ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

【ネタバレ注意】『映像研には手を出すな!』第8集、発売おめでとう!

 

ついに『映像研には手を出すな!』第8集が発売されましたね! 発売日から数日経っておりますが、改めておめでとう! いやあ嬉しい。第7集には第8集の発売予告がなかったのに対し、第8集には第9集の発売予告つき。実にめでたい。この点は素直にお祝いしたい。第8集の内容、ストーリー展開はあんまりワクワクしませんでしたが。大人と子供が対立し、結果的に子供の主張が認められるという展開はありきたり。どっちが正しいわけでもなく、単純に主張と主張のぶつかり合いなのに「大人」と「子供」の対立構造にしてしまったのは残念。読後感を良くしてくれたのは映像研の実力と表現が認められて賞金を獲得するというお約束な展開ではなく、作中で「青春」が否定されたことでした。どうやら大童先生にとって「青春」は活力がなくなった人の追憶の中にしかないモノらしい。要するに「青春」という概念そのものが年寄り臭いということなんですね。今まで映像研の活動を「青春だなあ」と思って微笑ましく見守っていた読者の読み方を、大童先生は否定したわけです。そうか。そうだったんだ。少なくとも、作者の大童先生にとって「映像研には手を出すな!」は青春マンガではないのです。大童先生はこのマンガをそんな風に読んでほしくない。この点が衝撃でした。私がフィクションに求めているのは驚きなので衝撃的なのはプラスポイントですが、青春マンガじゃないのなら、このマンガは何マンガなんだろう。てっきり、一次創作にハマった人たちがアニメ制作という青春を過ごす話だと思っていたのに。ぶっちゃけ、浅草氏以外のメンバーはアニメ関連ではない進路もありえるのではないかと思っていました。彼らの進路のことなんてまだわかりませんが、どうも映像研のメンバーは、学生時代はアニメを作って過ごしたいと思っているわけではなく、純粋に作り手として成長したいらしい。アニメに対して無知な観客から小金をまきあげるだけでは飽き足らず、プロからも評価されようとしている。実に悪。そして意欲的。映像研は世の中に通用するものを作ろうとしているのであって、自己満足で作っているわけではないのですね。まあ考えてみれば当然の話です。なにせ今回の賞金は300万円なのですから、300万円に値するものを作らなければならない。プロなら対価に見合う仕事をするのはあたりまえ。だから彼らは300万円に値するものを作っただけのこと。そう考えると「そのマチェットを強く握れ!」の制作を「青春」なんて言葉で片づけていいわけがない…なんて、こんなこと考えてるのは金勘定をしている金森氏だけで、おそらく浅草氏はただ作り手としての最善を追求しているだけでしょう。「そのマチェットを強く握れ!」はゴールデンタイムにアニメで流血シーンを流すという快挙を成し遂げ、アニメ界に少しは貢献したはず。やはり、見慣れたもの+挑戦的な表現の組み合わせがベストなんですね。独自性がありすぎて難解だと誰にもウケないが、よくある表現ばかりでは飽きられる。娯楽9:新規表現1ぐらいが商業的に成功する比率なのではないか。桜田氏のアドバイスがあったとはいえ、最終的に「そのマチェットを強く握れ!」は表現の黄金比率にたどり着いているのですから、やはり浅草氏は天才です。この天才的なバランス感覚は維持してほしい。これからもがんば…おっと。いけない。危うく「青春」のノリで「がんばれ!」と応援するところでした。誰に言われるまでもなく彼らはがんばり続けるのですから、読むだけの我々は「創作ってタイヘンダナー」とか言いながら、面白おかしく見守らせてもらいましょう。いいぞ映像研、もっとやれ!

 

以上、『映像研には手を出すな!』第8集が発売されてめでたい件をお送りいたしました。