ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

せっかくの2月29日だから、マニキュアを整理する。

今年はうるう年。そして本日は、幻の2月29日。4年に一度しか来ない珍しい日となれば、何かしたくなる。せっかくの日だから、有意義な一日にしよう。寒かったけれど窓を開けて、マニキュアの整理をした。任天堂の記事が読みたくて久しぶりに買った日経新聞。Switchの次世代機に関する勇み足な記事を切り取って、スクラップブックに貼りつける。残った新聞紙はマニキュアを処分するのに使わせてもらった。調べたところによると、マニキュアは中身を新聞紙などにあけて、ビンを空にしてから捨てたほうがよいらしい。家族に「シンナー臭い!」と文句を言われながら、ひたすらマニキュアのビンを振った。ビンは逆さにして、口を新聞紙にむけている。時には綿棒を使いながら、未開封品でも容赦なく中身を出す。エナメル液が2層に分離していて使えなさそうに見えても固まってはおらず、意外とまだまだ使えそうだったりする。結局、5本ほど残した。ネイルホリックの限定色だったり、ダイソーで買ったピールオフネイルポリッシュだったり。既存色や定番商品でない物は買いなおしができないので、つい残してしまう。次にまたマニキュアがマイブームになるのは当分先だし、その頃にはもうこの色は似合わないかもしれないのに、未練が断ち切れない。一度捨てたら取り戻せないので、捨てて後悔するぐらいならとっておいてもいいと思う。マニキュアのビンは小さくて場所を取らないから。ただし収納ケースは決めておいて、そこに入りきらなくなったら減らす、という鉄則は守る。でないと、安さと小ささを言い訳にして増やしてしまうから。学生時代の下宿が汚部屋になってしまったのは、収納の上限を決めていなかったからだと思う。今は片づけのコツをつかんでいるから大丈夫。「片づけ」が必要なのは、持ち物の量が部屋の収納力を上回っているから。だったら最初から、収納力以上の物を買わなければいいだけの話である。そうすれば特別な整理整頓スキルを持たなくても家をきれいに保てる。我ながらこれは大いなる発見だと思う。収納力を超えた物量を減らさずに片づけようとするから、プロの助言が必要になるのだ。「いかに持ち物を減らすか」ではなく「収納スペースと戦わない」ことに主眼を置いたほうが気楽で良いと思う。持ち物を減らすことに注力してしまうと、物を買うこと自体に罪悪感を持つようになりかねず、お買い物が楽しめなくなりそうだから。それはそれで人生を損している気がするので、お片づけもほどほどに。

 

以上、2/29にマニキュアを整理したら片づけの真理に気がついた件でした。

【ポケモン】「レジェンズ」はシリーズ名だと知った驚き。

昨日(2/27)は、ポケモンファンのみなさんご存じポケモンデイでしたね。毎年、この日にはポケモン公式からの重大発表があるとのことで、みなさんソワソワしてらしたと思います。かく言う私も昨日の発表を楽しみにしておりました。ポケモンに関する公式発表は「Pokémon Presents」と題してまとめられ、YouTubeの公式チャンネル内で放送されます。今年は「ポケモンデイ」の単独サイトが設けられ、そこからのリンクでライブ放送を見ることができました。ファンとしてはやはりライブで、リアルタイムで見たいものです。今年もリアルタイム視聴できてよかった。「Pokémon Presents」を見るようになってからは、リアルタイム勢の気持ちが少しわかるようになりました。コメントもリアルタイムで流れるし、今まさにみんなで盛り上がっているという実感が得られて良いですね。

今年の発表「Pokémon Presents 2024.2.27」ではポケモン派生ゲームについての新情報(イベントレイドや新キャラなど)がありましたが、やはり一番のお楽しみは本家シリーズの新作についてでしょう。ファンの間ではイッシュ地方編のリメイクやSVの追加DLCなどが候補にあがっていたようですが、実際に発表されたのはカロス地方編で「レジェンズ」の新作でした。この発表を見るまで「レジェンズ」というのは単純に「過去編」という意味なんだと思っていましたが。シンオウ地方編の「アルセウス」に続いて、まさかのシリーズ化。しかも今回は「ミアレシティ再開発計画」とのことで、もしかしたら未来編かもしれません。過去・未来のどちらにせよ、本編とは異なる時間軸になると思われます。カロス地方編の続編というよりは外伝になりそうですが、私は大歓迎。レジェンズシリーズであれば舞台は新地方ではないので、新ポケモンを出す必要がないからです。正直なところ、完全新作(新地方・新ポケモン)を増やすのはパルデア地方編で限界だと思います。すでに1000種を達成してしまったので、これ以上ポケモンを増やしてほしくありません。これ以上ポケモンが増えてしまうと、通常ポケモンの影が薄くなってしまいます。これ以上増えてなお存在感を保つのは、ピカチュウイーブイフレンズ・御三家・伝説、+アルファでカビゴン・ゲンガー・ルカリオミミッキュぐらいでしょう。今までは新作+旧作のポケモンたちを織り交ぜて作中の「ポケモン図鑑」としていましが、これからの新作はランキングで登場ポケモンを決めるか、常に全種(1008種)が登場するか、どちらかにしてほしいです。ファン投票で上位400種ぐらいを登場させるか、いっそ全種使えるようにするか。「ポケモンホーム」を経由せずとも、すべての種を野生入手できるようになれば、どの地方のファンも喜ぶのでは。まあ、新作に過去編の伝説ポケモンが登場すると「他の地方の主人公たちはどうなった!?」問題が浮上するわけですが。現にパルデア地方でも続々と「伝説」たちが目撃されているので、私も過去版の主人公たちの安否が気になっていたところです。世界線ごとちがうならよいのですが、もしかして全員が死亡エンドを迎えている?  だから伝説たちが野に放たれているのか。だったら辻褄は合うけど、悲しい。今後の新作は全部パラレルワールド設定でお願いします、ゲーフリ様。

 

以上「Pokémon Presents 2024.2.27」の感想でした。よろしければ、ついでに2021年の記事もどうぞ(⇩)

mee6.hatenablog.jp

WHOMEE『ヌメリップ』レディッシュブラウン買ったのでレビュー。

実はずっと気になっていたフーミーの「ヌメリップ」。店頭でのカラバリは3色ほどしかないものの、この短さと細さはすばらしい。常日頃プチプラリップに「長い」「太い」と文句を言っている私からすれば理想の形状。それなのに今まで試していなかったのは、主に値段のせい。口紅というよりリップクリームのようなサイズなのに1400円ほどする。量の割りに高いと思っていた。おまけに、フーミーというブランドはそこまで珍しいわけでもない。ドラッグストアには置いてないけど、ショッピングモールのコスメショップに行けば買えるぐらいのレア度。頻繁に新色や新作が発売されている印象もなく、急いで買う理由がなかった。

しかし今回、ついに購入に踏み切る。ご近所のショッピングモールに入っていたバラエティショップが閉店することになったから。退去時の荷物(商品)を少しでも減らしてあげたくて、久しぶりに買い物しようと思い、ざっと店内を眺めていたらフーミーの棚をみつけた。そういえばここ、フーミー置いてるんだった。それじゃあこの機にヌメリップ買うか。ということで、並んでいた色のなかで一番ダークな「レディッシュブラウン」を選んでお会計。レビュー記事を書くことに相成る。ということでまずはパケ画像から(⇩)

箱まで小さい。ちょっと色補正しすぎた。

外箱の長さは約8.5cmと小ぶり。本体の長さもこのぐらい。長さだけでは「手のひらサイズ」とは言えないものの、本体の細さと相まってつい「手のひらサイズ」と表現したくなる。大柄な人なら本当に手のひらサイズかもしれない。次に使用感レビュー(⇩)

ブラウンより赤みが強い。


WHOMEE  ヌメリップ  レディッシュブラウン:色より先に細さに感動した。直径は1cm以下。自分のメイク歴でここまで細い口紅は見たことがない。手も唇も小さい私には非常に使いやすくて助かる。唇の狭さに悩んでいる人にはかなりオススメ。色名はレディッシュブラウンということで、公式サイトではブラウンであることが強調されているが、実際に使ってみると赤みが強く、ブラウンはあまり感じない。ダークオレンジの服と相性が良い。「ヌメリップ」の名に恥じず、かなりのツヤ質感なので、下地の上から塗るとテカるので要注意。ヌメリップは全6色展開だが、店頭では3色ほどしか置かれていないのが残念。特にウェブ限定色は、通常色より需要がありそう。赤リップは苦手なのだが、ヌメリップは意外とシアーな発色なので、レディッシュブラウンはかなり気に入った。ご近所使いにもできそう。

 

使用感は以上です。意外と当たりを引きました。形状が気に入るものは使い心地も気に入るものなんですね。もっと早くに買っておけばよかった。

服が物語を持つ必要性に気がついた。

服を買う時、思い出になるようなできごとがあればゴミにはならないんだろうな、と思った。私がワードローブの服を減らす時に「捨てる」ではなく「処分」すると表現しているのは、気に入った服を買っているから。手元にあるのはお気に入りの服ばかりなので、可燃ゴミにするのは最終手段。基本的に回収に出す。手元にある服はどこで買ったかだいたい憶えているし、何が決め手で買ったのかも、だいたい説明できる。そういうものばかり持っていると、不用になった➡ゴミにする、は直結しない。私の場合は友達とでかけてもあまり服を買わないので、服を買う=イベントではないけれど、服を買うこと自体が楽しいので、ご近所で買っても十分に思い出になる。今季は、セールに釣られて入ったユニクロでメンズのセーターをみつけた。その色は、理想通りのマスタードイエロー。メンズなので袖丈は余るけれど、リブを折り返せば問題ない。ユニクロのメンズ服はモノクロか寒色ばかりの印象だったので、イエローの発色の良さには驚いた。主原料は科学繊維なので感触は少しゴワついているけれど、洗濯後の乾きが早いのは助かる。暦のうえでは春になっても、寒いうちはこのセーターを着ようと決意するぐらいには気に入った。トップスだけならメンズも選択肢に入る。ユニクロのメンズは実質ユニセックスだと思う。

閑話休題。「服を買う時の物語」の話に戻ろう。なんでまたこんな話をしはじめたのかといえば、オモコロでこんな記事を読んだから。(⇩)

omocoro.jp

この記事では、ライターの「みくのしん」さんが、服を買うという行為がどれだけ苦手であるかを長文で説明してくれる。さらに「謎解き」という娯楽がまったく理解できないことも説明してくれる。そんな人を「服を買うには謎を解かなければならない」という服屋に連れて行ったらどうなるのかを書いた記事。ここでみくのしんさんは、なんと1時間45分かけて独力で一問解いて、同行者の「かまど」さんに8000円の服を買ってもらう。どうだろうか。ここまでして手に入れた服ならば、ただのスウェットシャツだとしても、とても大切にされるのではないか。少なくとも可燃ゴミにはされないだろう。この記事を読んで、服を買う時に物語があればいいのだと思った。ハイブランドが歴史や価値観を前面に出して、物語を演出しているのは意味があることだったのだ。高級品であれば、商品そのものに物語らせることができる。元から物語があれば捨てられない。手放すとしても、せめて古着屋に持ち込まれるはずだ。安価な服が安易に捨てられるのは、物語を持たないからなのだと理解した。正直な話、今までハイブランドには「変な物語を乗っけて奇抜な物を高値で売っている」という偏見があったのだが、今回の一件でかなり反省した。物語を乗せるのは、丁寧につくった服が安易に捨てられないためだ。もしかしたらハイブランドエコロジーに貢献しているのかもしれない。

でも、これがわかったところで私にハイブランドは買えないし、安価な服は捨てられ続けるだろう。だからせめて、気に入った服だけを買おう。「気に入った」こと自体が、物語になるから。

 

以上、服が物語を持つ必要性に気がついた件でした。

【猫の日】やっぱりエネコ。

お題「相棒にしたいポケモン」

 

本日は日本版「猫の日」なので、猫にちなんだ記事を書きたい。でも最近は猫グッズ(フェリシモの雑貨)買ってないし、リアル猫は飼ってないので書くことがない。どうしようかな、いっそ猫の日とは無関係な記事にしようか、なんて考えながらユーザーお題を見ていたら、ポケモンのお題を発見した。「相棒にしたいポケモン」。今回はこれで行かせてもらおう。しかし、改めて考えると難しい。まずは前提条件。自分がポケモン界に行くのか、ポケモンがこちらへ来るのか。前者であればモンスターボールだって使えるから、飼育難易度は関係ない。悪の組織の陰謀に巻き込まれず、ただチャンピオンを目指して旅をするだけなら、好きなポケモンを選ぶだけでいい。しかし正直な話、猫ポケモンはあまり強くないと思う。ネコ科というくくりならライオン・豹・虎モチーフも含まれるから強い種もいるけれど。厳密に「猫」モチーフだと初期形態ばかりになるから、ガチ勢でないとバトルでは活躍させられないと思う。「バトルの相棒」という観点だと、猫ポケモンは選べないかもしれない。

そこで今回は、あえて後者を前提にして考えたい。ポケモンをこっちの世界に召喚するのであれば物理的な飼育難易度も考えないといけないが、私は猫ポケモンが飼いたい。ポケモンであればリアル猫の飼育用品で飼えそうだし、バトルでの強さは問題にならない。だって、こっちの世界の猫(イエネコ)は戦わないのだから。闘鶏・闘犬に使われるニワトリと犬は気の毒だと思う。猫は飼う側も飼われる側も(猫が健康でお金の心配がなければ)気楽なものだ。水槽はいらないし、快適な温度は人間に近いので、エアコンで室温調整できるのも魅力。扇風機やヒーターを加えれば温度管理は完璧だ。要するに、猫は人間とほぼ同じ環境で快適に暮らしてくれる。この点がありがたい。寒い時は身を寄せあい、暑い時には風通しの良いところで共に寝そべる。猫との暮らしは理想的な生活と言える。

では、ポケモンと共にこのような理想的な暮らしをするには何タイプが良いか。当然ながらノーマルタイプである。猫ポケモンといえばノーマルタイプが定番だが、中にはエスパーや炎や草タイプもいる。草ぐらいならかわいいものだが、エスパーや炎タイプが暴れたら身の危険を感じるだろう。人どころか家だってただでは済まない。こう考えるとやはり、ノーマルタイプが良いだろう。それも、初期形態が良い。うっかり進化後の個体をもらってしまうと体格が大きいので、狭い家では飼えない。集合住宅では飼いにくいだろう。だから進化前の個体が良い。それも、進化条件が複雑なほうがいい。ニャースのようにレベルであっさり進化されてしまったら、急に大きくなるので困る。買いそろえたグッズは使えなくなるだろう。少なくとも、猫トイレと猫ベッドは買い換え必至だ。ごはんの量だって急に増えるから、食費もかさむ。そう考えると、ここはやはりエネコが良い。そう。あの、ピンク色の。ホウエン地方の。つきのいしで進化するやつだ(⇩)

zukan.pokemon.co.jp

エネコは目が細いので、他の猫ポケモンのように愛らしい瞳を堪能することはできない。肉球だって無いかもしれない。よく見たらしっぽは細くて不安になるほどだし、全体的に毛足は短かそうだ。それでも、私はエネコがいい。うっかりつきのいしを買ってこない限り、ずっと小さいままでいてくれるから。通常の動物とちがって「進化しない限り体格が変わらない」のがポケモンの利点なのだから。エネコはポケモンの利点を体現した、もっとも飼いやすい猫ポケモンのはず。自分のしっぽを追いかける習性があるからおもちゃがいらないのは安上がりでありがたい。キャットタワーには登れないかもしれないけど…なんて、考えていたら本当にエネコが飼いたくなってきた。私の心はまだホウエンにあるらしい。

 

以上、生活の相棒はエネコがいい件をお送りいたしました。

【自戒】メイクを「虚飾」と言い切ると、コスメのレビューが書きにくい。

自分で自分の首を絞めてしまう行為の結果を指して、日本では「自業自得」と言いますね。私はまさに自業自得の事態に陥っています。少し前に書いた、メイクやコスメを悪く言う記事が、思いのほかウケてしまったのです(⇩)

mee6.hatenablog.jp

ご覧ください、この☆の数を! 2/20現在で☆35もあります。私の弱小ブログにおいては、一記事の☆数が30を超えることはめったにありません。☆30を超えることがランキング(ベスト5)入りの条件だったぐらいです。それなのに☆35。しかしも、同じ方から何度も☆をいただいています。おそらく、まず一読して共感して☆、そして実際にコスメショップに行って☆、また記事を読み直して☆をくださったのだと思いますが。それにしても、同じ方からここまで多くの☆をいただいたことはありません。よく見たらブックマークまでついてるし、この記事で新規読者を獲得したしで、すげえ共感されまして。ありがたい。ありがたいんだけど、ミスった。この後がやりづらい。一度否定的な態度をとった相手に、あとで好意的に接してるところを見られたら「なんやこいつ口先だけやん」てなりません?  実はこれからもコスメのレビュー記事を書きたいんやけど、どないしよ。我ながらアホなことしましたわ。いや、⇧の記事の内容も本心やからええんやけどね。ウケたこと自体はうれしいねんで。それはほんまなんやけど、このあとどないしよ…ここはもう開き直るしかないな。この際やから私が至った境地をお伝えしましょう。それはもう「メイクは虚飾と割り切って行う」ことです。素人のセルフメイクは魔法じゃなくて虚飾。メイクを「魔法」の域に高められる人のことを「メイクアップアーティスト」と呼ぶのであって、それ以外は全部「虚飾」です。大した効果のない自己満足だと思いましょう。ドラッグストアに魔法のアイテムが流通してたら誰も苦労しません。デパートのコスメフロアには流通してるのかもしれませんが。実在するマジックアイテムだと思ってるから、デパコスに高い値段を払えるのかも。だとしてもズボラな私に使いこなせるとは思えないから、手は出しませんけどね。

ついでに、私はどんな目的でメイクしているのかというと、服装を完成させるものとして使っています。私にとっては顔面も服装の一部なので、服の色に合わせてポイントメイクします。メイクの効果による視覚的なトリックで顔のつくりをごまかすのではなく、元の顔立ちに似合うものを使います。私は黒髪・太眉・鼻高なので、アイシャドウは濃いめ、リップは暗め、チークはなしです。濃い顔立ちにはクールなメイクが似合うので。要するに私は顔の質感を服に合わせたいのであって「理想の顔立ち」になりたいわけではありません。素人のセルフメイクは素顔と服装のバランスをとるためのものだと割り切りましょう。それ以上の効果はありません。繊細なフリルシャツの上にある顔がスッピンだとおかしい。それだけの話です。みんな、プチプラの新製品に過度な期待をするのはやめよう。

 

以上、メイクを「虚飾」と言い切るとコスメのレビューが書きにくい件をお送りいたしました。性懲りもなくコスメレビューもするけどね。

 

追記:この記事の公開後に読者様が増えました!  登録ありがとうございます。コスメ以外のこと(ポケモンとか)も書く匿名雑記ブログですが、末永くおつきあいいただければ幸いです。

前半ですでに面白いじゃないか!『フード理論とステレオタイプ50』

books.bunshun.jp

 福田里香著『物語をおいしく読み解く  フード理論とステレオタイプ50』文春文庫(以下、略して『フード理論』と表記)を読んでいるところです。文庫版は全52章(後日訂正:目次をよく見たら全50章でした。どうやら、無意識にまえがきとあとがきも章に含めてしまったらしい。大変失礼いたしました。)あるんですが、まだ17章しか読んでいません。どの章も面白くて読み終えるのがもったいないので、少しずつ大事に読んでいます。元になった本はプレミア化しているので、文庫になってくれてよかった。物理的にもお値段的にも読みやすくて助かります。

 芸術やフィクションの内容を理解することへの近道は、知識や教養を増やすこと。逆に言えば、知識や教養が少ないと芸術もフィクションもあまり楽しめません。中野京子氏の西洋絵画解説本がウケているのは「予備知識がないと誤解してしまう絵」を解説してくれるという実用性がありながらも、一冊一冊のテーマは「愛」や「欲望」といった俗っぽいわかりやすさだからではないでしょうか。よくある美術解説本は、地域(国)・時代・技法なんかで解説しがちですが、こういったくくりだと、予備知識なしでは、そもそも本を手に取ろうと思えません。中野氏の本が優れている点は、タイトルがわかりやすくて手に取りやすいという商品としての正しさと、「読者に正しい知識を与える」という書物としての目的を同時に達成している点でしょう。

 なんでまたここで急に中野氏の話をしたのかと言えば『フード理論』にも同じような感想を抱いたからです。

 教養の深い人が膨大な量のフィクションを鑑賞し、時間をかけて分析しなければ気がつかないことを、コンパクトにまとめて教えてくれる。手に取りやすさと実用性の見事な融合が本書です。一章あたりは3~6ページほどの短さながら「そういえばどこかで見たことある」「言われてみれば確かにそうだ」と思える内容ばかり。例えば「ゴロツキはいつも食卓を襲う」「仲間は同じ釜の飯を食う」「失恋のヤケ食いはいつも好物」「絶世の美女は何も食べない」など。どれもこれも既視感のある、フィクションのお約束。みんな漠然と気がついているけれど、あまりにも頻繁にみかける表現だからこそ、誰も真面目に分析していない。もちろん、作り手のみなさんは演出として、効果を知ったうえで使っている表現なのでしょう。

 しかしこれを、消費者の目線で「あるある」として収集し、大真面目に分析したあげく本にまでしている人はまれなのでは。このような内容の貴重さに加えて、一章ごとについている漫画家オノ・ナツメ先生の扉絵がすばらしい!  あとがきによると、著者はこの扉絵を楽しみに本文を書き進めたそうです。さもありなん。自分の文章にオノ・ナツメ先生の挿絵がつくとなれば、誰でも喜んでやる気が出せるでしょう。この本が生まれたおかげでオノ・ナツメ先生のイラストが新たに50枚も生まれたと思うと、それだけで感動します。扉絵のおかげで各章の内容を「はいはい、こんなシーンね」「こういうの、よくあるよね」と理解しやすくなっていますし、扉絵みたさに読み進んでしまう魅力にもなっています。提唱されている「フード理論」に興味がない方でも、オノ・ナツメ作品のファンは買って損はしません。扉絵をポストカードブックにして売ってほしいぐらい良い。内容の興味深さに高品質な扉絵がついてくるとなれば、文庫一冊のお値段以上の価値があること、まちがいなし!  食事やお料理に関心はない方でも、映画・アニメ・漫画がお好きであれば、ぜひお読みください。演出の意図がわかると、表現への理解度が深まって楽しいのでオススメ。

 

以上『フード理論とステレオタイプ50』読んでいる件でした。読みかけなのに面白いのはすごい。Amazonへのリンクはこちら(⇩)

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蛇足:ここから先は読んでもらえなくてもかまいませんが「04」の応用編と思われる表現をみつけたのでお伝えします。漫画『銃夢  Last Order』1巻に登場する少年ジムが、P108でポップコーンを捨てるシーンです。彼に食べかけのポップコーンを捨てさせることで「嗜好品にポップコーンを選ぶ程度の幼さ」と「お菓子を独り占めする独善的な性格」と「食べ物を粗末にする悪人性」を表現しているわけですね。このポップコーンの表現の意図は、後のシーンを読んで彼の性格を理解してから見るとよくわかります。フード理論に基づく表現はこうやって継承されていくんですね。

 

2024/2/20追記:章数がまちがっていたので本文を加筆修正。本日、無事に読み終わりました。やっぱり扉絵が素敵だけど、読み終わってさみしい。