ロマンというほどでもない

日常以上、ロマン未満のモノを紹介するブログ。たまに私見も書きます。

マンガ10選。スッキリした線の画風で静かな作風が好き。

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

目次

 

好きなマンガというテーマでは過去に何記事か書いている(⇩)

mee6.hatenablog.jp

 

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正直な話、上記の3記事を読んでもらえれば私が好きなマンガがだいたいわかるが、上記の記事ではあえてマイナーめなタイトルを選んでいる。ここにメジャーなタイトルを付け加えるなら『HELLSING』と『銃夢』と『綿の国星』だ。うん、これで好きなマンガリストはほぼ完成だね…って、ここで終わったらこの記事短すぎだろ。文字数の最少記録更新しちまうわ。『HELLSING』と『銃夢』と『綿の国星』は親の影響で読んでるので「好きだから読む」より「読んだから好き」のが近いし。しかも10タイトルに絞り込めてないし。10タイトルのみにしろって言われたら…こんな感じか(⇩)

 

『タイトル』/作者

アタゴオル」/ますむらひろし

『25時のバカンス』・『虫と歌』/市川春子

『惑星9の休日』・『夜とコンクリート』/町田洋

「ニッケルオデオン」・『メランコリア』・『バビロンまで何光年?』/道満清明

百万畳ラビリンス』/たかみち

 

もうこれがベスト10です。書いた順に好き。ここ数年あんまり入れ替わってない。

それじゃ、それぞれのタイトルについてざっと紹介…いや、感想だけでいいか。マンガ好きならとっくに読んでるわってタイトルばっかりだし今さら紹介もなにもあらへんわ。私なんかにはマイナー勢を気取るほどの知識もないし。んじゃま、いってみよか。

 

アタゴオル」/ますむらひろし

好きなマンガに本作をあげる人は、人間社会が嫌いなのかもしれない。創作力が問われるハイファンタジーというジャンル。人間と共存する、服を着た猫たち。鉱物と植物への偏愛が感じられる描き込まれまくり背景。魔法とも超能力ともつかない能力を使う者たち。ヨネザアド大陸には工業都市もあるという設定をしておきながら、あえて田舎(科学力は手工業レベル)のアタゴオル地方を舞台に。恋愛は描かれず、男女問わず性的な香りのしない登場人物たち。統合すると…アンチ現実の作風。私たちの世界にあるものがほとんどない。現代社会からの強烈な逃避願望なくしてこれは描けない。すでにあるものが全部うまくいっている「理想的な現実」ではなく、忌まわしいものが何もない「異なる現実」を見たい人にしかおすすめできない。根っから健全な人にはよくわからない世界観だろう。3.11さえ起きなければ、ますむら氏の体力の限り連載が続き、まだまだ新話が読めていたはずだと思うと惜しまれる。原発事故への政府の対応にますむら氏は失望し、連載を終えることになさったらしい。ますむら氏の心を折って名作「アタゴオル」シリーズを終わらせるとは。おのれ津波め。個別記事はこちら(⇩)

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『25時のバカンス』・『虫と歌』/市川春子

言わずと知れた市川氏の短編集。『25時のバカンス』は夜と海を、『虫と歌』は昼と陸を大まかなテーマにしている。どちらもSF寄りな作風。市川氏の画風はイラストの連続のような印象なので読む人を選ぶ。細い線で描かれる曲線のなんと美しいことか! 身体の欠損表現もあるのでマンガ版の耽美派と言える。一見すると少女マンガのような画風だが動きが感じられる絵。「パンドラにて」と「虫と歌」は短編アニメーションにしてほしい。きっとアニメ映えする。絵本作家たむらしげる氏が長編アニメを作ってもらえるのなら、市川氏の短編が短編アニメになってもいいはず。作って誰かお願い。あと「星の恋人」に登場したスキンヘッドおじさんが「宝石の国」の金剛先生の原型だと思うんだけど誰か考察してる? ついでに言うと市川氏はNLだとおじさん×少女派で、同性カプなら少女×少女が好きな気がするんですがどうでしょう。マンガには絵があるので、作者の性癖が垣間見れる気がします。

 

『惑星9の休日』・『夜とコンクリート』/町田洋

どちらも短編集。「惑星9の休日」「衛星の夜」「夏休みの町」も短編アニメ映えしそうだ。町田氏の画風も線が細いが、輪郭線は市川氏と異なり直線的でカクカクしている。市川氏の作品よりもさらにアニメ向きな画風だと思う。「とある散歩者の夢想」を見るとたむらしげる氏に推薦されているのもうなづける。キャラクターを異形頭にすると絵本の挿絵になっていてもおかしくない。「夜とコンクリート」は冬の話だが、この他は夏の話なので夏がお好きな方には両方ともおすすめ。「夏休みの町」は大人が読むと考えさせられる。すべての人がソウくんと同じ決断をする世界になり、「ドーム」に安住したがる大人がいなくなりますように。個別記事はこちら(⇩)

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「ニッケルオデオン」・『メランコリア』・『バビロンまで何光年?』/道満清明

百合モノの作品もある道満氏だが、この方の本領発揮は連作短編だろう。前の話の登場人物が後の話に登場しているのを見れば、同じ世界のできごとだとわかる。ただしこの発見は通し読みでないと難しいので、道満氏の作品を読むなら単行本をおすすめする。単行本のほうが断然楽しめる作風なのだ。これは稀な作風だと思う。この方のような作風を確立できれば雑誌で読み捨てされることなく、単行本が売れやすそうだ。これからもオチが読めない系物語を紡いでほしい。読むタイプのルーブ・ゴールドバーグ装置をお探しの方にはおすすめ。ニッケルオデオンシリーズの単行本にはキャンバス地のような凸凹した紙のカバーが使われており、そこにカバーイラストが印刷されているので、油絵のようで油絵ではない不思議なイラストになっている。そのうえ、このカバーは手触りが良いので紙の単行本がおすすめ。

 

百万畳ラビリンス』/たかみち

もうはてなキーワードに登録されているようなので感想を書くこと自体が野暮なのだが、強いて付け加えるなら、物語の魅力もさることながら、背景のデタラメな景色も美しいということだ。こんなダンジョンがあったらぜひ探検してみたい。モンスターが出る洞窟よりも断然ワクワクすると思う。個別記事はこちら(⇩)

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総評:スッキリした線の画風で静かな作風が好き

私が好きになったマンガの共通点は、スッキリした線の画風で静かな作風であること。ごちゃごちゃした輪郭線だったり、1コマの情報量が多すぎる画風だとあまり読む気がしない。背景から騒音が聞こえそうな作風も嫌だ。背景からは自然音だけが聞こえ、登場人物のセリフがよく聞き取れそうな作風がいい。マンガだって静か・質素・単純なのが良い。結局のところ行きつくのはいつもシンプルイズベスト。

 

以上、ミーシックスが好きなマンガ10選でした。このリストは当分入れ替わらないと思います。いやマジで。