から信用され、知り合いを増やしていく。よく考えれば、両団の長が軟弱にも主人公に解決を頼むのは、すべてストーリー上の都合なのである。彼らが解決を部外者に丸投げする無責任な長に見えるのは、この世界を表現する媒体がゲームのせいだ。この世界がゲームではなく、マンガやアニメとしてつくられていたならば、彼らはもっと主体的なキャラクターだったろう。立場上、キレイ事しか言わないにしても。

 さらに野暮な分析をしてしまえば、キング・クイーンという制度は、両団の主義主張には関係なさそうだ。ステージボスが必要だから存在しているのだろう。1面ずつエリアを解放していくからには、なにかしらの区切りが必要である。アクションゲームで区切りといえばボス戦だ。アクションゲームの構造ゆえに両団は、本来は平和な共存主義者でありながら、争いの道具にしか見えないポケモンを育てて配置するという矛盾を抱えることになった。間違いなく彼らはゲーム媒体の犠牲者である。

 未来のヒスイ地方、シンオウと呼ばれる地方を私は知っている。ギンガ団のやり方が最も人間の利益になったことは歴史が証明している。平地の大半を人間が所有し、ポケモンには山と海だけが残される。それでいい。私は人間だから人間のために行動する。私の操作する主人公は今日も博士の図鑑づくりに協力し、三つの団が、人間とポケモンが平和に共存することを願っているフリをしながら思っている。いつかすべての平地からポケモンたちをどかして、人間に平地を明け渡してもらうのだと。表面上はニコニコと愛想よくふるまっている十五歳*3の少女は、内心ではポケモンを友だと思っていないのである。そうでなければ、ポケモンをゲットした瞬間に微笑む*4はずがない。

 

以上、「レジェンズ アルセウス」 発売一ヶ月記念にかこつけてヒスイ地方の人々について語りました。

*1:念のために解説しておくと、ポケモン界隈の記念日である。日付は2月27日で、本家シリーズ初代の赤・緑版の発売日。

*2:私が使っているのは任天堂のライセンス認証商品、HORIの有線コントローラー。店頭価格は約3000円。ゲームキューブのコントローラーにそっくりなのでボタン配置が独特だが、慣れるとむしろプレイしやすい。

*3:シマボシ副団長いわく、女主人公の年齢は見た感じ十五歳ぐらいだそうである。実年齢は不明。しかしダイヤモンド・パール版の主人公は12~13歳ぐらいに見えたので、あの物語から2~3年後にヒスイ地方に飛ばされたのかもしれない。だとしたらすでに地方チャンピオンの経験があることになるので、バトルが強いのは当然である。

*4:ポケモンをゲットした瞬間に主人公の顔が手前(カメラ側)を向いていると、主人公のうれしそうな笑顔を見ることができる。ゲット前にボールを構えている時は真顔。主人公の表情はプレイヤーの気持ちを代弁しているらしい。